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もし、神隠しが人ならざる者の仕業と言うなら。
神隠しから、消えた人々を救うためには……その元凶を倒せば良い。
結局は、それが一番の近道。我が呪縛からも解放されよう。
さすれば、人々は戻ってくるやもしれぬ。
憶測と仮説……いや、多分に希望的観測に満ちた話だ。
先刻までは、人が消えることなど気にも留めなかったのだがな。
決めるのは、いつだって人の役目。
神を選ぶも、神を捨つるも。
それが出来ぬ輩に、村に、未来などあろうはずもなし。
……下らん感傷だ。
ああ。躊躇ってるのか。俺は。
残った人たちと
攫われた人たちと
秤にかけて、傾く方向は ――
[頭の中に浮かぶ人の像。かたり、秤から何かが零れて落ちます]
こっちへおいで。
ここにいるよ。
[耳に纏わりつくように聴こえくるのは
数多、神に隠された人たちの憎悪と怨嗟の声。
幼き頃より聴き飽いた声]
こっちへおいで
アソボウ
待ってくれ!
やめてーー
遠くから聞こえてくる声。
すぐ傍で聞こえる声。
それらが混じりあい、渦となって襲い来る。
人が嫌い……?
[誰かに問われた言葉。あれは、誰だったか]
ああ。
鬱陶しい。何もかも。
[ぽつり、天からの水滴が鬼の面の瞳を打つ]
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