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[は、と口から息を吐いて。
屋上でセイジとデンゴが話す世界の話を眺める。
ゼンジがそこに姿を見せれば、舌打ちをひとつ。]
俺は自分が大切だと思ったもんを 守ろうとした。
それだけだ。
男ってのは、口数が少ないもんなんだよ。
[マシロにも、ゼンジにも、他のゲーム参加者にも
自分の事は断片的にしか話はしていない。]
あーー、っくそ。
胸くそ悪い!!
[宙に浮いたジャスミン茶に手を伸ばし、
すっかりと冷めたそれを一気に流し込む。]
…、死んだ俺の事を
気にしすぎなんだよ、てめぇらは。
いいから、前見て お前らの世界を守りやがれ。**
…キシは、本当に。
自分の世界に価値があると思って、とか、
[自身の裡に広がり続ける仄暗い染みが
じわり じわりと
良い人 戦い
自分の世界 神になる
単語が聞こえるたびに、
意識と自覚が、やっと、繋がっていく]
そうだな、
暴れられた 方が
[ネギヤに返そうとして、また、口を片手で抑えた。
何かが、こみ上げる。
幽霊は、感覚は無い筈じゃないのか。
否、脳が、感覚を作る?
脳も、動いていないのに]
っ、
[コハルの告白にどこか痛い風に顔を歪めてから
両手で口元を抑え、目を閉じた**]
――ただ、
後悔が付きまとうのは、わたしとしても許せない。
見ていて面白くない、とさえ言える。
[たとえ殺した理由が何であれ。
だから仕方がないことなのだ。
10thがせっかくのジャスミン茶を一気飲みしたのは]
貴方はそれだけのことを言ったわけよ。
[映像の中の生者に向けて静かに告げられた言葉は厳かな宣告に似て、
重々しい響きを帯びていた**]
[自分に課せられていた責任の重さと
それを失った事の絶望感が
吐き気のようにソラを襲う。
足元揺らめく侭に 歩いた。
痛む神経等無いはずの頭が ガンガンと痛む気がする]
…――、
[顔を上げると近く
ヨシアキと8thが話しているのが見えた。
目を眇めて、耳に届く音を拾う]
行って来る。
戻ってきたら、おかわり頼む。
[と、と映像のひとつへと手を伸ばす。
それは1stと8thの会話が行われている場所へ。]
…世界、なんて…
重てェモン以外にも、
背負いそうな奴ばっか集めた、か?
[なら自分なんかはいないか。
等と呟きながら、ふたりを見下ろす顔は
やはり、ひどく歪んだままで]
本当…胸糞悪ィ……
[狙い通り、11thの後に姿は表れる。]
よ、っと。
[音もなく床に足をついて、]
なんで自分が選ばれたのか、とか
死んでからあんま考えんなよ。
―― …、ソラ。
…―――、
[背後に聞こえた声に紅を見開いて振り返る。
てっきり自分には同じ時期に死んだらしき
ネギヤしか見えないのだろうと思っていたので
完全に不意打ちで顔が固まった]
…、れ、
[鳴るはずの無い喉が、鳴った気がする]
――そ、うか。
あんたも、死んだんだし、こう、か。
[上がった肩がゆっくり下りる。
共に、眉もまた 下がった]
…謝らねぇぞ?
[ネギヤにも言った事を、呟く]
生きてる時に殴りかかったし。
何より、俺、2nd刺したしな。
[お前の誰より大切な人なんだろ?
と、不思議そうに問う顔に
こちらも不思議そうな顔になった]
あぁ。
見てなかったか?
まぁそういう事だ。
謝らねェけど。
そういう事なら、
謝らなくていいだろ。
…、…
[1stが謝った時に、怒った時の事が
ふと、脳裏を過り、瞼がやや落としつつ]
見ていたよ、全てを。
上で、な。
マシロは、…
まだ生きることを 諦めてねぇ。
それは、俺が、こん中では 一番解ってる。
ソラに刺されたくらいで、
折れるような女じゃねーさ。
そうか。
[ふむ、と頷いて。
瞼を落す様子に 少しばかり怪訝に
眉を一文字にした]
…そうか。
[続く言葉には、呻くような声を返す。
そして、ゆっくり首を傾けた]
上?
…ん。そうだろうな。
とはいえ…諦める奴、いるかな?
[死の影が覆いかぶさるのを感じても
気持ちは抗う者が多いのではないかと思いつつ
ふと 気付くことひとつ]
マシロ…ってのは、2ndか。
それに…やっと俺の名前も覚えたか?
[にぃ と口の端を上げた]
そうだよ。
[相変わらず口数は、大切な時ほど少ない。
多くを語るを好まない。]
そう、上だ。
最初に集められた場所。
そこなら全員の事が見える。
俺らが仲良く一緒に死んでる
屋上もばっちりとな。
行くなら連れてくが?
[腕は組んだまま、ソラへと視線を流し]
さてな。
[諦める奴がいるかは知る所でもなく、
名を呼ばれたことに気付いた様子に]
そ、2nd。
で、俺の相棒。
…あと、 俺はゲーム開始前に
全員の名前と顔は覚えている。
ただ、呼ばなかっただけだ。
最初…あの水んとこか。
そこで、あの丸い奴は殴れたりするのか?
[連れてく、という言葉には少し考えつつも
続く言葉に、半眼で男を見る]
…仲良くはねぇだろ。
あれは、死体だ。
[コハルが運んでくれた様子を思い出し
チリとどこか 音がした気がした]
相棒、か。
…名前。
覚えててわざと呼ばなかったのかよ。
性格悪いな、あんた。
[軽く睨むようにして、眉を顰める]
丸い奴を殴ろうとはしてないから
試してみたいなら、行くしかないな。
[表情は変わらず常のまま、]
死体、な。
その死体を、屋上に運んだのは
どこのどいつだろうな。
[く、と口の端を上げて]
朝焼けは 綺麗だったがな。
そうか。
…一番殴りたい奴てあいつじゃね?
[至極真面目な顔で言ってから、
口の端が上がるのに、ふいと顔を逸らす]
…………くそっ。
後でこうして会うって知ってれば
運ばなかったのに。
[呟いた言葉は自分でも嘘だな、と
解って居たけれど勿論そこまで言う心算は無く。
朝焼け、という言葉には、ん、と
顔を逸らしたままに 頷いた]
[続く言葉に、顔を向けて。
一度開きかけた口を閉じてから、
むすっとした顔のまま]
…あぁそうだぜ、女、だぜ?
棒を持つべきじゃない、とか言う
お前の世界の女からは
離れてるかもしれねぇけどな。
俺の世界の男と、
あんたが離れてるように。
[それにも随分慣れたけれど。
眼鏡の奥の細まった目を、
やっぱり睨むように、見る]
さて、どうだろうな。
[殴ったところで時間が巻き戻るわけでもない。
顔が逸れるのを眺め、]
照れんなよ。
[頷くのが見えれば、ふ、と小さく息を吐く。]
いいや、俺の世界の女も
武道してる女だらけだがな。
…、…。
[ただ、あいつは違ったなと。
細くなった視線が、斜め下に落ちた。]
世界がどうであろうが、
女は俺にとって、女だ。
…照れてねぇよ。
[息を吐く様子に、眉をギリと立てる。
別に怒って居るわけではないのだが。
続く言葉には、言葉は返さず。
斜め下に落ちる視線を眺めて、
取られた「間」に眉を一文字へと戻した]
まぁ、種族の性別としてはそうだが。
…うん、
[ふ、と苦い物を食べたような顔をして。
逸らした視線は天井を向いた]
そうやってムキになると、
誤解しちまうぞ。
[眉を立てる様子も、常の口調で流しつつ
落ちた視線は上がらない。]
―――…、
[天井を見上げる音に気付き、視線を戻す。]
で、どうすんだ?
俺はソラを口説きに降りてきたんだが、
上に行かないなら 俺は帰るぜ。
誤解って何がだ。
[聞こえた言葉に視線を向け瞬く。
ん、と 頷いてからまた半眼で見て]
…挨拶のように口説くとか言うなよ。
本当にあんたは…
[腕を組みながら、ん、と視線を巡らせる。
そこに太った男が見えれば視線で差し、
いなければ 首を傾けて]
ネギヤにも聞いていいか?
ひとりずっと置いていかれるわけじゃないよな?
[問う]
俺に惚れてる、って。
[誤解の理由を問われれば、そうさらりと答え。
半眼が睨む形に変わってもさして気にせず]
いい女は放っておけない性分でね。
[組んだ腕を解いて、掌を上に向ける仕草。]
まあ、俺がこうして来なくても、お迎えは
今、上で茶を飲んでる奴らが来るとはおもうぜ。
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