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六花ね、驚いたりしないのね。
ずっと、どこかでもしかしたらって思ってたのね。
でも、信じたかったのね。信じたかったの…。
[席を立ち、隣の車両へと消えていく寺崎を振り返らずに言った**]
[寺崎が戻ってくる気配に振り返らずに言い放つ]
うそつき。
[次第に肩が震え、嗚咽混じりで続けた]
うそつき…ケンくんのうそつき。
ひっく……一緒に、帰ろうって……言っ…た、のに……。
なん……で……。
[両手で拭うが、涙が止めど無く溢れてくる。
もう会えないのだと思うと、ただ悲しくて仕方なかった**]
[冷淡に響く言葉が耳を通り過ぎる。彼が消滅するとき、その声を聞くことが出来るのだろうか。
消滅したら―]
いかないで。
[寺崎の前に立つと袖を引いて言う。二宮の遺体を運ぼうとした時と同じように]
行っちゃやだ……。ケンくん、行っちゃやだぁ……。
[駄々っ子のように泣きじゃくりながら、冷ややかな視線を向けられようと真っ直ぐに見つめる。
例え寺崎の全てが嘘だったとしても、自分の中に芽生えた思慕の念は本当]
六花、ケンくん…と、一緒に帰りたい……。
[それが叶わないと知っていても、言わずにはいられなかった**]
[それ以上は何も言えなかった。優しい手の温もりに今までの記憶が溢れ出る。
同じクラスだった時に何度となく声をかけてくれて、
何度となく注意されて、
何度となく、こんな風に涙を拭ってくれた。
その記憶全て幻となってしまうのだろうか。
悪あがきをするかのように最後まで寺崎の服の裾を握りしめていた**]
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