113 【飛び入り歓迎】フィンランディア人狼騒動【R17】
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[あの時――ミハイルの手が、首を絞めようとした時。
ぽつり、司書の中に浮かんだ記憶は、
『少年』の死の間際と。
兄が戦地へと赴く前、
共に写真を撮ったときの、記憶。]
――にいさんの顔が見れて、よかった。
[ミハイルの呼ぶ、その名に。
琥珀色の瞳をした司書はちいさくわらう。]
[司書のなかにある『少年』の記憶は、
ひどく曖昧で、途切れてばかりのものだけれど。
名を呼ばれた瞬間、心が、あたたかくなった。]
(+73) 2013/06/18(火) 17:58:58[二階廊下]
[暫くすれば、司書の瞳は翡翠の色を取り戻す。
ふいっとミハイルから視線を逸らし、
窓の外へと向いてから。]
……… あつい。ばか。
[素っ気無く言葉を漏らすも、
ミハイルの腕に触れる手は、そっと彼の手を握った**]
(+74) 2013/06/18(火) 18:02:28[二階廊下]
[>>+75 ミハイルの問いに、司書は答えない。
答えることが、できない。
『少年』の記憶は、確かにそこにあった。
『少年』の感情は、確かにそこにあった。
けれど、全てを覚えている訳では、ないから。
頷いてしまって良いのか、わからないから。]
[司書は曖昧に微笑んで、窓の外へと視線を向ける*]
(+77) 2013/06/18(火) 20:27:48[二階廊下]
………風邪なんて、もう引くこたねぇだろ。
[>>+76 死んだのだから、とは口にせず。
肩口に埋められる顔に、
くすぐったそうに身じろぎを。
――暑いんだよ、ばか。
白い肌は、耳まで赤く**]
(+78) 2013/06/18(火) 20:28:33[二階廊下]
……………!!
[>>+82 耳に飛び込むのは、イェンニの悲鳴>>98。
咄嗟に振り向こうとして、
耳裏に押し付けられたあたたかさに、
こちらは声にならない悲鳴を。
平然としているミハイルがひどく腹立たしく、
拳を飛ばそうと、して――やめる。]
………行く。
[司書は、彼女がナッキであることを知っている。
それでも彼女は、自分の身体を
水底――ミハイルの元へと置いてくれた。
感謝こそすれ、怨みなどないのだ。
たとえ、彼女がナッキであったとしても*]
(+85) 2013/06/18(火) 23:19:49[二階廊下]
― 廊下→大広間 ―
[司書の足に、靴は無い。
あの時は外へ、
スリッパのまま出て行ってしまったから。
きっと水中で脱げてしまったのだろう。
裸足のまま床を歩いても、
何かが足を傷つけるような事もなく。
この身体はなかなかに便利だと思う。]
………… 、
[>>+84 ミハイルに続いて、司書は広間へと入る。
そこでは何があったのか。
殴られたユノラフと、涙を流すイェンニと。
拳を握っていたのは、ダグだったか。]
(+87) 2013/06/18(火) 23:31:05[二階廊下]
[そこで何があったのかなど、
今しがた訪れたばかりの司書は知らない。
ただ、その状況に眉を顰めるだけ、で。]
イェンニ……、
[この大雨を彼女が降らせていると言うのなら、
それは、彼女の涙なのだろうか。
嘆きの雨は量を増すばかり。
翡翠の色は、イェンニへと向けられた後。
誰もいないソファへと、腰を下ろす。
――当然の如く、クッションが沈む事はなかった。]
(+91) 2013/06/18(火) 23:38:08[二階廊下]
うお、
[羽音をたてて飛び回る蜂>>121に、驚き声を漏らし。
どうにもこの羽音は、苦手だ。
距離を取ろうにも数かいささか多すぎる。
逃げるようにして、
ソファ>>+90へと向かったのは、その後のこと*]
(+92) 2013/06/18(火) 23:40:31[二階廊下]
来るわけねぇ、 よな…?
[>>+95 例えば、猫なんかは、
人間に見えぬものが視えていると聞く。
それならば蜂も――なんて、
ミハイルの言葉に、不安になってくる。]
はぁ?甘くねーよ。
[何を言っているんだと、
怪訝そうにミハイルへ視線を送り。
彼の顔が髪に近づけば、身を強張らせ――、]
(+98) 2013/06/18(火) 23:57:25[大広間]
ぁ――――…、
[ダグの喉へと飲み込まれていく、ナイフ>>124。
噴出す赤い飛沫は、
ミハイルの腹を貫いたときのそれと、同じ、]
[震える手が、ミハイルの服の裾を、握った。]
(+99) 2013/06/18(火) 23:58:54[大広間]
[床に流れ落ちる赤が、恐ろしい。
凍りついた司書の視線は、赤から、離れず。
>>+100 ミハイルの声で、
ようやっと彼の肩へと顔を寄せ、
血を流すダグから視線をそらした。]
[飛び回る蜂の羽音が、うるさい。
身体をすり抜けていく大量の蜂、
生身の人間では、この部屋には居られまい。
部屋から出て行くユノラフ達>>126の
声を聞きながら、司書はまだ、
部屋から出ようとはしない。]
(+102) 2013/06/19(水) 00:23:34[大広間]
………ダグも、蜂も、居るしな。
[>>+103 この羽音は、いつまで続くのだろう。
少なくとも一日では、
どうにかなる量ではないように思える。
煙を焚けばある程度大人しくなる筈ではあるが、
下手をすればコテージ自体に火が移りかねない。
いちど、ミハイルの肩に額を押し付けてから、
顔を上げてダグの遺体を見遣る。
勢い良く噴出していた血は、
今やゆっくりと、流れるだけ。]
(+106) 2013/06/19(水) 00:46:07[大広間]
………イェンニか?
[>>+105 皆が部屋を出て行った後。
誰ともなく呟いた、ミハイルの声に。
小さな声で問うた。]
(+107) 2013/06/19(水) 00:53:19[大広間]
………そ、か。
[>>+108 司書の耳に、聲は聞こえないけれど。
イェンニが深く哀しんでいることは、
傍から見ていただけでも、よくわかる。
彼女の哀しみが、嘆きが、
どのようなものなのかまでは、
人間であった司書には、想像できない事。]
…――大丈夫。
[イェンニの事を知っていながら、
皆に黙っていたのだから。
人間を、裏切ったのだから。
これ以上、目をそらしていたくはなかった。]
(+111) 2013/06/19(水) 01:10:10[大広間]
[蛇にせよ蜂にせよ、どちらも嫌だと思いつつ。
蜂と向き直るイェンニ>>137と、
ミハイルの言葉>>+110で、
彼女が何をしようとしているのかを察する。]
[人間ではなく、蜂も誘う事ができるのか。
イェンニは司書の耳に届かぬ聲を伴って、
蜂を、誘う>>139
彼女を追うようにして羽音は次第に遠ざかり、
あとに残るは、血の止まった、ダグの遺体。]
(+113) 2013/06/19(水) 01:14:53[大広間]
俺……、
[>>+114 頭を撫でる掌に、言いかけて、やめる。
イェンニの事を皆に言えば、よかったのだろうか。
言ったところでどうにかなる訳でもなく。
それに、自分のした行為を理解して、
いま、ミハイルと共にここに居るのだから。
後悔だけは、しない。]
[イェンニが戻ってくる前に、
立ち上がり、ダグの遺体へと指を伸ばす。
指先はすり抜けて、しまったけれど。
司書は何も言えず、ただ、骸を見下ろすだけ**]
(+116) 2013/06/19(水) 02:42:29[大広間]
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