[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
どの…?
[ぱちぱちと瞬きを返す。]
――― 清治くんは1人しかいないよ。
偽物とか本物じゃなくて、1人だけ。
…だから、
清治くんのこと思うなら食べてあげなきゃ。
変かどうかは、私には解らないけど
「この村」らしからぬ発言だと思うなら
―――― 心の内だけにしておいた方がいーよ。
清治くんのとこに早く行きたいなら
―――…止めはしないけどね。
[じゃり、ずるずる、と引きずりながらまだ温もりが残る遺体を運ぶ。
やがて村長の家に辿り着けば、アンを殺した犯人が彼だということを伝え、準備を整えれば腑分けに入るだろう。**]
[清治の事を村長と話している間に、マシロの姿は消えていた。
いつも腑分けをする部屋に首から血を流してこと切れた清治の身体を横たえる。]
失礼するよ。
[ ――― ビリ、 ]
[衣服を切り裂く音。血の気の引いた身体。
布で軽く拭いてからその体へ手術を施すようにメスを走らせる。首から血は流れたはずなのに腹部に入れた切れ目からは血の球が溢れ始める。]
食べないで欲しいことが清治くんの願いなら…
―――― 私は食べないであげるよ
[頬に飛び散った血も白衣の袖で拭う。
開いた腹から胃や腸をぞるりと取り出せばその内部を洗い、流れる血と端切れ肉をそこへ詰めていく。
眼球や髪だけでなく、爪の先まですべてを分け追えれば数時間経過していた。
もう彼女の目の前にあるものは
…決して人とは言い難い ―――― 。]
村長、終りまし… あれ、いない。
[どうやらアンを食べにいったようだった。
血濡れた白衣と手のまま、肩を落として]
まったくもう…
清治くんの方がいい筋肉がついてるから
おいしいとおもうんだけどなぁ。
[それでも、彼の願いを聞いてしまったから
若葉は清治の血肉は一切口にしないように
村の行事は切り抜ける事となる。]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ