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[墨色に透ける亡霊は、閉じていた瞼を悪びれもせず
片方持ち上げて…波打つ栗毛を拭うペケレを見遣る。
こつ こつ こつ …ややあって、近づく靴音。
鏡の前に座るペケレの背後、椅子の背凭れへと
亡霊の蒼褪めた手が触れる。ゆらあり傾げる首。
女の滑らかな項に光るきらめき――みっつの金色。]
[ずきり、ずきり、痛む頭。失人は、右手で目頭を抑えて俯いた。瞳を閉じて、真っ暗な目の前に映るのは女の後ろ姿。首から上は、ぼやけていて見えないけれど。それでも、わかる。彼女は大切な人だった気がする。意識の底から浮かぶ、失人の想いとは違う、不思議な感情が、言葉になって口から漏れる。]
来世でまた会おう……か。
果たして俺に来世があるかな………
……。
[墓碑のミナツたちを写真に納め、
そのままレンズを墓碑に向ける]
requiescat in pace やすらかにねむれ。
[刻まれた言葉を読み上げた]
ダーリンは何をしたいの?
ずっと眠っていて欲しいなら、世界の終わりまで起こさなければよかったのに──ね。
眠り姫を無理矢理起こして、手向けろだなんて、酷い王子様。
[キッチンに響く小さな足音。
ぺたぺたぺたとシンクへ向かい、続いて物音と水音]
しゃぼんだま。
[ふぅ、とストローに息を吹き込むと、ぽたぽたと滴が垂れる。
しばらくそれを繰り返すと、いつしか綺麗な球体を作り出せるようになった]
[シャボン玉は空へ飛んでいく。
見上げ、「ら」でも「あ」でも「な」でもないような音で浮かんだメロディーを口ずさんだ。
古い古い、童謡の一節]
変、だよ。
[視線は、見える限りの空を端から端へ辿る]
[ルリが赤い花を掻き分ける様子を眺めていた]
って、ちょっと待って。
どうしてこんなに古いお墓が……?
それに、今っていったいいつなんだろう……。
[ますます不安になって、今がいつなのかの手がかりを求める。
スケッチブックや色鉛筆には表記がなかった。
部屋に戻っても、時計やカレンダーの類はない]
……そんなに長い間、眠ってたってこと?
どうして、そんなことを?
[突然かけられた声に驚いて、そちらを見る]
え!?
……ああ、プレーチェか。
そういえば、プレーチェは知ってる?
今がいつなのか。
[部屋に戻ってから、衣服の入っていた木箱に腰掛け、向かいの壁を遠く見ていた。眠り直すとは言ったが、いざ眠れる事もなく]
11018年……
[呟くのは写真の裏に刻まれていた年号]
あれが本物だとして。
私は……彼らは、一体どれだけの間眠っていたのだね?
[「知っても仕方がない事です」と、カナメが教える事は当然のようにない]
[ふわりふわりと、シャボン玉は舞い上がる。
一息吹き終わると、ストローをコップに戻した]
知らない……
[ミナツ>>150へ即答する]
ミナツは知ってる?
“おやすみ”はいつだったのか。
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