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―― おあけなせ
―― おおかみ さまの
―― とおりみち
[つけた面は狐ににている、
が少し違う。この村独特のものだ。
あの夏の日から一年、あの日と同じ謡いを口ずさみながら、白地の浴衣のこどもの背は少し伸びた。茜色揺らし、振り向く。]
……神様は友だちが欲しいのかな。
[蝉時雨。茜色揺らして 白い浴衣姿、くるり。
面の意匠はは“おおかみさま”と呼ばれている。]
ボクの友だちは帰って来なかったよ。
歌っても、帰ってこなかったんだ。
神様は、返してくれないの?
うん。
……おじさん、去年も居たよね。
道 を知ってるの?
[躊躇いがちに問う。
神社の子供は、
言い伝えを半端に聞いているらしかった。
そろりと差し出そうとした手の上をひらひら、蝶が飛ぶ。]
探しに行きたい。
――――、うん。
約束。
[“おおかみさま”の面を持ち上げて見上げて、硝子の向こうの眼を見て謂った。
遠い祭り囃子。
不思議と蝉の声は途切れていた。]
[から、ころん。
おおかみさまのお面をつけて駆けていく。
ぴちゃん、と金魚の跳ねる音。
今年も祭りは恙無く開かれ。
ひらり、あげは蝶が舞う。
丁度屋台を冷やかしていた白衣姿の横を茜色はすり抜けた**]
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