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それ、どこの国だよ。イタリア?
ふうん。胸だけで選ぶわけじゃないんだ。
……ま、元気だせよ。大人なんだし。
フリーターとかサラリーマンとか、あんま関係ねえと思うけどな。
ん。ちゃんと電池も入ってるな。
イタリアだったらトップだ、トップ。
マイシリアストップ。ディスイズアペン。
……もっとストレートにふられてたら、とっくに処分できてたかもな。
[独りごち、珍しく憂いらしい横顔を見せたが]
ノー問題。ナットアクシデント。……ん?
まあ、細けえ綴りはいいんだよ!
[間もなくいつもの調子に戻り]
よっし。じゃあボインを……
じゃない、犯人とか手がかりとかを見つけにいくか。
ほうほう。
生きておいでの皆様のお姿が見え、お声が聞こえますね。
不思議なものでございます。
つまり……私は死んだ後も、こうして皆様が右往左往なさるご様子を、拝見できるというわけでございますね。
これはなかなか、ありがたいことでございますよ。
[青年が気に留めた真珠の指輪の逸話は、思いがけず
レンが尋ねたことによりズイハラの口から語られ。
自らが口を差し挟むこともなく各部屋を見ていく。]
…… 汲んでくださって、有難うございます。
貴女のことも、心配してないわけじゃないんです…
[声のトーンを落とすポルテの様子を見詰めて、
両目を細め…もう一度深く腰を折り頭を下げる。]
そんなふうに口籠って、
物思いに耽ってらっしゃるところ――
[顔を上げながらの声は、どこか他愛無く]
昔の知り合いに似てるんですよね。
[信じられない、信じたくない、という風にか細い声でアンの名を呟いていたが、ピエトロとビセの死に、今起こっている事が冗談等ではない事を悟り]
……ジョークじゃない、ホントのこと……
どうして……?日本、平和な国の、はず……。
できること……
[あまりにも短い時間に多くの死を目撃したショックは拭えず。おぼつかない足取りではあるが、近くの鍵の開いている部屋からシーツを持ってきて、丁寧に、死者にかぶせて]
[わかる単語を、必死で聞き取って自分なりに現状を把握しようと心掛けながら、ダンケの傍を離れず歩いていく。]
お兄ちゃん……
プレーチェは、お兄ちゃんや、アンちゃんや、レンくんに、課題のレポートのこと聞こうと思ってた。今の課題難しい。どうしても困った時はおいしいカレーの作り方を書けばだいじょうぶって、アンちゃん、教えてくれた。プレーチェの家のカレーは教授は好きじゃなさそう。日本のカレー独特。学食カレーは素晴らしかった。プレーチェは日本のカレーの作り方知らない。アンちゃんに聞こうと思ってた。アンちゃんはたくさんの事を知っててお話もすごく面白い。お喋りいっぱいするはずだった、楽しみに……してた………のに……どう、して、ですか……?
ビセさんとピエトロさんも、どうして……。
[ダンケの袖をぎゅっと握って俯く]
―蔵―
[古い映画のように褪せた色が、そこにはあった。
小さな女の子が、蔵の中で戸を叩いている]
『お父さんお母さんごめんなさい。
ビセ、いい子になるから出してー』
[座り込んでそれを見つめるは享年十八歳の女]
呼んでも誰も来ないですよー。
ズイハラさんの指輪、パールの指輪?アクセサリー。
プレーチェ、アクセサリーいっぱい持ってきた。
新しく作られたのじゃなくて、昔からある、ほぞん、とか、じょうたい、とかが良いものだって。ママがくれた。今のお仕事の相手の人が貴金属の流通関係言ってた。それで手に入ったって。
お兄ちゃん。パパとママのお仕事は、とても良く進んでるです。パパもママもとっても元気。
プレーチェにいっぱい送ってくれた。ドレスも一緒。
最近だよ。
アクセサリーはしまっておくんじゃなくてつけるもの。でもプレーチェ大学忙しい、つける暇ない。
招待状が来たです。
みんな違うって昨日言ってたお手紙、プレーチェのはパーティの招待状。お土産に着飾るものほしいって。
アクセサリーは着飾るものだから、プレーチェは丁度いいと思ってママにもらったアクセサリーとドレス持ってきた。
大学も、トラブルないです。
みんな親切。喋る言葉がうまくできなくて時々通じなかったり、きちんと読めない字があったりする時は大変だけど、日本来てよかった思う。お兄ちゃんにも会えた。
嬉しいのでいっぱいだった……のに。
[ポケットに入れっぱなしにしていた差出人の書かれていない招待状を取り出す。それを持つ手に力が入るのは無意識か、やり場のない気持ちか]
大変な時に何もしないことはとてもとても良くないです、国のママがよく言うます。お兄ちゃんがいる、プレーチェ大丈夫……。プレーチェは、何ができますか?食べ物を調べるは、知識ないです。
[首を突っ込まないでほしいと言うポルテの言葉を気にしながらも、何かできないかと兄を見つめて訴えかける]
屋根裏、物置、布団部屋。
誰かが隠れていた痕跡はなかったね。
雨漏りを酷くしただけだったよ。
……埃で気持ち悪い。シャワー浴びて来る。
―回想・嵐の夜―
[ひとり、机に向かって何かを書いている]
「嵐が酷い。
こういうときは、決まって悪いことが起きる。
3年前の事件のときも、こんな夜だった。
もしかしたら、とは思うが
私は生きてここを出られないかもしれない。
もし、これを手にしている人間がいたら
おもちゃ会社を経営するピエトロという男を
洗い出すよう、伝えてほしい。
私がここで会った中で、一番黒に近い。」
[最後は所属しているらしい警察の名前と
その連絡先で締め、警察手帳に書きつけた紙を挟んだ]
おとり捜査って、犯人をおびき出すため
誰かが毒殺されやすいように罠を張るってことだよね。
手段として有効なら、考える余地はあるかな。
ね、お姉さんはどうして今の仕事についたの?
もし、本格的にやるつもりなら……
おとりは私がやろう。
さすがに、こればかりは他の人間にはさせられない。
[レンの提案には、穏やかながらも
強い意思を感じさせる口調で答える]
刑事を選んだ理由か……
今となっては恥ずかしい話だが、
ドラマの刑事に憧れてたんだ。
人を守るためには危険をものともしない、そんな刑事に。
着る機会なんて
作ろうと思えばいくらだって作れるでしょ?
お姉さんなら引く手数多だよ。僕が保証する。
……どうだろう。お姉さんじゃ、犯人に警戒されるんじゃないかな。
一般市民を使うのってそういう理由だって、よく刑事物のドラマで言ってるよ。
あはは。
でも憧れを貫いて本当になっちゃうなんて凄いや。
お姉さんには守りたい人は、いるの?
三河屋さんにとってのプレーチェみたいな。
[屋根裏や、色々な場所を探索してから]
おとりだとか、危ない事はやめましょうよ。
一般人とか警戒されるとか関係なく。
誰かが危険な目に遭うなんてのは嫌ですって。
もしもの事があったりしたら、マジ問題ですから。
[提案の話を聞けば、そんな事を言って*]
ふうん。なんか切ないけど、カッコイイ。
お姉さんって、きっと人が好きなんだね。
難しいんだ。
……お姉さんは、誰が犯人だと思う?
巻き込んでしまったって……
別にお姉さんが事件を呼んだわけじゃないんでしょ?
僕はお姉さんがいて心強いよ。
勿論、お姉さんが犯人じゃなければ、だけどさ。
一番意外な人物が犯人だった、っていうミステリーのお約束?
[遠く聞こえる声に、呟いて]
身の危険に晒されながらも、互いを守ろうと行動される様は、美しいものでございますね。
ですが、いつしか毒は染みて参りますよ。
互いの心に、疑いという、毒が。
……君の質問は難しいのが多いな。
何とも答えようがないが、
ここはどうにも人がいい人間が多くてね。
今一つ、疑いきれてないんだ。
私からすれば、自分が事件を呼んだように
見えてしまうんだよ。
もちろん信じて貰えるのはありがたいし、
信じることが大切になることもある。
ただ、こういうときに必要以上に心を許すと
いざというときに最悪の事態を招く。
信じるかどうかは任せるが、私は犯人ではないよ。
[どこにあるか分からない目を見つめ返すように言う]
毒は、目に見えぬ形で忍び寄ります。
食べ物に、飲み物に。
何気なく触れた針に、包丁に。
シャワーヘッドに、何か仕掛けられてはおりませんか?
顔を拭うタオルには、何も染みこまされてはいませんか?
皆様が守りたいとお考えなのは、どなたでいらっしゃいますか?
その方が手渡して下さる物へ、ためらいなく触れることはお出来になりますか?
そうなんだ。じゃ、お姉さんの見立てだと
ここにいる人が犯人じゃない可能性の方が高いってことかな。
わかった。必要以上には信用しないことにするよ。
……どうか、したの?
[屋根裏や色々な場所の探索を進めて]
おとり捜査、テレビの中で見たことある。
ホントにするのは危ない。
プレーチェは、よくない思うです。
これ以上何か起こるの、嫌です。誰が犯人とか言うのも、なんか嫌です……
お兄ちゃんは大好きなお兄ちゃん。ずっと会いたかった、ひつじくんも一緒。
ポルテさんは刑事さん。レンくんは日本に来たプレーチェによくしてくれた。よくアンと一緒に騒いだ。プレーチェここまで頑張れたのレンくんのおかげ。ズイハラさんは楽しい人です。ここで初めて会ったけど、悪い人に見えないです。
どちらかといえば希望的観測、という奴だな。
犯人だという確証のない人間を告発するには
恐ろしく勇気がいる。
……いや、何でもない。
耳鳴りがしただけだ。
[死してなお生者を煽る亡霊の囁き>>+6>>+7は
誰にも知らせまいと]
………痛っ…あ。
さっきの窓ガラスの……
[足元は部屋から出てきた時のまま。裸足にスリッパだった事はめまぐるしい出来事の中、今の今まで頭の中から抜けていたようだ。ガラスの破片で滑ったときの怪我に気づく。]
なんか、べたべた、するです。
……靴、取りに行こうと思う。
お兄ちゃん、プレーチェは、一度お部屋に戻りたいです。それに……靴以外も、机の上に忘れ物してきた、です。
ドラマの中の刑事って、疑うのが仕事だけど。
お姉さん見てると、実際には違うのかなって思うよ。
そう?
……もし調子が悪いなら、少し休んだ方がいいよ。
[べたべたの感触に気持ち悪さを覚えながらも
部屋へと向かう。]
……白いの、なんだろう。
[アンのショックでへたり込んだ時にでもついたのか。腿から足にかけて、不自然な白い、液状のものが乾いたような付着物。]
……みんな不安。お兄ちゃんも不安。
プレーチェにはひつじくんがいる。大事なひつじくん。お兄ちゃんにはいないです。だから……
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