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…―――憶えているよ、レーメフト。
[砂塵が舞う中、
首を傾げた姿勢で音の出所を意識する。]
俺がお前の『炉』を起こし、
[ぐぐっと槍を後方へ。
そして助走、跳躍、『一閃』。
より後方に位置する柄先端から弧を描いた片刃部分の接合部が外れ、柄+型刃部分の薙刀状に長さが延びる。]
お前が俺の―――…
[その先の音は、聞こえず。]
[足の先まで、全てを傷つく前の姿を取り戻せば、はぁ……と大きく溜息をついた。
蝮の女と呼ばれる女の異能力の一つが、この脱皮による超再生である事を知る者は少ない。
だけど、今はもう滅んだはずのあの施設にいた頃と比べて、
生まれ直すのに酷く時間と力を要するようになってきたのは、命の灯火が付き掛けているからだろうか。
それでも――…]
まだ滅ぶ訳にはいかないわ。
あの子を……までは。
[掠れた声で一つ呟いて、今は消耗した体力を回復するために、ゆっくりと眸を*閉じた*]
下がれ……っ
[相手を視認出来ないながら、斜め下へ向け弓を構える。
相手の助走と跳躍は耳に届いていたが、弓は届き槍は届かぬ距離だと高を括った]
あ……っ
[しかし、予想だにしない一閃が。
腹を切り裂き、紅を散らす。
矢から手は離れていたが、狙いをつけぬ攻撃が何処へ飛んだかはわからない]
くそ……ッ!
[空いた右手で腹部を押さえ、上昇を続ける。
高さと距離を十分に離し、両眼のざらつきが消えるまではこちらから攻撃する事はない**]
[空中に投げ出す音。]
………2012年…
[ぽつり。
呟きと共に、有翼人との距離は見る見る開いてゆく。
地面に砂塵と共に落ちた男の周囲に、芥子の種のように小さな血の雨粒がぽたぽたと降った。]
[薙刀状のそれを元の形に戻す。]
…――――……
[空中に投げ出した音に有翼人は反応しただろうか。
放り出した酒瓶を再度抱き寄せると、四辻を後に瓦礫に身を寄せながらその場を去り始める。
明瞭な意識は容を崩し影を潜め、無意識が意識を凌駕する。**]
― 挿話・放浪する復讐者との舞踏 ―
[――砂塵の街に、つむじ風が舞う。
墨色の夜に僅かなりとも往来のある界隈が
途切れ、瓦礫の中へ折れた柱ばかり立つ道。
道化たなりの男は其処で相手を待っていた。]
……
( ― 早すぎたかな ― )
[眉の曇る面持ちで軽業師が向ける問い。
…如何にも、急いた取立てを詫びる態。]
[取りっぱぐればかりを危惧した、得手勝手。
取引を重ねた客に類似の記憶はないだろう。
サンテリの返答を待ち、砂上へ歩を出した。]
[先の死合と異なる幕開けは、軽業師が奔らず
宙返りからの高い跳躍で間合いを詰めたこと。
迎撃の抜刀、切っ先を蹴りつけて背後を――
――取らせぬ とばかりの
鋭い肘打ちに弾かれ、長身が砂上を転がる。
先手に妨げようとした、薬包の摂取を許す。]
[再度飛び込む懐の裡、打突は胸の央に深く。
拳を振り抜けずに、顔を上げる――目を瞠る。
既に彼の人の瞳は紅い。
途端跳ね上がる、復讐者の脚力。反射速度。
横薙ぎの一閃に半ば振り回され、跳び退る。
肩から緩く羽織っていた外套が斬られ――
爛れる毒を刮げた胸の疵が、露わになる。]
[血塞ぎの片目側へ身を舞わせ、腕を取る。
長身の発条(ばね)で――投げる。
裂けた外套を千切り捨てる。
投げられながらも、逆しまに飛んでくる斬撃。
軽業師の膝下に鮮血とコールタールが飛沫く。]
[鋭く闇へ散る紅と、重く影へ粘る黒の対比。
復讐者の感覚をより一層幻惑する物の正体。
前回より強い薬物を口にしただろう復讐者が
振るう剣の目測が時折、僅かだけずれ始める。
軽業師の男は馬銜をがりりと深く噛み直す。]
[自らを、サンテリがあてなく追い求める仇と
証だてるためにはたったひとつ問えばいい。
年はわかっている。
彼の大事なひとが、研究施設【プラント】の
見えるところで死んだかとだけ問えばいい。
否を証し立ててしまわないために銜を噛む。]
[浅く肉を潜る斬撃とすれ違いざま、
頭巾から覗く耳へ噛み付いて前へ引き千切る。
口唇の端へ爪を引っ掛け、鋭く視界を揺らす。
(…痛い?)
交わす視線、細める目元が違わず問うている。
復讐の刃が、爛れた胸板を捉える寸前も――]
が、はッ… !! !
[みしり、喰い込む刃が内壁を凹ませて
軽業師の身体が砂上へ叩きつけられる。]
――――〜〜ッ、…
[ヒュ、と喉笛が鳴る。
連続して長く、短く。]
[軽業師の男の意識が白く遠くなる。
サンテリが突きたてようとする刃。
断続的に、…喉笛。吹子の鳴く音。
銜は外れるのに、黒い煤煙は湧かず。]
[双方の記憶は今はここで途絶えている。
…白い。吐き出された塊と、*陽炎が*]
― 挿話・放浪する復讐者との舞踏 了 ―
[どれぐらい落下しただろうか?どれぐらい意識を失っていただろうか?
傷口から少しではあるが血が滲み出る。背中が痛い。意識が朦朧とする。
朦朧とした意識で感じたのは嗅ぎ覚えのある匂い、あまりいい感情はない。
気だるそうに目を開けると、傍らに男が一人。記憶の底にある、関わらない方がいい、という警鐘を無視してたずねる。]
あんた、誰?**
[カウコと別れた後、再び無線機を取り出してウルスラへと連絡を]
[彼女が応答したならば首を渡したい旨伝えるか。
取らないようならば、とりあえず自宅へと戻っただろう**]
[鳴り響く無線機の音にはっと顔をあげる。
内容は、どうやら例のモノを届けてくれると言うもの]
……二人で楽しんだあの宿で待っているわ。
報酬はその時に。
ドロテアの首、くれぐれも無くさないように、ね。
[歌う様に囁いて、無線を切る。
サーディが来る前に、この抜け殻を処分しなくては。
それから新しい服も。前のモノは、コールタールの煤けた匂いと、蛋白質の焦げる嫌な匂いでいっぱいだから]
[抜け殻の始末をしながら、女は呟く。
まるで恋人を待つ少女のような、そんな軽やかさで]
……もうすぐ。
もうすぐ、また逢えるわ。ドロテア――……。
[もうすぐやってくるだろうサーディと、彼女の持つ生首に思いはせる。
にぃ、と。
歪に口端を歪めて、女は愉悦にうっとりと眸を*細めた*]
[ウルスラからの応答を聞けば、ゆっくりと指定された場所へ向かう]
・・・化け物退治に金いるから、今回の報酬は経費に回るヨ。
[ドロテア殺害にかかった費用、カウコからの依頼のための準備・・・
それでも相当な額が余るのだろうが。
頭の中で金勘定をするうちに、彼女の居場所へと着いたか]
・・・約束通り仕事したヨ。
報酬は小切手やアメックスは勘弁ネ。
[到着した頃には部屋も片付き、着衣も整っていたか。
やたらと肌に艶があるなと感じつつも、情事の後かと受け流し]
――・・・あ、お土産あるネ。
一番イイヤツ持てきたヨ。
[テーブルの上に血に塗れた布袋を置く。
硝子球のように虚ろになった瞳
みっともなく垂れた舌
見るも無惨なドロテアの首に、彼女はどう反応するだろうか**]
― 四辻よりの移動 ―
―――……、
[ドスリと突き刺した槍を軸に身を回転させる/飛来した光の矢が瞬時に傍らを過ぎ去り髪先をちりぢりに焦がす。]
熱い、けど、
柔らかい。
[身の回転と同じく、角度を変えて槍をぐるんと回転させる。<斜め45度に向けた切っ先は、もう一つ飛来した光の矢の切っ先に触れていた。
幾らの矢を用意しているか等は無論察せない。ただただ、向かってくる「線」へ向けて角度をつけてやる。]
ちらせない、けど、ふれやすい。
[ぞくりとした切っ先を感じ、槍と身体との間を開ければ、先に有翼人に傷つけた場所>>36を過ぎる矢。
動かなければ、確実に心臓から背中を射抜いていただろう。]
[腹部に手をやるでもなく、酒瓶を抱え、槍を引き摺りながら、次は崩れかけた建物を通り抜け別の通りへ蹌踉めきながら向かおうとする。
腹部の傷は、やがて血が滲む程度に。**]
― 庭園の在ったビル・低階層 ―
[床材が幾重にも抜けた吹き抜けの底。
煉瓦が混じる瓦礫の上で目を覚ました
ベルンハードを見下ろし立っている。
誰何への応えは、喘息めく息遣いの下。]
…ここの住人だよ
「引揚げ屋」をやってる
[相手の心底には頓着しない様子で、
空見える吹き抜けを見上げてみせる。]
塒が壊されたんで、困ってるところ
…気に入ってたんだけどな
ここは
[顔の向きはそのままに、少年を見遣る。
緩く詰るざらついた声音は当時のまま。]
ごめんなさいの一言くらい
――聞きたいじゃない?
―回想 実験体との遭遇前/崩れ掛けのビル―
[化け物が床下の穴へ落下していった直後のこと。
戦闘の余波で上層部を構成する煉瓦は次々と崩落を始めており、
その内のいくつかはビルの外側を転がるように落ちて行った。
――くぐもった呻き声が聞こえたは、大き目の破片が一つ剥がれ落ちた直後の事]
……この、声は。
[聞き覚えがある声――有翼人の天敵たる「銃」の持ち主の声であった。
たまたま近くで眠っていたか、派手な物音を聞き近付いて来たのかはわからない。
ただ、瓦礫の直撃を受け顔を上げた彼と、有翼人の視線が合ったのが不運であった]
――見たな。
[有翼人の鋭く細めた目が、帽子の下の童顔を捉える。
相手の反応はどうであったか。
こちらの気配を察し武器を構えたにせよ、それは怒りを刺激する結果にしかならない]
あたしの穢れた姿、こんなにも間抜けで醜い姿を――
[きりきりと、音がしそうな程眦を吊り上げる。
暗闇の中でそれと気付かれたかはわからぬが、既に弁明を聞く気はなく。
その手は弓を引いている]
記憶に残させるものか……!
[そして矢は放たれた。
男の記憶を、その脳ごと破壊すべく**]
―回想・了―
[賞金稼ぎとの口頭での契約を終えると、向かう先は、とある路地の裏。
先に何やら大きな破壊でもあったか、崩れる瓦礫の狭間には、いくつかの赤い塊が見えた。
その中に、もし僅か見覚えのある黒い帽子を見つけても、当然のように、一瞥を向ける以上の事はしなかった。
それから、ほんの少しずれた場所。
足元のマンホールを、 ココン、コン、コココン とブーツの踵に嵌められた金属で叩いた。]
クーラ、マルカ?生きテいるカ?
[情報屋の問いかけに、そのマンホールからでは無く、近くの建物から、ひょこひょこと小さな2つの影。
全く同じ顔をして薄汚れたボロを纏う子供は、情報屋の『目』『口』の一つ、いや、二つ。]
――地下を通じて噂を流ス。
『異形ガこの街ヲ異形ノ楽園にしようと狙い、
数名の偵察を向けタ。
偵察ヲ殺サねば、
この街ハ異形に乗っ取らレルだロウ。』
ミョイネン爺の知恵ヲ借りれバ、もっと臨場感溢れル噂に出来るダロウ。
[チャリチャリ。
差し出された薄汚い手に、それぞれコインを数枚落とす。
この街で最も信頼する2人の頷きを、にたりと哂い見送った。
あとはこれで、一般人が『異形弾圧』に動くのを見守ればいい。
――これが、『情報屋』の戦い方。]
[砂塵の街の鳴動。
―――…其れは何時から生まれたのか。
神へ生贄を捧げようとしていた夕刻よりも、ざわつく大気。狂想ではなく、滲む恐怖に彩られた狂騒。
一つの狂信に支えられた教団に比べ、種々な想い渦巻く代わりに根底にあるのは共通した意識。砂塵の街への帰属意識より来たる感情。自らの棲家を護るという結託感。]
…――――……、
[有翼人の矢から逃れ、ベルンハードの元へ戻ろうとしていた男は廃墟の中で身動きせず、少しずつ変わり始めた街の気配を全身で感じようとする。]
[今は未だ大きなうねりではない。
だが時を置けば、街を呑み込むうねりとなるだろうか。]
[正気ある者をも駆り出すには、
何も狂気に堕とさずとも良い。
その良心や不安を煽り刺激してやれば良いだけだ。
其れだけで羊の群れすら地を踏み鳴らす暴徒と化す。
隣人との緩やかな繋がりが、見えぬ大海へ漕ぎ出だす羅針盤となる。喩え星が見えずとも。]
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