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腋の下ってさ、何で腋の下っつーんだろうな。
下って何だ下って。
[2人からの質問に]
私は土星人だ。
[答えると同時に顔を上げ、クルミの髷に気付いた]
牧野下、見回り係だってバレバレだぞそれじゃ。
[向井に「まだまだ」だと言われ、尤もだと頷きながら]
勤労星? そんな星があるの?
大変、勉強不足…。
[ちょっと得意気に指を横に振る彼と共に結城の返事を待つ。]
腋には腋の事情があるんじゃないでしょうか? 年功序列とか階級性とか。きっと腋の下は腋一族の中でも下っ端なんだわ。
[聞き流しそうな疑問に至極真面目に答え、返ってきた言葉にますます困惑の色を滲ませ]
土星人…えっと、確かそこら辺にファイルが…
[柳眉を僅かに顰めて置き忘れの山を漁る。]
あ、あったあった。【土星人の見分け方】。えーっと…
「土星人の身体はとても小さく、通常は地球人の体内に寄生し、操縦を行う。主に膵臓のランゲルハンス島に居住し、指令はα細胞グルカゴンによって行う。
土星人に乗っ取られた過去の主な有名人…カネゴン」っと…。
結城センセーってカネゴンと親戚なんですね…。
[その拍子に二つ重ねの髷カツラの内一つが床に落ちる。]
あー…。やっぱり髷が二つだと見回り係だとバレバレですか。困ったわ…。
[表情はちっとも困ったような顔をしていないが、何処か縋るような目で辺りを見渡し]
結城センセー、じゃぁ髷カツラにあわせてこれを着たら見回り係ってばれないですよね?
[クルミの視線の先には、昔一世を風靡した馬鹿殿の煌びやかな衣装が飾られていた。]
ああ、あいつは不器用で空回りしているが実直なやつだった。
[カネゴンのことをしみじみと語る]
プログラムに、「仮装行列」って書き入れるように連絡入れとくな。
[クルミの提案にうんうんと頷いて、事務局へメールを書き出した]
そう…なんですか。カネゴンさん、いい人だったんですね。
[しみじみと語る結城に共感し、くるみもしみじみと頷く。
そしてプログラム変更について掛け合ってくれる姿に感動を覚えた彼女は、大きく頭を下げた。]
ありがとうございます、結城センセー。やっぱり土星人っていい人なんですね。
[下げた瞬間、頭上に残っていた髷カツラの髷が、突然ビュンと伸びた。]
あ。こっちのカツラが殿仕様だったみたいだよ?
[やり遂げた男の顔をした向井に、クルミは伸びた髷を指差しながら声を掛けた。]
お、おぉ。
土星人はシャイで引っ込み思案だけどいい奴だぞ。
ってさ、こんな話してて怒られねぇのおまえら。
仮にも宇宙飛行士候補なんだろ?
じゃぁ、結城センセーもシャイで引っ込み思案なのですか?
[土星人ファイルには無い情報だけに、真剣な眼差しを向ける。]
確かに候補ですけど…。でも候補の前に好奇心は勝てないので。
人間、好奇心を失ったらお終いです。
あー?
私は私であって、土星人はまた別個の個体なわけで。
カネゴンのことは聞きかじっていてだなぁ。
[あー、と髪をかきあげて立ち上がる]
なんか飲むか?
[尋ね、給湯室へ向かおうと部屋を*後にした*]
そうですか…。土星人みんながみんなカネゴンって訳じゃないんですね…。
[別個の個体といわれると納得したように頷くが、その姿は何処か落胆したようにも見えた。]
結城センセーがシャイで引っ込み思案だったら、腰元をやってもらおうと思ったのに…。
[チッと小さく舌打ちをして髷カツラを外すと、部屋を出て聞こうとする結城に]
日本茶が飲みたいです。和菓子付きで。
[読み耽ったオレ流は、どうやら投球ホームではなくクルミの生活態度に*反映されたようだ*]
腰元って何だ?
[湯呑みを4つテーブルに置いて、そのうちの一つにポットから茶を注ぐ]
和菓子なんて置いてなかった。
自分で買って来い。
せっかく一緒に来たのに、はぐれちゃった……。
[手の中には、一通の手紙]
えと、とりあえず、実行委員室には着いたや。
手をかざすんだっけ?
うわあ!開いた!ドア開いた!
……うん。お兄ちゃん探すのは、後にしよ。
こんにちはー?
[おそるおそる、部屋へと足を*踏み入れた*]
[変声器を口元に構えると発信範囲を実行委員室に設定した]
大変だ、JINROが!
キクコー、どこだー!
すぐ助けに行くからなっ!
[ぶつりと通信を切ると、同じような内容を各部所に発信しはじめた]
ぐあっ……
[呻きながら通信を切ると、部屋一面に血糊を撒き、懐から取り出した銃を通信機のコンソールに数発発射した]
……。
[仕事の出来栄えを確かめると無言で通信室を*後にした*]
いらっしゃい。
[部屋にやってきた人影に声をかけた途端、突然の無線]
な、なに、じんろーがキクコを助けに行く!?
……じんろーって何。
おまえら知ってる?
[部屋のメンツを*見渡した*]
[戻ってきた結城の手には魔法瓶タイプのポット。そこからクルミもお茶を注ぎ]
腰元とは…お殿様に帯をぐるぐると解かれて「あーれ〜!!」と、言う人です。
[淡々とした口調で答え、お茶を啜った。]
それはそうと和菓子は無かったのですか。準備が悪いですね。残念です。では自分で購入します。
[小さく溜息をつきながら呟いた瞬間、ドアが開く。クルミは驚いた様子も無く視線を上げた。]
こんにちは、あなたもパンパカさんね。よろし……キクコってあなたの事?
[ドアの前にいた人影に声を掛けている途中に聞こえた放送に、瞬きをしてモニタと少女を見比べる。]
さぁ? じんろーって土星人の仲間じゃないんですか? 結城センセー?
[不思議そうに訊ねてきた結城の問いに、クルミも*訊ね返した*]
そうですよ、結城センセーが「あーれ〜」って言う方です。ね? 面白そうでしょう?
[お茶をずずっと啜る。やはり表情は能面のままだ。]
そう。今聞こえて来たのはあなたのお兄さんの声なのね。
[菊子に椅子を差し出しながら、クルミはふむと相槌を打つ。]
この学校って、変に曲がりくねったつくりをしているから。はぐれても仕方が無いかも。でも早く見つかると良いわね、お兄さん。
[気遣うように少しだけ表情を和らげた。]
準備が悪いのは事務局ですか。解りました。では今から和菓子を用意してもらうように、直談判してきます。
[すくっと立ち上がったクルミの手には無数の釘が刺さったバット。]
? 土星人は多様性に富んでいる訳じゃなかったんですね。じゃぁ、じんろーって何星人なのかしら?
[各星人の見分け方について、また振り出しに戻されたような錯覚に陥り、溜息を吐く。]
[頬に右手を当てて暫く考え込むような仕草をしていたが]
やっぱりお茶には和菓子よね。
という訳で直談判しにいってきます。ついでにパンパカ係の仕事内容と名簿、それと菊子さんのお兄さんの情報、持ち帰ってこれたら持ち帰ってきますね。
[スチャっと右手を額の辺りまであげると、クルミは六甲颪を口ずさみながら、部屋を*後にした*]
た……頼もしい。
いってらっしゃいー。
[勇ましく去っていくクルミの後姿を見送りながらお茶を啜る]
うーん、と。
私は多分、ウロウロすると迷子になっちゃうから。
部屋の中を捜索してみよう。
何かお菓子ないかな……、あ、じゃなくて。
えっと。
[ブツブツ言いながら、部屋の中を*ゴソゴソ*]
お代官様に身包み剥がされても楽しくもなんともないんだが……。
目まわりそうだ。
ジェネレーションギャップってやつなんだろうかこれは。
[部屋を出て行くクルミを見送って、視線をノートパソコンへ落とす]
飲食店にある「トイレ掃除チェックシート」程度でいいんじゃねぇの?
[キクコの問いには、仕事内容を想定して思いつきを答えた]
[しばらくゴソゴソしていたが]
何も見つからないなぁ。
……ファイルの山くらいしかないですね。
び、”尾行の心得”!?
心ときめくタイトルだっ。
読んだ方が良いのかしら。
[アンの読んでいる本の間から、読者アンケートが落ちた。彼女は、めんどくさそうにそれをテーブルの上に置いた]
【最大人数を9人に変更しました】
今週中に開始ボタン押すか否か検討中です。
(村建て人の諸事情により、土曜0時にはエピ入り希望の為)
□今のお気持ちをお聞かせ下さい。
少人数開始に、「賛成・反対」もしくは「11日(月)0時の廃村まで様子見ちゃおうよ」
あるいは「おまかせ」「○○日まで様子見」等。
アンケートだぁ。
えぇーっと。
書けば良いのですよね?
[アンの方をちらりと見ながら]
□私は、せっかく見回り係に選ばれたのだから、人数が少なくても頑張ってお仕事するつもりです。
ファイトです。ファイト。
お仕事がいつ始まって終わるのかは、おまかせコースで。
とりあえず来週中ならば割と支障なく見回り係の仕事に専念出来そうですが。
入試の見回りならともかく、学園祭だからなぁ……。
[キクコの漏らした不満にはそう答えて、手元を覗き込まれても動じることなく画面をスクロールしている]
何って、仕事。
[共同執筆者のしたためた論文を読み終えると、ファイルを閉じた]
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