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[叩かれる肩に向ける顔はぐしゃぐしゃで
ぼろぼろと落ちる泪は止めどなく服を濡らす]
どうして…ドロテアだったのでしょう。
何も悪い事なんてしていないのに…
[震える声は掠れて高さを上下させる]
[彼は、夢を見ていた]
[それは、彼が故郷にいた頃の――まだ口が利けた頃の夢]
父上。
[目の見えない老婆が籠に乗せられるのを見て、少年時代のクレストは父親に尋ねた]
あの方は、どこへ行かれるのですか?
[父は答える。“災いを鎮めに行くのだよ”と]
[その頃の少年はまだ知らない事だったが、彼の生まれ育った地域には、ある伝承があった]
[『身体の一部に欠損がありながらも生き永らえている人は、神の加護を受けている証であり、災いを退ける力がある』――…。
すなわち。
彼らは大切に扱われる一方で、その地に災いが降りかかった際には、生きたまま供物となる運命を背負っているのだ――]
[“だけどお前は鎮めてはくれなかった”]
[“お前が逃げたから、町は滅びてしまった”]
ちがう。
僕は。
逃げてなんて。
[しかし、その叫びは音にはならず、ひゅうひゅうと喉が鳴るばかり]
……ッ!!
[彼は飛び起きた。全身が、汗でぐっしょりと濡れている]
[……夢だ、という事は分かっている。父も母も、自分を死なせないために、この村に逃がしたという事も、知っている]
[そして、そのせいで故郷が――]
…………。
[彼は首を振った。じくじくと手術痕が鈍く痛む。手をやると、少しばかり腫れているようだった]
[風呂でも浴びてこよう、とベッドを出て、ようやく外が騒がしい事に気づいた]
[簡単に身支度を整えて廊下に出る、と、むせかえるような酷い血の匂いに、思わず顔をしかめた]
[そして聞こえてくる、イェンニの叫びと嗚咽]
………。
[ドロテアの身に、何か大変な事が起こったのだ、と理解して、彼は彼女の部屋に足を向けた]
……ドロテアが選ばれた理由はわからぬよ……
[供儀をえらぶ基準はきっと長老だけがしっている。
嘆く娘を慰める言葉を持たぬまま、ただその肩を宥めるように叩き。
廊下を歩く足音にレイヨがいる扉のほうへと視線を向けた]
[歩いてくるクレストに、視線を向ける。
扉の前、見せない方がいいだろうか、と。
立ち尽くしたまま、彼に言葉を投げる]
……見ない方が、良いと思、います。
[一応、控えめな静止の言葉]
[レイヨが言葉を向ける相手の、応じる声が聞こえない。
ならば可能性としてクレストかともおもいつつ。
死体を抱きしめるイェンニの頭をなぜて、傍を離れる。
死体から離れたほうがいいだろうが、今はいっても聞かないだろうと声に出すことはしない。
扉のほうへと向かえば、やはりクレストの顔が見えて]
ドロテアが死んだよ。
星読みは、やはり外れないようだ……
[哀しげにつげた]
[自分が、ドロテアの立場であったなら――そんな考えが、幻の父の罵声と共に過ぎる]
……。
[馬鹿な事を。そんな事を考えたところで、ドロテアが帰って来る訳でもなく、イェンニを余計に苦しめるだけだというのに]
血だらけ、
イェンニさんは、
――…落ち着いたら、落ち着くために、かな。
何か、あたたかいもの、作りますね。
[こちらのほうにやってきたヴァルテリへ、そう小さく言う。大丈夫だろうかと、視線は心配げに中へと向かったが。
それからクレストの様子を見て、]
……見ない方が良いです。
下、居間のほう、行きませんか。
[心配そうに、声をかける。どんなことを考えているのかはわからないが、ここから離したほうが良いのでは、と]
[制止の声(>>42)を聞いた上で、彼はドロテアの部屋に入った。大丈夫、とレイヨに目で告げて]
………っ。
[しかし、そこにあったのは、想像していた以上の惨状であった]
[血だらけの、惨状]
[血の海に沈む、ドロテア]
[彼女に縋りつく血まみれのイェンニ]
[血]
[赤]
[錆びた]
[鉄の匂い]
[むせるような]
[父も]
[母も]
[友人達も]
[みんなこんな風に]
[自分のせいで?]
[そうだ]
[違う]
[そうだ]
[違う]
[色々な言葉が、色が、匂いが、ぐるぐると回る]
[……辛うじてレイヨの姿を認め、ごめん、と唇が言葉の形を作り――]
[意識が途切れた]**
[そこまで強く止めたわけではなかったから、クレストが見るというのなら、彼は邪魔をしなかった。
先に階下へと行くヴァルテリに頷いて]
温かい物はおちつきます。
……僕も、すぐ行きます。
[一応、クレストの様子を見る為に、この場から見送る。
それから、中を見る人を見ると、彼の口がなにかを語る。
――慣れていないから、読み取るのは難しい。だけれど、何度か自分の口を動かして]
……ごめん?
[何故そんな言葉を、と。
意識を失った体を見下ろす。
運ばなければと思うものの、彼の力はそこまでない。
困ったように室内を見て、それからだれかくるまで、その場にとどまることになるのだった**]
[夜半に夢を見ていた。
ひとりの娘の背中が、ゆっくりと遠ざかる。
女はその背を追いかける。
ゆらゆらと白くきれいな光が辺りを満たしている。
追いかけて、追いかけるのに距離は遠くて──、
『 ま っ て 』
そう声を掛けようとした。
けれど音は響かずに、その刹那に夢は破れた]
[階下へと降りたあと。
クレストがたおれた事は知らず。
台所へと向かえばニルスはそこにいただろうか。
居れば上であったことを話す]
さて……
まあとりあえず、湯を沸かすか……
[やかんを火にかけて。
あとは、昨日のスープの残りがあればそれを温める。
ゆっくりと、うごいていた**]
[朝、ざわめく気配に身体を起こした。
夢はいつもの不吉な夢。
遠ざかっていく背、ちらと横顔を見た気がした。
胸騒ぎをおさえて身支度をし、恐る恐る扉を開く。
女の部屋は姉妹の部屋のすぐ傍ら、
今は丁度イェンニと共にドロテアを挟むかの形。
だから廊下に溢れる噎せ返るほどの血の匂いは、ひどく、濃い]
あ…、あ。まさか、
[レイヨが中を見ないように言う。
けれどイェンニが中にと聞けば、放っておけない。
お願いと小さく願って覗いた部屋は、異様であった。
血塗れのドロテア、
嘆き悲しむイェンニの姿、
意識を失って倒れ伏すクレストの姿。
呆然とした女の手から杖が離れて、
支えを失った女の身体も床へ崩れる。
長いスカートが場違いなほど、ふわりと床に広がった]
イェンニ…、イェンニ。
[それ以上を言えず、妹を失った彼女の名を呼んだ。
床を這って向かおうとする、その手前に意識を失った男がある。
無意識のように手を伸ばし、クレストの額へと触れた。
息をしている様子に少しほっとして、
そのまま動けずにイェンニへと再び顔を向ける。
泣きじゃくる彼女と目が合えば、涙が零れた]
…ごめんなさい。
引き止め、られなくて……ごめん、ね。
[夢で引きとめたとて変わらなかったのかも知れない。
けれど謝罪の言葉を紡ぎ、女はイェンニへと腕を伸ばした]
…ウルスラ、様。
どうして、
[名を呼ばれ向けた血と涙に濡れた顔はひどいもの
それでも問いを投げられたのは
ふたりが立て続けに倒れた事に驚いて
意識がこちらへ戻ったかのようだった]
どうしてウルスラ様が、
謝られるのですか。
…引きとめる、とは、
一体どういう事、なのでしょう…?
[伸ばされる腕を拒絶せず身を寄せて
だけれども浮かぶ疑問を口にした]
… え、 ?
[女は、女の理屈で言葉を口にするだけだった。
だから己の言葉が、どんな疑念を呼ぶかも思いもよらず。
ただ少し混乱するまま、イェンニを見返した]
ゆめ……、で
[躊躇うような戸惑うような間のあとに、ぽつと零れる。
揺れるまま、曖昧な言葉たちが]
ゆめで見たの…ドロテアを。
私には止められなかった。
引き止めたくて……、でも……。…だから、
[ふると首を振る]
…ゆめ?
ウルスラ様、ドロテアと…
夢の中で、お会いになったのですか。
[頭を振る様子に首を傾ける。
それはどういう事なのだろう、と
言葉の先を促すように濡れた瞳で見て]
ドロテアは…――
何か、言ってはおりませんでしたか。
…共に眠るといったのに、
一人でいると…壊れた扉の部屋に入った、
わたしのいもうとは。
[曖昧な言葉を拾い、問いを投げた]
でも…、きれいだったわ。
この子、とてもきれいな光を纏っていた。
だからきっと…、……いいえ。
ごめんなさい、イェンニ。こんな話を、
[問われるままに言葉を紡いで、はたと口を噤んだ。
死を予感する者は疎まれるもの。
親しい死を前にして、気分を害しただろうと瞼を伏せた]
……こんな、辛いときに。
きれい、だった…
そうです、か。
[腕に骸抱く手にぎゅ、と力を籠めて
一度顔をその髪に埋め―― ゆっくり顔を上げた]
いいえ、いいえ。
ありがとうございます、ウルスラ様。
私には見えないドロテアの様子を
教えて下さって…――
[困ったように眉を、下ろして。
震える口許に、笑みを作ってみせた]
あのさ…夢?
お前さんは不思議な夢を見るんだな。
そんな夢見るからって、お前さんが人狼って決まった訳でもねえんだから。
それを不吉だって思わずに、その夢がお前さんにも俺達にも何か重要な意味を持ってるかも知れねえかもよ?
と言っても、あんま見たくねえ夢だよな。
皆に言いたく無いなら黙ってれば良いとおもう。
…まあ、深く考えなさんなって。
[ニコリを笑みを浮かべれば、ウルスラの頭に手をやり髪を撫でる。彼女が身を強張らせれば、即座に手を引き慌てながら]
あああ!
わりぃわりぃ…。
[手をばたつかせながら申し訳なさそうに謝り。
そして一息つけば、穏やかな笑顔で心配してくれた彼女に向けて]
…心配してくれてありがとうな。
[己なりの感謝の気持ちを込めて告げた。]
んじゃいい時間だし、俺も部屋借りて寝るわ。
今日は良い夢見れたらいいな。じゃあな。
[片手で手を振り、彼女の部屋を後にした。]
─ 昨夜・移動前 ─
[マティアスの拘束を急いで外して。
外した後の何度も告げられる礼には、もういいからと苦笑まじりで返事をする。
その後はヴァリテリの話をききながら、あれもこれもと、その場にある料理をマティアスに差し出せば、しっかり食えよと傍で見ていた。
彼とは酒場で会えば陽気に飲みあう仲で。
何故マティアスがこの様な姿になったのかは、今は問わずにいようと思った。
彼が食事を終えるのを見届けてから、立ち上がりその場に居るニルス達にはまた明日なと伝えれば、ウルスラに呼ばれてその場を去った。]
[一度荷物を取りに戻ろうと居間に戻れば、マティアスはまだ居て。
荷物を見つけ、部屋を探すまで面倒だとその場で上着を着替えようとする。
着替える時に手にあたる首飾り。
ふとそれを手にとれば、それ越しにマティアスを何気に覗き込んでみるが、マティアスの姿は映り込む事は無かった。]
…ま、当然だよな。
[未だ御伽噺と信じて疑わない部分がある。
気にする事もなく着替えを終わらせると荷物を背負い、二階の適当に開いてる部屋を見つけてそこで眠る事にした。]
[イェンニへと言葉なく、また首を横に振る>>65
そうして彼女の腕に抱かれたドロテアの骸を見た。
死後に何と言われたとて、彼女は死んでしまったのだ。
己の夢をまた否定する言葉を口にしかけて、
昨夜のユノラフの言葉>>69を思い出す]
…───、いいえ。
[出かけた言葉は飲み込んで、礼に応えた。
痛々しい笑みに身体を寄せて、少しでも近く額を寄せる。
自然、近くなるドロテアの頬を一度撫でやった]
眠らせてあげて。
イェンニ、あなたも…着替えなくては。
このままではこの子も、安心出来ないでしょう?
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