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―現在―
ハーヴェイ!
(取り乱した青年をなだめるように強く抱きしめる。
今はぐったりとしたその体に、無心に「ごめんな、ごめんな」と口にしようとして、それは何に対した詫びかとふと我に帰る。
その視線を辿ると…)
流れ者?
(「旅」
私と彼との共通項だ―。)
『なんだ、同郷かぁ?!』
(豪放な笑い声が耳に蘇る。)
私が、彼を…いや、彼と村に―?**
離…ッ…!
[小さな声で囁かれる謝罪を聞かぬようにして、突き放す。
痛みを堪えるような表情で、口元に手を当てる。
そうして室内を見渡し、ごく小さく呟いた。]
──…消えてしまえ。
[すべて]
[一瞬視線が走ったのは、穏やかな父娘の姿。
その時だけ、僅かに表情が揺らぐ。]
───…なら……まえば、いい。
[そうして、人々に背を向けて階段へと*踵を返した*]
おれが、
教会に埋めたんは、
一番最初に、食い殺されたアーヴァインの旦那を。
それから、おちびのお嬢さんに、
仕立て屋の旦那さんに──、
デボラの婆さんに、
…、…書生さんに。
[男は、覚えている死の順をぼそぼそとした声で並べて]
そいで、
─小さな部屋─
[半ば逃げるように階段をあがり、小さな部屋へと入る。
窓の外に楡の木が見える。
懐かしい、あの部屋だ。]
(──…キャロル)
[やはり、名を呼ぶ声は音にならないまま。
渡し損ねたままの、小さな紙切れを握りしめた**]
[>>54の不吉なリストに眉をひそめ]
――じゃあ私は?私はハーヴェイよりも先に死んだはずなのに…――
私の 死体は 見つからなかったの かしら。
――倒れ伏したその体に後から後から降り積もる冷たい雪が、隠してしまったせいかもしれない。喉元を食いやぶった黒い影は、私を見下ろしてにやりと笑ったから、私が死んだ事に間違いはない。――
…時間がないのね。ええ、時間がないわ!
父さん、待っててね?私準備してくるから、ここで待ってて、先に消えてしまわないでね?!
[最後に強くヒューバートを抱きしめると、白いドレスとヴェールを大事に抱え、2階の部屋に駆け上がって行く。ドレス姿を父親に見せる為に]
[何故か存在する自室にそっくりな部屋に駆け込むと、服を着替え、髪を結い、綺麗に化粧を施した]
父さんのドレス着られるなんて思ってなかったわ。
[繊細な刺しゅうを優しく撫で]
子供の頃は他人の為に綺麗な服を仕立てる父さんがなんだか悔しかった。
意地を張ってそっけない服ばっかり着てたっけ…。
私にも作ってって…素直に言えば良かったな。
[目じりに浮かぶ涙を指先でぬぐい]
いけないいけない、お化粧が崩れちゃう。
[ドレスとヴェールを身に纏い、準備が整った姿を見せに階段を下りて行く]
―父はなんと声をかけてくれるだろう?あの人は私を思い出してくれるのかしら?**―
>>51 ―――っっ!
ハーヴェイ!!
[突き飛ばされて、追いかけようとするが足はそのまま止まってしまう。]
(解らない…。
彼が怒りを感じているのは、私が流れ者を連れて来たことなのか、それとも私の帰還自体になのか…?)
[去り際の書生の気迫に触れ、ここで新たな、根本的な疑問。]
そもそもなぜ私は彼を処刑した…?
それは謂れの無い事ではないはず。
―回想―
>>27キャロル
許すもなにも……お前は何も悪くない。
気負うことなどなにもないんだ。
『大好き』……か。
メイは…あの子は…あの子の願ったこととは…なんだったのだろうな。
[彼女の愛用のカップ見やり、独り呟く]
……ああ、そうだな。きっと天国へ……。
[何かが胸つっかかる。
『何も悪いことしてないもの』―――本当にそうだったか?]
>>30>>31>>32ユージーン
……どういう意味だ?
[墓守の言葉に、眉間を寄せる]
確か……デボラさんの孫が仕立て屋の娘と結婚すると……。
>>43……確かに子供が生まれる可能性は…なくなってしまったが……。
[顎に手を当てて考える。
生まれるだろうと思っていた頃から編み始めていたのだとしたら不自然なことはない]
…つまり……見切り発車?
―現在―
>>57キャロル
キャロル!?
[訳を聞く間もなくキャロルは2階へ駆け上がっていく。
>>58しばらくして階段の上に白い花嫁が現れる。
ふわりと、そこだけ空気が違うようだった]
―少し前―
>>59 そう―ですか、シスター。
良かった。ありがとう。
[言うと同時に、馴染みとなった眩暈と共に思い出すのはいつかの光景。
雪原に、既に二つの山は運び込まれ、簡素な暗い色のコートを着たシスターが、その一方の傍に膝まづいている。]
(今日も誰よりも先に来ている。
挨拶しようと思うが、今正に「祈り」の最中のようで、声を掛けるのは控える。
ぽうっ、と手にした十字架が光を放つ。
それは元々は私の母の物。
もしかしたら、母もこうした力を持っていたのかも知れない。)
「見つけましたわ…。この方がじん―」
(気配に敏感な彼女は、私を認めると、泣き笑うような表情で呟く。
そこには勝利の高揚感はなく、ただ、ただ、やりきれない思い。)
(やっと解ってきた。
この能力のため、彼女は教会に組み込まれる運命だったのだと…。)
[ゆっくりと階段を下ってきた娘の手をとる]
おめでとう、キャロル。
[噛締めるように言う。
失われたはずの幸福が目の前にある。
けれど、未来までは与えられなかった]
……神は残酷だな。
[キャロルを優しく抱きしめ、誰にも聞こえない小さな声で呟いた]
(私は娘と同じところへはいけないだろう)
[『処刑』と称してこの手で誰かを殺めた。
その相手が一体誰だったのかさえ思い出せない。]
―回想―
獣に食い荒らされた無残な死体が見つかった。
確かすぐに村の人間が集められて……。
『…ろうが…――なら、処刑を……しか、ないだろうね?』
そうだ、誰かが処刑をといい出したのだ。
『処刑など行わなければ……共存も……』
『先に手を……は…じん――…』
処刑を行わなければ、まして村から出られぬよう橋を落しなどしなければ、キャロルは死なずに済んだはずだった。
―回想―
お前が言い出さなければ!!
(……あれは『処刑』等ではなかった。
ただ恨みのままに殺した…ただの殺人だ。)
[振り下ろした刃。そこで記憶は途切れる。
それが相手に死をもたらしたのかどうかは思い出せない]
……あの状況で生きているなどということは。
私は……人を、殺した。
[いつの間にか耳を澄まし、2人の話を聞いていた。だからハーヴェイの言葉の断片が聞こえてしまったかも知れない。]
『──… えてし え。』
――!
ハーヴェイさ……
[制止しようともその姿は既に階上へ消えた後]
貴方は、何色?
―現在―
[キャロルの花嫁姿を、何処か羨ましげに見つめながらもその元へと跪き手を組んだ]
本来なら牧師様からの祝福があるはずなのですが…今が今ですので、代わりに私が務めさせて頂きますわ。
…おめでとう御座います。
[これから先の幸せなど無い、そう思うものの
魂を視る力しか有しない自分も祝いたかった]
[思い返すはあの事件、疑心暗鬼の渦の中、
誰もが誰もを信用していなかった村]
私は生き残りたかった。 ・・・他の誰をも犠牲にしてもね。
私は人狼が怖かった。 ・・・ただの村人を扇動してまでもね。
そして、君たちが憎かった。 ・・・安らかな家庭、優しい仲間、良い友人。
つまり、分かったかね?
[微かに、笑みを浮かべた]
あの事件での処刑の切欠は恐らく私だ。
村人は、旅先で出会う人々の誰よりも騙しやすかったぞ。
ははは、憎むがいいさ。はははははは!
[笑みは笑いに変わり、狂ったように笑う]
[>>66ヒューバートを抱きしめ返そうとして両手を回す。ふ、と。]
やだ、せっかくの花嫁衣装なのにブーケがないじゃない。ふふふ、うっかりしてた。
[父親の腕から優しく身を放すと]
森の空き地までちょっと行ってくるわね?
ほら、スノードロップがいつも咲いてるあの。
[話しながらヴェールをはずすと宮殿のような扉を開けて雪の中に出て行く]
心配しないで、大丈夫だから!すぐ、すぐ戻るわ。
[危ないからと制止する者がいれば。明るい笑顔で手を振り、裾を軽くたくし上げ外に駆けだした]
―なんだっけ、前にもこうやって雪の中に駆けだした事があったような…?―
―少し前―
(ユージーン>>53には、彼らしいと感心するものの、「しあわせ」なら問題なかろうと苦笑して、返答は差し控える。)
>>55 はい、残念ながら私もユージーンさんがどうなったのかは、覚えていません…。
実は自分がどうなったかのすらとんと…。
どうせろくな事にはなっていないと思うのですけれどもね…。
[と自嘲する端から>>69が耳に入り]
流れ者さんの言う通り、いずれ誰かが墓守を引き継いだと思いますが―…。
生きながらに、ここに…?ですか?
[少しぎょっとする。]
>>72ステラ
ありがとうシスター。
娘を祝ってくれて。
[例え夢のような存在でも、ここに生があるように思えた]
>>75キャロル
[キャロルからヴェールを受け取る]
一人で大丈夫か?私が取りに行っても
[言い終わる前にキャロルは行ってしまった]
…やれやれ、お前はいつもこうだったな。
>>74 ギル…??!
[豹変ぶりもさることながら、耳朶を打つ言葉に耳を疑う。]
『村人は、旅先で出会う人々の誰よりも騙しやすかったぞ。』
[これまで思い出した僅かだが、確かな記憶が一気にフラッシュバックする。
「村の総意」の名の下に手に掛けた命たち―。]
きさ――ま―…!!!
[我を忘れて踊りかかった。]
[シスターの祝福を受け父親に褒められ、嬉しげに駆けだした先には広場一面のスノードロップ]
すごい!やっぱり咲いてた!
(やっぱり?)(やっぱり?)
―あの時も、父親を喜ばそうと久しぶりに帰った家を飾る為にこうやって摘みに来た―
わ…たしが しんだ ときの こ…と?
[花を摘んでいた手が止まった]
―あの人が遠くから走って来る姿に手を振ろうと立ち上がった瞬間、目の前が真っ赤に染まったあの時―
同じように…同じ事を繰り返して…私はまた死ぬの?
いやっ!今度はせめて…せめて父さんの傍で…っ!
[花束を握りしめ、片手で裾を手繰り集会場に駆けだす]
>>74ギル
[狂ったような笑い声と、もみ合うような物音に広間へ]
>>78コーネリアス
何の騒ぎだ?
コーネリアス、なにをしている!
[コーネリアスをギルバートから引き剥がそうとするが、
怒りに任せて腕を振るコーネリアスに弾き飛ばされた]
きさま!人を何だと思ってる?!
人の気持ちを…一体なんだと…――!!
[馬乗りになって、首をぎゅうぎゅう締め付ける。
男の顔は見る間にどす黒くなってゆく。
―が、その時、脳裏に刺すのは一つのたおやかな影。]
ステラ…。
(思わず零れる名前。
隣人たちの死を、見詰めつづけて来た目。
思い出す旋律。)
>>82 …すいません、ヒューバートさん。
[よろよろと立ち上がり、仕立て屋を助け起こすと、竪琴の前に掛ける。]
思い出したよ。
母から、十字架と一緒に貰った歌を。
(いつか、あの子に歌ってあげなさい、と。
母はこの日を見越していたのだろうか?
その曲の名は、「悲しみの聖母」(Stabat Mater))
>>85キャロル
[キャロルに助け起こされて改めて状況を確認する]
いや…よくわからん。
わからんが止めるべきだと思ったのだが……。
[>>84ステラの様子から、ギルバートが何かしたと推測する]
>>86コーネリアス
……いや……大丈夫だ。
しかし、一体何が?
[竪琴の弦が柔らかな音を奏で、朗々としたテノールが部屋を満たす。]
悲しみの母は立っていた
十字架の傍らに、涙にくれ
御子が架けられているその間
呻き、悲しみ
歎くその魂を
剣が貫いた
ああ、なんと悲しく、打ちのめされたことか
あれほどまでに祝福された
神のひとり子の母が
そして歎き、悲しんでいた
慈悲深い御母は、その子が
苦しみを受けるのを目にしながら
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