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[藤の樹の下に集まる『鍵』と『螺子』。
誰が持っていたのかはそれぞれを見るに留めて、その成り行きを見遣る]
……『木の想いの時計』。
[きりきりと回される螺子、鳴り響く12のおと。
この藤の樹は時を止めてしまっていたのだと、今ようやく気付いた]
[かしゃん、と響く砕ける音]
──咲いて生きる道だって、あるんだぜ?
そのために俺達《樹木医》が居るんだ。
[兎が藤の樹に向ける言葉>>#3に言い返すように言う。
どうせ、兎は聞いちゃ居ないだろうが]
どっちかしか選べないって誰が決めたよ。
[壁が砕けた後、友幸もまた藤の樹に語りかけるように言った**]
[ツキハナの姿を隠した花霞が、また追いかけなければと思ったこちらにも押し寄せてくる。
近くにいたはずのレンの気配も近く遠く。
ぐるぐるぐる。
薄紫に押し流され、どこかへ連れ去られてしまうような]
ま、待って。
無理にどうこうする気はないんだ!
[誰に向けたものか、自分でも分からず口走った]
ただ、寂しくないようにって。
[衝動的に手を伸ばす。
その先に見えたのは、あの時計携えた白い兎、でなく。
ニンマリした顔でこちらを見ている]
にゃんこ師匠…?
[ついてこい、とばかりに消えてゆくその姿を追いかければ。フッと薄紫以外の色が見えてきた]
[レンが見えた。
泉の近くで消えた青年が見えた。
青年とどこか似ているような少女が見えた]
あ、こんなところにいたんだ。
[声をかけようとするのとほぼ同じタイミングで、12の鐘の音が響いた。
時を感じさせる藤の木と、傍に集まった人々の姿も身近に感じられるようになって]
ああ…
[鐘の音が12回、響く。
此処へ誘われた時にも聴いた音に、天を仰ぎながら]
さっきの、気の所為やったかな。
けど、
[一瞬だけ感じた視線について、考える。
祖母に着いて仕立屋を訪れた何度目かの日、店の奥からこちらを伺うように見ていたあの子。
それを何故か、思い出した]
……戀ちゃん。
[久方ぶりにその名を呟くのと、境界が崩れるのは、ほぼ同時か**]
[兎が消えた後、視線を藤の樹の傍にいる六花へと向けた]
………
[声をかけようとしたが、何と言えば良いか悩んで。
しばしの間、何度か口を開閉するだけに留まる。
10年と言う歳月。
共に遊んだ頃よりも遥かに背は伸び、一見しただけでは気付かれない可能性の方が高い。
声だって低くなってしまっているから、どこまで面影が残っているのやら。
気付かれない不安がしばらく身を占めていたが、ふ、と気を取り直すように深く息を吐いた]
(ぐるぐる悩んでたってしょうがないや)
[気付かれなくても仕方の無い容貌なのだ、それを前提に話しかければ良いだけのこと。
持ち前のポジティブさで考えを改め、声を出すために軽く息を吸った]
────六花。
[呼ぶ声は低くても柔らかく]
久し振り、だな。
[向ける笑みは、少しくらいは昔の面影が残っていたかも知れない*]
こんな場所じゃあ疑うのも無理は無いけど…。
勿論、本物さ。
[ほら、と六花>>55に手を差し伸べる]
こんなところで逢えるとは思わなかった。
[浮かべる笑みに嬉しさと、若干の照れが滲んだ*]
[忘れていた想い。
わすれていた、やくそく。
実家の、枯れかけた八重藤。
迷い込んだ藤の林。
――そして、目の前の咲けない、咲かない藤木…。]
あ、あのね。こんな場所だけどわたしね。
ともゆきくんに再会したら、言おうと思っていたことが、あるの。
[もし、これが運命のいたずらだったとしても。
藤の花の影響を受けて、逢えたのだったら。
藤の花言葉は、「恋に酔う」。
なら、酔った振りをしてでも。
わたし、言わなきゃいけない。]
[差し伸べた手に触れる六花の手>>57。
昔は同じだった目線もこちらが高くなり、手も友幸の方が遥かに大きい。
どこか気恥ずかしさを感じながら、10年の歳月をその身で実感していた]
……言おうと思ってたこと?
[今は何をしているのかなど聞きたいことは沢山あったが、それよりも先に六花が口を開く>>58。
植物を扱う仕事はしていたが、花言葉などは知る由も無く。
疑問を体現するように友幸は首を傾げた]
[久々に握るともゆきくんの手は大きくて。
でも、温かさは変わらない。
伸びた身長。
空を見上げるように。視線を上げたなら。
藤木の若葉の緑色が見えて。
あぁ、この方も頑張ったのなら。
わたしも、がんばらないとと。
近況より、なにより先に伝えたかった。]
あのね、わたし…ずっとずっと、
友幸さんのことが――
[だって、この場所を出てしまったら。
また会えないような気が、したから。]
…好き、なの。
[言おうと思っていたこと。
前に何かやっただろうか、なんて考えてしまうのは、失敗ばかりをしているが故。
だから、紡がれた言葉>>60を耳にした時、友幸の顔は呆気に取られていたはずだ]
────へっ?
[予想もしなかった言葉に間抜けな声が出る。
頭の中でぐるぐると言葉を咀嚼……する必要も無いシンプルな言葉は頭を巡った後にストンと落ちてきた]
…俺を? 六花が?
[一時の混乱。
友幸も昔から想いを寄せていたから、余計に信じられなくて。
理解が追いつくと瞬時に耳まで紅くなった。
繋ぐ手がなんだか熱い]
あ、ああ、あの、な、六花。
実は────ぅわっ!
[ドンッ、と背中を押される感覚。
吹き飛ぶ程では無かったが、より六花に近付く形になり、ぶつかって転ばないように相手を腕の中へと抱え胸へ引き寄せる形に。
押し潰さずに済んだことに安堵しつつちらと視線を後ろに向けると、妹が口に手を当てて笑っていた]
(杏奈のやつ……!)
[じと目を向けたのは一瞬。
意識は直ぐに六花へと向ける]
[六花は驚いていただろうか。
ハプニングに最初言おうとしていた言葉はなかなか出て来てくれず。
その、代わりに]
………先に言われちまったなぁ。
[腕を解くことはしないまま、紅い顔で恥ずかしそうに言った]
わたしが。その…友幸さんを…
す、き…
[とつぜんの告白。
驚かせてしまっても、無理はないと思う。
だって、わたしたちが最後に会ったのは、まだ小学生の頃。
そんな好きかどうかなんて。
…まだお菓子の好みのような捉え方の頃だから。
訊ね返されて。同じように返して。
ふたたび、口にする好きの文字は。
恥かしさに霞んでいくけれど――]
実は…な、に――っひゃっ?!
[友幸さんからの答えに。
いやな予感がよぎって。
そうだよね、うん。きっと好きな子、いるよね。
叶わない恋に泣かないように。堪えようとしたとき。
急にバランスを崩した友幸さんに引き寄せられ、胸へ顔を埋めてしまう。
耳許で鳴る、鼓動がはやい。
これは、わたしのはやさ?
……それとも、友幸さんのはやさ?]
あ、あのっ…ごめんなさい。おもわず顔を――…
[本当は、ずっとこうしていたいけれど。
好きじゃない子に抱きつかれているのは、きっといやだよね?
慌てて身を離そうとして、気付く。
回された腕が。ほどかれないことに。
見下ろす友幸さんの頬が、なぜか紅いことに。
そして――]
……えっ、先にって…なんの、こと?
[囁かれた言葉の真意に。
どうしても、あまい夢を見てしまいたくなるの。]
……だから、その
[問い返されて一度口篭る。
勢いで言いかけた言葉が今は恥ずかしいと言うのは何とも情けない話だ。
後ろに妹が居ると認識してしまったのが原因。
鼓動が早いのを感じながらも、少し頭を下げて六花の耳元に顔を寄せる。
六花を包む腕にほんの少し込められる、力]
────俺も、六花のことが好きだ、ってこと。
[いつか藤園の八重藤で再会出来たら、自分の想いが変わらなかったら言おうと思っていたこと。
その言葉を六花にだけ聞こえるように囁いた]
[言いよどまれて、ひととき。
大きな体に包まれているから、わたしは友幸さんしか見えなくて。
簡単には口に出来ない事情なんて知らなくて。
ただ、彼ばかりを見上げていた。
不安と期待の入りまじる視線で。
でも、それもすぐにおしまいが近づく。
身を屈めて耳許に寄せられた友幸さんの口から。
少しだけ引き寄せられるように抱きしめられた腕から。]
………ほんとう、に?
[伝えられた想いは、夢じゃなくて。
でも、夢かもしれないと思って。
頬をつねってみたら。]
夢じゃ…ないの?
[ちゃんと痛くて。
おどろいたまま、わたしは友幸さんを見つめて。
また、尋ねてしまっていて。]
「夢じゃ、ないよ」
[わたしの問い掛けに。代わりに答えたのは――]
え? ――…杏奈、ちゃん?
[どこか、聞き覚えのある声に。
友幸さんの横から顔を覗かせると。
おさない面影が残る、見知った顔がもう一つ。]
…こんなの、嘘で言えるわけ、無いだろ。
[頬を抓る様子>>68には微苦笑。
伝う温度も、抱き締め触れる腕も、夢だったら得られないもののはずなのに、まだ信じられないと言った様子の六花がおかしくて、可愛くて。
また問う様子>>70に口を開きかけたのだが]
…………杏奈お前、さっきはよくもっ。
[挟まれた声に思わず振り返る。
「えー、私はお手伝いしただけだよ」
白々しく言う妹にじと目を向けたが、妹は気にした風も無かった。
振り向くことで緩んだ腕に気付いてか偶然か、妹は友幸を押し退けて六花の前へ。
「六花さんお久しぶり!」]
どあっ。
……お前なぁ。
[手伝うのか邪魔したのかどっちだ、と妹へのじと目は継続された]
[六花と手を取り喜ぶ妹。
昔も懐いてたよな、と思い出せばじと目も多少は和らぐ]
[「六花さんの方が美人ですっ!」
「今何してるんですか?」
「私達今、○○に住んでてー」
聞きたかったことを妹が矢継ぎ早に聞いている。
自分で聞きたかったことでもあったが、仕方ないので妹に譲ることにした]
[妹が六花に問いかける間、友幸は藤の樹の枝を見上げる。
芽吹いた小さな欠片。
藤の樹が咲くことを選んだ証]
……お前がもし、俺らの世界のどこかにいるなら。
必ず見つけて咲き誇れるようにしてやるから。
待ってろよな。
[手を尽せる内は諦めない。
それが、父も抱く樹木医としての信念。
受け継ぐ想いを込めて、藤の樹へと語りかけた]
[同性同士だから、聞きたいことは簡単に聞けて教え合える。
何気ない会話で、実は同じところに住んでいたこと。
友幸さんはおじちゃまのお仕事を手伝っているという事。
今は、わたしがいつも通っている公園の、植物園に通っているという事。
身体が大きくてあちこちにぶつかっているという事。]
え、じゃぁいつも公園を横切っているのは――…?
[わたしも、学校に行っている事。
建築デザインを学んでいる事を伝えて。
ひとり、藤木を見上げる友幸さんを見上げた。]
じゃぁ…わたしたち、案外近くにいたんだ。
[だけど、藤の花の訴えが、迷いが無ければ。
きっとずっと気付かなかった事。]
[藤の樹を見上げながらも、妹と六花の会話は耳に入って来る。
大学へ行きながら父の手伝いをしていること、ドジだから怪我が多いことは妹から伝えられて。
公園と植物園の話になると、驚いた表情で六花へと視線を戻した]
え?
あの公園によく居るのか?
[大体が急いで通り過ぎていたから、全く気付くことが無くて。
まさかの事実に開いた口が塞がらない]
うわぁ、近くに居るのに気付かないとか…。
何か勿体無いことした気分だ。
[もっと早くに逢えていたかも知れないのに。
ただ、このままの生活を続けていたら、気付かない可能性の方が高かったかも知れない]
…はは、でも、うん。
近くに居るのが分かって、良かった。
これからはいつでも会えるな。
[嬉しそうに笑いながら言う言葉に、妹も「そうだね」と同意を口にしていた]
[お互いおどろいた様に。
視線がかち合って。]
勿体ないだなんて…
はい、勿体なかった、ですね。
[もっと早く逢えていたら。
時間と運命のいたずらに、ちょっと悔やむ友幸さんが愛おしくて。
わたしは、彼を見上げたまま何とも言えない嬉しさで、微笑むのです。]
はい、これからはいつでも。
逢えます。
杏奈ちゃんとも、お喋りできますね。
[そう、近くにいると知ったから。]
あ、でも…友幸さん、わたしの実家には行かれるのですか?
[花つきの悪い八重藤。この藤木の影響があるのかしら。
樹木医を目指し始めた友幸さんは、と。
尋ねずにはいられないのです。]
[「うん、いっぱいお話しようね!」
兄より先に六花>>81に返事をする妹。
本当に手伝う気はあったのかと疑いたくなる]
…と、後で連絡先教えてくれな。
時間が出来たら、会いに行く。
[妹への不満は一旦押し込めて、微笑む六花に笑み返す。
公園に居れば会う確率も高いだろうが、やはり確実にしておきたい]
ん?
あぁ、そっか。
六花にも連絡が行ってるんだな。
普段は大学行かなきゃならんから無理だけど、連休とか、長期休暇の時は行く予定。
少しでも樹木医の仕事を学びたいし。
何より、あの八重藤は、枯らしたくないから。
[自分の手で助けてやりたいと。
そんな想いを込めて六花>>82の問いに返す]
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