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朝
随分、寒くなりましたねぇ…
[連続勤務何日目か、考えないようにして、今日も野木は受付に入る。内線の電波が医者同士の連絡を拾った。
[内科医 ユウキ]と――]
[野木は、受付名簿に記された名前を見つめていた。
さっき入院患者よりも青白い顔で入っていったのは、誰かの母親だろう。
―――子供を亡くす母親が一番、見ていられない。
不吉なことを考えた自分に気づくと、誰に誤魔化すでなく咳払いをし、深く帽子をかぶり直す]
「結城先生もありゃ寝てないね」
[同僚の言葉に頷き、しかしそれはいつものことであり]
また、医者の不養生なんてことにならなきゃいいが
[待合室から歌が聞こえてくる。CDでも流しているのだろう、今はもういない歌手の歌だ。祈りの言葉は病院に相応しいようでいて―――けれど……。
野木は口を噤み、目を逸らして日常に戻った]
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