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ねぇお母さん、今年も盆踊り大会ってあるの?
[夏の暑さに項垂れるように、呟く]
だって人が三人も居なくなったし。
[投げ出した足許に、去年と同じく散らばる花粉]
[また手許に届いた封書を透し見て。
無造作に体を起こしては、向かう先にひまわりの花畑]
若旦那だなんて。
一体どんな経緯でついたあだ名かしら?
[すれ違う、顔見知りとなった子供達のからかう声に
小さく口角を緩めては、優しく空気を揺るがして。]
あの、不安げに呟いて居た女の子は。
今年もひまわりを見ることが出来たかしら?
[ひまわり迷路の前。
人生に迷いがちな姿が、長い影を作り出す。]
人狼童子、ですって。
一体どんな物語だったのかしら?
[消えた者が携えて居たと、噂に高い台本を手に。
懐かしむように目を細める。
自らの手は汚さずに捧げた身の存在を。
今は知る由も無く。]
こどものはなし?
[一度だけ見憶えのある、
そう、去年自分だけはひまわりの約を
一方的に結んだ相手に微笑み]
かみさまに近いもの、かしら?
[嘯く]
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