情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] 絞り込み / 発言欄へ
嗚呼
探求のおこころで、
もしおんなで無くとも取り込むお心算なら
僕は――止めたほうが良いですよ。
きっと後悔なさいます。
[去り際の肩越しに
嫌悪を飲み込む事はせず
独り言のような音を返す
撫でた下腹の奥 腸の突起うねる音を裡で聞いた]
[浜辺 腐った木壁の扉無き船小屋が男の塒
頼まぬも常ように置かれる薪に石で火を灯す
湿り土に消える火を数度 熱取る為に着け直し
流木に座る背は常にしゃんと伸び
過去の生活が高みにあったらしきを垣間見せる]
さむい。
[身より大きな上着の前を掻き寄せて
黒でぎゅと合わせ白い息を吐いた*]
[常の依頼の声に向ける顔もまた常の険しさの儘
開く口は何時ものように吐息だけ――否、今日は、]
…、は
[公開処刑の主の有様は未だ瞼の裏から剥がれぬ
共に首刎ねられるべきが牢より鎖ごと消えた己
言葉は何故か切欠自覚せぬ変化を齎して
白い吐息の隙間 声を音と、紡いだ]
…火種の数で僕のいのちは 買えましたか?
[手で風に消えぬよう包む火種は幾つ目か。
それを初めて気紛れに口にしたのは 先程の
「も」を違えた会話が少しざわめくからか]
[向ける細い目は執行人の向こうに故郷を見て
その 一瞬さ に堕ちめく意識を奥歯で留めた]
そうです、か。
ずっと、いつかな、と
…―――ていたん、です。
[じゃり…]
[大きな上着の中で音をさせつ火種の行方を見
そうとまた薄い腹を擦る 背筋は伸ばすまま]
…是非にそこを踏み越えてどうぞと
勧める茶も 湯、すら ありません。
[けれど薪を有難いと 赤い髪の頭を下げた]
[海鳴が響きまた腸がうねる
腹を見下ろし上げた顔
意識は執行人のままに
視線だけが枠の外れた窓から外]
穏やかに向かい合う場でも時でも
ないですが
疼く、ので。
[視界の遠く 大きな帽子を被る男の姿
きゅううう、と 裡で暴れる脾を抑えて
ほんの少し、口の端で わらった*]
[1] 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了