[ふと、視界を転じる。
雨音とは違う水の流れる音が、聞こえた気がした]
おや、そこにいらっしゃいましたか。
[人形師の姿を認めて、手を挙げる。
傍らに、お茶を煎れるグリタの姿も光子得ることが出来、*微笑んだ*]
……やはり、探してこよう。
誰がどうであれ、一人でいるのは得策ではない。
[誰にともなく、そう、言い置いて。男は食堂を出る。
しかし、ほぼ休みなく動き回っていた疲労は深く動きは鈍い。
その結果、探す相手がいる場所へ──2階へとたどり着くのは、だいぶ時間が過ぎてから。**]
あらあら、まあまあ。
ドウゼン先生じゃありませんか。
[ちょこんと正座している婆は、柔らかく*笑みを返した*]
ん…ああ、寝てしまっていたのか。いつの間に。
[食堂のテーブルに突っ伏していた顔を上げ、目をこする]
見張っているつもりが、お恥ずかしい。
[真っ先に目をやるのは、*人形*]
…また、2体減っている。
いないのは…ドウゼン先生、と?
おや、先生いつの間に
お茶いかがですか
サービス中でして
お茶が欲しいと思ったら手に持ってるなんてね
面白い所ですね、ここは
[水の流れる音に瞼を開けば、川原にはかつて死者と認識したグリタとボタン、そして食堂にはいなかったドウゼンの姿を認める]
……もう、偽らなくてもいいのね。
生者の世界からオトハという存在はもう、完全に消えたのですから。
[ふう……と、力が抜けた、安堵の息。]
待って。わたしも行くわ。
[食堂を出て行くライデンの後ろ姿に声を掛ける。
断られなければ共に、でなければひとりでドウゼンを捜しに。
しかし次に女が捜し人の姿を見たのは、自身にしか見えない姿での*こと*]
お茶会ですか。素敵ですね。
私もいただいてもよろしいでしょうか。
[お茶を楽しむグリタ達を見て、*微笑んだ*]
[いつの間にかうとうとしていたようだ。気がつけば夜が明けて―朝の9時くらいだろうか。
昨夜はうつむきながら、周りの話を聞いていた。ザクロの話は信じられないものではあるが、だからといって否定するものでもない。特に返事もせずに暫く聞いていた。
誰かが食堂から出て行こうとしているようだ。顔を上げると、ライデン>>0に続いてザクロが出て行くのが見えた>>2]
また…減ってるんだ…
[ベックの言葉>>1を聞いて、ぽつりつぶやいた。あたりを見回すと、昨夜優しくかけられたままの薄いベール>>2:26が視界に入る]
あれ…オトハさんは…
[周りを見渡しても、ベールの持ち主が見当たらない。テーブルの上にある人形が目に入る。数は確かに5つ**]
オトハさん、一緒にお茶しましょう。
女子会よ女子会。うふふふ。
[と笑いながら、頭を撫でる。
しかしそれはオトハではなく招き猫の頭だった]
ときどき茶柱が立つじゃない。
ウミ爺さんは言っていたわ……
[ここで突然、白黒劇画調の顔*(゚д゚)*]
茶柱が立つと早死にするのじゃあ!!
[ライデンの後を追うように、たどり着いた二階の一室。
横たわる姿と対照的な微笑を見留め、片手で顔を覆う。]
もう、生きては居ないわ。
それと、もう…ひとり――新たに。
[それだけを呟き、小瓶を眺める。
女が洩らした言葉の意味を、同行を許した男は理解できただろうか。]