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[右手に酒瓶、左手にひとふりの片手剣を携えている。
酒瓶など邪魔になるのだから、ねぐらにでも置いてくれば良いのだが。]
[大きな影が頭上を過ぎる。
ふと見上げると大きな鳥……ではなく、翼をつけた人間(のようなもの)が、男からは到底手の届きそうもない空を渡っていった。]
異形か、天上人か。
……どちらでも私には関係の無い事だ。
[恵まれて罪など無いと噂される世界も、空の上の出来事も。
空から地上へ視線を戻す途中で、人影を見止める]
[恵まれて罪など無いと噂される世界も、空の上の出来事も。
空から地上へ視線を戻す途中で、人影を見止める]
[男は、供儀と呼ばれる少女にも興味を示さない。
これから死にゆくものなど男の興味を引くものではないのだ。
救済や終末というものも既に過ぎ去ってしまった。
生贄の儀式から目線を外し、廃墟の中を歩いて行く。]
そうだな。
[何に対しての肯定か]
[レーメフトから目を離さず、地面に酒瓶を置く。その手で懐から小さくパックされた薬剤を取り出す]
[それから少し目を伏せた]
お前の馬銜は何のためにある?
声が出せぬ訳では無いようだな。
ほう……
[薬剤を、包装ごと口に押し込んで飲み下す]
……。
そうだ。
一つ誤解のないように言っておくが。
私は別にお前の事が心憎くて刃を抜こうとしている訳ではないのだよ。
……だが、お前が知らぬうちに殺した者の中に、私の愛するものが居たかどうか、それを判ずる手段を私は……持たない。
君は……ふふ。少しは気安く思ってくれていたようなので、あえて、こう言うが。愚かだと笑ってくれても構わないよ。
[何度か息をつきながら語り]
[上げた目は、薬効で真っ赤に染まっている]
[笑うように、何度か喉を鳴らす]
くく。そうだ、まだ報酬を払って居なかったね。
私の命で贖うかい?
[*口元に笑みの形すら浮かべて。*]
(牽制か、あるいは何かの予備動作か?)
[抜刀するには間に合わない。軽業師の突進を、鞘の横腹で受ける。後じさりながら抜刀。振り抜いた先に軽業師の姿は既に無い。
自由自在に空間を動き回る、曲芸めいたレーメフトの動きはどんよりと赤い軌跡を引いて、油の中の情景のように引き伸ばされて映る。己の剣先が引く軌跡も同様に。妙にゆったりとして見える。
己の剣戟には花や娯楽は無い。ただ純粋に、殺害のためだけに、あるいはその隙を作るために、軽業師を捕らえようと奔る。
神経、感覚が高揚。露光しつづける写真のような情景。軌跡ばかりが増えていく。斬撃。戦闘への高揚ではない。受けた傷の事は意識の外に。出元も不明の薬だが、効果は十分だ。化け物めいた連中と渡り合うには。一時的な覚醒作用のためだ。
軽業師の一種、優雅な挙動が時折認識を遅くする。致命的な一撃の瞬間を待つ。]
[殆ど真っ赤に染まった世界の中、新たな物音を聞く。
男の認識の中では、死体、が、奇妙に蠢く。――死んではいないのか?]
[レーメフトとマティアスの関係性は分からない。マティアスが己の敵か味方かも。]
[一度レーメフトとマティアスを見比べ]
ち。
[剣をおさめる。]
[鞘で金貨を何枚か、軽業師に向けて弾き]
代金だ。君の命とあわせて取っておくといい。
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