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[少しずつはっきりして行く意識。
目に映るのは共に居たみんなの騒ぐ様子。
そんな中、スケッチブックを持つ少女へと視線を向けて―――]
そうか。俺を、描いてくれたのか…。
[その手のスケッチブックの中の新しい絵を見て呟いた。]
きっと…俺は強く願いすぎたんだろうね。結びつける事は、きっと、高い代償を伴うもの。そう感じる。
…ミナツ。
君が、もう一度世界の絵を描けますように。
だから。君はこちら側へ来てはいけないよ…。
[強い願い。それは、祈り。自分の置かれた状況は心が感じている。言葉などにしなくとも。]
[彼らの墓碑へ、やがて生者も訪れることだろう。
遠巻きに立ち止まるのは、この亡者の流儀らしく]
…還っていない。なるほど。
[とろりと緩慢な瞬き。浅過ぎる眠りに酔う如く。]
絵、…
ミナツさんの、ですね。
結びつけられた絵の世界…
手向ける。眠らせる…
[それはカナメも告げてきた]
[その意味はまだ、しかとはわからずに」
ペケレ? だいじょうぶですか。
[屈みこんで、眠っているのを確認して]
死者。
[目覚めてから何度か聞いた言葉。
上着の内ポケットから、アンの落とした手紙を取り出して皺を伸ばす]
アン、手紙……。
[封は開いているのに中身を見ることが出来ずにいるそれを、誰に渡そうかと逡巡する]
…そうですか。カナメ。
これはまた、おはよう、のある、ねむりですか。
[そして]
結びつき…?
[向こうの世界から、
そんな言葉が漂ってきたかもしれない*]
[己の墓碑へ手向けられた、いろえんぴつの青い花。
視線を遣って…影は淡く明滅する。
青い花が、青いから。
男の世界では、青い花はずっとずっと乾涸びていたから]
死に絶えなければならないのなら、
死に絶えればいい…私はそう思っていますが。
生き延びる方がお出でなら、
しあわせに生きて下さるといい…
死なないように殺しながら、それでも。
[レンが口にしない酷い言葉で]
[レンが果たせなかったことを]
――どうか、どなたもお風邪など召さぬよう…
[やわらかく密やかに、願う*]
へいき?
[寝息を立てるペケレを一歩離れて見下ろしてから、後ろを振り返る。
ユウキの姿が見えれば、*名を呼ぶつもりで*]
[己の部屋へと戻る足取りは重く、半ばも行くか行かないかのところで止まってしまった。壁に背を預け、そのままずるずると座り込み]
……カナメ。
[俯き、呟くようにそれを呼ぶ。返事があったかないかのところで]
カナメ。
[もう一度、呼んでから]
何だか、何かを思い出せそうな気がする。
何かを思い出しそうな、気がする……
気持ちが悪い。頭が痛い、……
[弱い声で続ける。ぐ、と拳を握り締め]
どうしたらいい。
こういう時は、どうしたらいいのか……
教えてくれたまえ。
苦しい。
思い出せそうだというのに、酷く苦しいんだ。
[すがるような問いにカナメは沈黙の後、返す。「思い出さなければ、いいんです」と。
どことなく遠く聞こえるそれに]
駄目、だ。思い出さなければ私は……
私は、私が誰だったか思い出せない。
[テンマの言葉に]
…ふぅん。穏やかじゃないな。
感じても。言葉と意味が繋がっても。記憶と言葉は、記憶と意味はまだ繋がらない。
お前の含みが意味するもの。なんだろうね。
記憶の鍵、ね…。何が眠っているのかね。
再び結びつけば……死、かい?いずれにせよ。
[心に浮かんだのはそんな言葉。何が、との主語は、思い浮かばなかった。]
…まぁ、いいさ。当たり外れなんてどうでも。
ただそう感じただけ。
俺は、俺の感じるままに。今までも、これからも。
今この時は。ここから見守るだけだ…*
「貴方は、ライデンですよ」
私は……
「忘れてしまいなさい」
思い出したいんだ、
「思い出す事が幸せとは限りません。
……気分が悪いのは、頭をぶつけたせいでしょう。
あのドクターに診て貰った方がいいのではありませんか?」
[話をそらすカナメの声は奇妙に優しく]
……Since brass, nor stone, nor earth, nor boundless sea, But sad mortality o'ersways their power,……
[今度は歌ではなく、台詞のようなものを口にして。カナメの囁きに誘われるよう、そのまま目を閉じ、通路の半ばで*眠り込んだ*]
[少しまどろみながらも、聞こえるいろんな言葉を反復して。]
死に絶えなければならないのならば、死に絶えればいいと思う、か……。へぇ。
それは……お前自身の事も含めて、なのかね。果たして。
まぁ、いいけどね…。
[問いかけと呼ぶには、あまりにも呟きに近すぎて。
小さくぽつりと言ったその後は、再び皆の姿を見守って*]
[ぬいぐるみを抱いた少女に呼ばれ、眠る女に跪く。
脈をとり、聴診器を当てるも、困惑するばかり。]
眠っているだけみたいだね。
せめて部屋までいけばいいのに。
[少女を安心させるようにやわらかな口調で言い、
女を抱き上げて部屋へと運ぶ。]
[胸が、頭が、ずきりと痛む。全て思い出しそうで、何も思い出せなくて、胸が苦しくなる。手向ける、眠らせる、それがどういう事なのか、わかっている。そして、自分の心が叫んでいるのもわかっている。けっして、眠らせてはいけない者がいる。もし、その者が眠ったなら、自分は………]
心が、叫んでいる。
胸が、張り裂けそうに痛い。
何処だ?
あいつは………何処だよ?
[辺りを見回せば、その姿をみとめて。ゆっくりと、その者に歩みより。だけど、何をしたらいいかわからないから。]
…こっちもか。
突発性入眠症候群としか言いようがないな。
[異常が無いことが異常とばかりに首を傾げ、ライデンの体を毛布でくるむ。]
ねぇ、キミ!
手を貸してくれないか?
彼を運ばないと…
[近くにいた少年に声をかけた。]
─自室─
[サイドランプが付いた中、
ベッドの上で身じろぎをする]
……思い出したわ。
ダーリン……カナメ。
アナタは私の最愛の人じゃないのね。
[両手で肩を押さえるように、震える声]
あれ? 私……ここ何処?
[目を覚まし、不安そうに辺りを見回す]
[自室であることに気付きほっとする]
[起き上がり、毛布の上に掛けられている白い上着を見た]
……テンマさんのじゃないわね。
確か──バク君。
[脳裏に浮かぶのは、カレーをおかわりしていた少年]
[だるそうに頭を振って起き上がる]
シャワー。
──身体の洗浄および保全。
[ベッドに衣服を脱ぎ散らかす]
[褐色の肌。
右の二の腕の半ばと、左足膝に刺青のような金色のラインが付いている]
[医師が見れば、機械式の義肢との接合と*分かるだろう*]
ライデン、起きろ。
お前みたいに大きな奴が、廊下で寝てたらビビるだろ。
寝るなら、部屋に帰って寝ろ。
[ライデンの前に座り込んで、おでこ辺りをつついてみる。それでも起きないから、胸元から一本のマジックを取り出して]
起きないと、額に内って書くぞ。
[微妙に脅してみる。]
かんせいしつ?
[奥まったその一室は扉が開く気配がない。
プレートを見上げていたが、一歩後ずさってすとんと腰を下ろした。
病院の待合室にあるような椅子の上、やがてまどろみ丸くなる。
上着の下に半ば隠れて、穏やかな寝息を*立て始めた*]
[幾許かの後――
亡霊の姿は、黒い上着に包まって眠るプレーチェの傍に。
長椅子の端へ座る影は、彼女の目元へてのひらを乗せる。
蒼褪めてつめたい死人の手は、光も遮らないはずだった。
然し自らの僅かな眠りを分けるかの如く…その目元へ。]
…開かずの扉です。 今はまだ…
[管制室の扉。先刻、ペケレが操作していたタッチパネルは、
プレーチェが触れても鈍く光るだけでやはり沈黙していた。
墨色に透ける亡霊は、その扉を見詰め…とろり*瞬き居て*]
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