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船、みんな出てしまったんですか?
…あらあ。
[イマリのあとについてお茶を運ぶと、ぽかんと口をあけてつぶやいた。]
……困りましたねぇ。
[余り困っているようには聞こえない。]
[驚いているようには見えない顔で暫く固まった後、帆澄の言葉に目を瞬く。]
あらあ、帆澄ちゃんは猫舌だったっけ?
ごめんなさいね。
[にこにこと笑って、帆澄に首を竦めると、少年の言葉に頷いた。]
そうね。にゃんこと一緒。
あら、いい音。
芸人さんみたいね。
[ハリセンの音にころころ笑いながら皆の様子を見ている。
時折、辺りをうろつくにゃんこと遊びながら。]
あ、私もお祭り見に行きたいな。
そういえば、ネギヤくんご飯も食べないで頑張ってるのよね。
何か差し入れ……持って行ったりしたら怒られちゃうかしら。
[マシロの後………と言うにはだいぶ遅れて、独り言になりそうな言葉をしゃべりながらのんびり歩く。
先を行くマシロの上に三つの月が見えた。]
ああ、花火もやるんですよねぇ。
子供たちは参加しないのかしら?
[鈴木君やプレーチェたちの方を振り返りながら軽く手招きする。]
打ち上げ花火、あるかしら。
[首を傾け、月で賑わう夜空を見上げた。]
[遠くから緩やかにかけてくる帆澄に笑って彼女を待つように立ち止まる。
まだ少しだけ、夜は寒い。]
晴れて良かった。
せっかくのお祭りなのに、月が見えなかったら意味が無いもの。
[帆澄と鈴木君が追いつくまでまって、ゆっくりと歩き始める。
少年の問いかけに、にこりと笑って頷いた。]
うん。ネギ。
首にまくと良いの。
[ネギ違い。]
おはぎは一応取っておいたんだけど……持ってくれば良かったかなぁ。
あ、でも、カルメ焼きがあれば平気ね。
私、神男のお仕事って良く判らないのだけど、何時になったら食べても良いのかしら。
お神酒くらいは飲むわよねぇ……。
お祭りが無事始まったら良いのかな。
あ、ネギヤ君、お酒弱かったっけ……。
今年のお正月なんか、酔っぱらって村長さんちの屋根の上で裸になっちゃったのよね……。
飲ませて良いのかなぁ。
[首をかしげる]
帆澄ちゃんはお酒飲むの?
そうなんだ。
私がよく知ってる帆澄ちゃんは高校生だったから……不思議な感じ。
お祭りは、飲まなくても面白いよ。
花火もお囃子もあるし。
大人かぁ。
確かに、きれいになったよねぇ。
[にこにこと笑って、帆澄を見る。
相手が足を速めると、その背に小さく声をかけた。]
暗いから、足下気をつけてね。
[ゆらめく松明の光の先、ネギヤたちの姿が見えた。]
ネギヤ君お疲れさま。
先生もお疲れさま……?
寒いかなと思ったけど、ここはあったかいねぇ。
[神社を囲むように燃える篝火をみてまぶしそうに笑う。
一歩、ネギヤたちに近づいた。
その背後の柱を見上げる。]
私ここに昔願い事を書いたんだ。
まだ残ってるかなぁ。
ええ、形代を神様に捧げるんです。
[グンジに尋ねられると、境内の真ん中、ひときわ大きな神火を指した。]
あの火になって、形代は神様のいる月へ飛んで行く。
だったかな?
おばあちゃんが言ってました。
形代持ってきました?
[折り紙で作った人形をポケットから出し微笑む。]
ん? 佐々木君?
[呼び名を繰り返す少年に首をかしげた。]
うんとね……。
[悲しそうな顔になった鈴木君に首を傾げて微笑む。
ポケットから出した折り紙を差し出した。]
これに貴方の名前を書いて、願い事があるならそれも書いて、あの火にくべてくると良いよ。
きっと月に届くから。
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