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死から逃れようと願うは、人として当然の姿だ、だが抗って尚逃れえぬ。
足掻くさまは、実に、
[こくり、と喉を鳴らす男の、昂揚の気配。
また遠からず死は訪れるだろう。
鎖が絞める、糸が首を掻き切る、銛が肉を裂く、斧が叩き割る。それを為す己の夢想に下肢に熱の篭る。
やがて、ず、ずと重石を引き摺って網小屋の男の傍らに]
殺さねば、確実に死ぬよ。
[託宣の如く告げる、気まぐれ*]
なっ…!?
[遠くから何か重い物引きずるような音が徐々に近づき、桟橋手前から聴こえてきた託宣めいた声に
一瞬驚きの声をあげた、が。]
…っなこた、知ってるさ。
やらなきゃ、やられるんだろ!
[桟橋手前に立つ、ヒビの入った眼鏡の奥を見返し、
叫ぶ。]
俺だって、知ってるさ…。
[ただ手をこまねいているだけでは、何も変わらないことも。今のままでは決してつかめない…。]
…知っているさ。
[思わず両手で握りこぶしを作った。
なのに何故…。
そんな自問は飽きるほどに繰り返してきた。今更だ**]
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