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私は何も返せなかったな。
[目を閉じて思い出そうとする祖父母の顔は、既に靄がかかったように朧だ]
おじいちゃん、おばあちゃん。ごめんなさい。
いっぱい我儘聞いてもらったのに。とっても大事にして貰ったのに。
[対岸で赤々と灯る火に、祖父母も祈りをささげているのかもしれない。自分も最後に祈ろうと思った。彼らが、少しでも長く、安らかに暮らせるように]
さよなら。
俺は、先生なんて呼ばれる資格がない人間だ。
[振り返り、少女の姿を見つけると微笑んだ。
視線をそらす。対岸をじっと見つめた]
親より先に死ぬとはね。
[あの離島に居た人のことを思い返し、丸い大きな月を*仰ぎ見た*]
先生は先生でしょ。
[小首を傾げると、微笑み返す。『親より先に……』という言葉の重さは、まだこの少女には理解し難かったけれど]
ごめんなさい。ありがとう。
[祖父母を思いながら、対岸を見つめた]
まぁ、そうだな。
[プレーチェの頭をぽん、と撫でる]
うちの娘もすぐこれ位になるんだろうな。
[月ではなく太陽を見るように、目を細めた]
[頭を触られれば、嬉しそうにグンジを見上げ]
頭撫でてもらうのって、好き。
何か安心するよね。
[にっこり笑って、目を閉じる。ゆっくりと意識が拡散していくような気がする]
イマリちゃん。
[『大丈夫』『みんな一緒だ』と言って優しく笑ってくれた人。確かに繋いだ、イマリの掌を強く握りしめる]
ありがとう。私、怖くないよ。
[自分が死んだ時の事も。そして、母親と別れた時の事も、もうはっきりと思い出せない。けれど、ただ一つ、酷い後悔が、心に残っていた]
どうして、手を離してしまったんだろう。
……おかあさん。しっかり繋いでいたはずなのに。
[今度はしっかり繋いでいよう。そう思いを込めてイマリの掌を握ると、同じように強く握り返してくれたような気がして]
あぁ。良かった。
ありがとうねぇ。
[静かに微笑むと、そのままゆっくりと世界に溶け込んで、*霧散した*]
[拡散して世界に溶け込んだ意識は、風が触れるように、向こう側に残してきた人々を撫でて]
ありがとう。ごめんなさい。
……それから、どうぞ、幸せに。
そして。
忘れないで。
[最後の我儘を呟いて、*消えていく*]
[そして、再び祭りの夜。
帰って行く最後の船を見送って、篝火に視線をうつす。]
もう、一年も経つんだなぁ。
[社の柱に寄りかかり、天を仰いだ。
空には一年前と同じ三つの月。]
ねえ、もう遠くへ行っちゃいました?
[呼びかけても、帰ってくる声は無い。
今も、自分が生きているのかは曖昧で、いつか皆と同じように消えるんじゃないか、そんな気がしてならなかった。]
[ずるずると、柱にもたれ座り込む。
ため息をついて俯いた。]
ここにくればまた、皆がいるんじゃないかって気がしてたんだけどなぁ。
[きっと、生と死の曖昧な場所から今もまだ抜け出せないのは自分だけで、皆はもうとっくに先に行ってるのだ。
顔を上げて、柱に向かい合う。あのとき自分が書いた文字を指でなぞった。]
[プレーチェの『安心する』という言葉に表情を落とす]
それが足りなかったんだろうな。
[気配が消えたことに気付いたが、そちらは見ないまま]
さぁいったいった。
[足元に群がるフナムシの魂をけしかけるようにする]
[暗闇。
からっぽの手を伸ばし、
誰かの背をトンと押し出す]
扉の場所は知らん。
[押し出す先は彼岸が此岸か。
風が凪ぎ、留まれない水の音が響く。
そして誰かの声が聞こえる]
『願いごとはなに?』
廻り逢える明日。
[呟いて、自分の未練がましさに苦笑した]
例えば緑溢れる村で、幻の月と火祭りの明かりを見るような
穏やか過ぎて気付けないような
平凡な日々をもう一度、願わくはあの人と共に。
[願いを月が、嘲笑っているような気がした**]
ここは、私のあるべき場所なんでしょうか……?
[自信は無い。けれど、自分はここにいて。
柱に額をおしつけ目を閉じる。
やがて顔を上げると、紙袋から折り紙や藁人形を取り出した。
魚の形やらツチノコの形やらしたそれを、ぽんぽんと火にくべて行く。]
あ、花火、持ってこようと思ったのに……。
[空になった袋を覗き込んで、首を傾げた。
やがて、対岸にあがる花火にまいっかと呟いて、小さく*微笑んだ*。]
[海岸で燃えている炎が、少しずつ小さくなっていく]
あと少しやね。
[煙を追いかけて、空を見る。その先には月が見えた]
そういえば、うちなんで死んだんやろ。
『誰か』を庇ったという記憶はあるんやけどなあ。
[記憶を掘り起こしてみるけれど、詳しいことは思い出せなくて]
ま、ええか。誰か庇って、トラックにでも轢かれたんやろ。
[思い出せないことを気にしても仕方ないと、考えることを放棄した]
ああ、やっぱりここにいたんだ。
[ひょっこりと現れて]
なんだかいまだに、ここにくると
どっかからみんな、出てそうだな。
現実味が沸かないね。
[そういいながら、消えた皆の顔を思い出すも朧げで。
最後のときに、講師の男が言った「忘れるのが怖い」
その言葉をぼんやり思い出していた]
花火、始まりましたよ。
[やはり島に残った薬屋に首を微笑んで、天を指した。]
……ここにいると、対岸のことの方が夢なんじゃないかって思えます。
帰った夢を見てるだけで、本当はまだこの島にいるんじゃないかって。
皆、今にも出てきそうなのにね。
いるけど、見えないだけなんでしょうか?
忘れるのは怖い…無くしてくのは怖いねえ。
でも、月が沈んでも太陽が出る。
今日も、多分、明日も俺はいるし、暮らしてくんだ。
[柱に近づいてついている傷を撫ぜ]
こうやって残せば、薄れても消えない。
そうやって、増やしていけば良い。
[同じようなことを考えてたのかな、と笑い]
いそうだよね。
あの人みたいに見えなくて、よかった。
見えていていたら、先に進めないし。
いなかったら、寂しいもの。
記憶まで一緒に消えなくて良かったな。
あれだけの人の最後は、ちょっと重たいけど。
確かにそこにいて。それがきちんと残ってる。
花火。最近ようやく良さがわかってきたよ。
[もう月が視界に入っても、狂気は現れなくなっていた]
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