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[暗い。深い。冷たさですらない、痺れ。]
( こぽり… )
[遠く蒼い水底から気泡が昇る音がする。
湧くものであるのか、沸くものであるのか。
音を立てる親しき気泡は、名を悪意という。]
[火種を静かに吹くと、束の間の暖色が燈る。]
…
隣人のようにある。
…いつでも。
[微細に淡く舞った灰の名は、 *害意という*。]
[ こぽり ]
[ こぽり ]
[耳の奥まで染み込む水の冷たさ。
湧き上がる水音に紛れてキィーンッと不快な金属音が頭蓋を揺さぶる。
浅瀬で破れた網を投げては巻いて居たはずが、何故倒れた程度でこんなに深い場所まで流されてしまったのだろう。]
(……誰か、
助けて、く…………)
れ
[開いてしまったヘイノの口に、悪意と言う名の意思をそれが持っているかのよう、大きな藻の塊が入り込んで来る。]
[ こぽり ]
否、まみえるだけでは、足らず。
あれを思い付く限り、あらゆるやり方で辱めて、最後はあれの肉で腹を満たして、
やりたい。
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