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-映画館-
…泣いてないから。
[暗闇の中、小さく告げる。
スクリーンの映像を見ずに指摘する子供。
その隣、母親だろうか。
前を向きなさい、と注意している。]
(サングラス、持ってて良かった。)
[ほっと胸を撫で下ろしながらも未だ、余韻。
胸を抑える。
まさか開始10分で、こんなことになるなんて。
内容、知っているのに。]
…
[――――。]
…知っているから、かな。
[零れた呟きは、音楽に紛れて消える。
今は子供も、大きな画面に視線を向けて。
気付くものは誰も。]
はぁ……。
[小銭入れにしている花柄のがま口をパチンと閉じる。
ゲーム機の音が重なっている店内から外へと出ると、何時もより静かに感じるのは何故だろう。]
やられた…。
[項垂れぎみに店を出て、ぽつりと呟けば、クレーンゲームを眺めている姿が目に入った。]
にゃんこ師匠…?
[彼が見つめている筐体のプライズに描かれたキャラの名前を、ぽつり呟いた]
-外-
―――…
[額に手を充て、空を仰ぐ。
肌に感じる日差し。
サングラス越し、映る世界はモノトーン。
遠く、うすらと見える藤色の幻影はあの頃の。]
…白昼夢。
[記憶、なのだろうか。
色褪せないイロに目を細めた。*]
[ほんのちょっとのぎこちなさ>>74。
親しい間柄なら気付けたかも知れない異変はこの少しのやり取りだけでは感じ取れず。
置かれた一拍は驚いたものと判断された]
ここの藤は本当に見事でね。
地元では凄い有名な場所なんだ。
親父はホントすげーわ。
俺もいつかあんな風になりたいと思ってんだけどね。
まだまだ経験が足りねーわ。
[進矢の屈託の無い笑みを見て笑い返してから、視線を植物園の木々へ]
………えーと。
すまない、もう戻らないとならない。
[笑みは浮かべたままに友幸は顔色を変える。
色んな意味で覚悟した]
木槌、ホントにありがとな。
ゆっくりしてってくれ。
[写真を撮りに来たんだろうと勝手に思い込み、進矢にそう言って立ち去ろうと。
足取りがやや重いように見えるのはきっと気のせいではない**]
黒い奴のもあったんだな。
[ポケットの中を探って、硬貨を1枚投入]
ああ、そんな名前だったっけ。
[少女が呟いた声は、小さいのに何故か良く通った。そうだそうだと頷きながらボタンを押す。初心者設定なら、普段は(07)割くらいで取れるが、今回は]
……あ。
[思いきり外れた。掠るどころじゃない]
これ難しいな。
[ギャラリーの前でこれは恥ずかしい。
店内から出てきたところらしい少女の顔を確かめて、頭を掻いた]
[屈託ない笑みと語る口調は、純粋に父親を尊敬してるのかなぁ、と思わせて。
それもそれで、少し複雑なものはあるが──まあ、出しても詮無い、と押し込めた。
そんな制御は、ここに来てからはいつもの事]
ほんとに、大事にされてるんでしょうねぇ、ここの木って。
[なんて、適当な相槌を打ちつつ。
友幸の視線の先を追う事はしなかったから、彼が何を見たのか>>78には気づく事はなく]
え?
あ、そーっすか。
[顔色の変わった様子に、どしたんだろ、と首を傾げながらもその意を問う事はせず]
これから、お仕事っすか?
頑張ってくださいねー。
[妙に重く見える足取りで戻る背>>79にややお気楽な声を投げかけた]
……さて、と。
[当初の目的を果たした所で、は、とため息をつく]
どーすっか、なぁ……。
[いつもなら、感覚に任せて写真を撮りに行くところだけれど。
何となく、何となく──そういう気分になれなくなって。
もう一つ、息を吐いてがじ、と後ろ頭を軽く掻いた。**]
[雲待ちは まだ終わらない 超ヒマ]
藤、かあ...懐かしい、かも。
[高校の演劇部時代 藤棚の下で 野外劇のイベントを仕掛けた]
ふふ、テレビ局とか取材に来て、みんな有頂天だったっけ。
[女優になりたいと 本気で思い始めたのは きっとあの頃から]
ホント、懐かしい...
[まともな役名や台詞のあったのは、主演女優の妹役だったデビュー作の映画一本きり]
[実家に連絡すると、もう帰って来いとか、見合いしないかとか、そんな話ばかり]
[億劫になって最近は短いメールで近況を送るだけ]
[ぴょこん 何か 跳ねた]
え...?
[直立した ウサギに 見え]
あのう...日陰で休んでいいですか?
[絶対 熱射病 *間違いない*]
ああ、いや、君のせいじゃないよ。
俺が下手なだけだから。
[独り言でもなく話しかけるでもない中途半端な言葉にも反応してくれた少女に首を振る。
ギャラリーがいても気にしたことはこれまでにない。本気で欲しいと思ってはいなかったのが敗因、かもしれない。
揺れる髪に、俺もこんな時代があったっけなあ、なんて年寄り臭いことを考えていた]
こっちの方が取れそうだったし。
でも同じの2つあっても仕方ないんだよね。
[リベンジはしたいけれど、邪魔になっても困る。
彼女が顔を上げるまで少し悩んで]
君は、これ好き?
取れたら引き取ってくれたりするかな。
[顔見知りでもない男がいきなりこんなこと言ったら怪しまれるかもしれない、と思い至らなくなってるくらいには悔しかったらしい**]
[ぼんやりと。
物思いに耽ること約(06)]分。
そろそろ場所移動を、と思い鞄に手を掛けた瞬間――]
…八重…藤……?
[目の前にふわりと広がった紫いろ。
数代前の趣味娯楽から始まった藤棚作り。
実家では無数の藤の花が次々に花をつけるけれど。
突然変異とも言われる八重藤は、果たしてあったでしょうか。]
樹村の…おじちゃまなら、
――知ってるかも。
[幼い頃から見慣れた景色は、
【藤の花】、ただそれだけの。
おぼろげな記憶しか残ってなくて。
精々、あんなちゃんと二人で、花房をぶどうと間違えて口にしようとして、ともゆきくんに止められた記憶しか強く残っていなくて。]
う〜ん、思い出せない。
[悩むそばを、ふたたびうさぎが横切った。]
――…実家でうさぎを飼った記憶は、流石にないんだけど、な。
[馴染み過ぎた景色のおぼろげと。
馴染みのない動物のおぼろげさに。
わたしは春の魅せたまぼろしだろうと思い込んで。
再び目をこすって、ベンチから*立ち上がった*]
……よっし、終わり!
帰ろ。
[一日も無事終わり。
保健室に鍵を掛けてから、未だ練習の行われているグラウンドの隅を通り、校門をくぐる]
ん、まだ明るい。
[少し前ならすっかり真っ暗になっていたはずの空も、徐々に日が長くなり。
気をつけなくても歩けるのをいいことに、空を見上げながら足を進めた]
[ここで突っ立っていても仕方ない。
そう思ったけれど、どうにも気が乗らない]
……んー、ちょっと、歩くか。
[まずは気分転換するべきか、と。
そう呟いて、遊歩道を歩きだそうとして]
……?
[根拠はない。
ないけれど、誰かに呼ばれたような気がして振り返って]
……っ!
[いろが広がったのは、一瞬。
霞纏って揺れる藤色は柔らかく──けれど、瞬きする間にそれは消え失せる]
……なーん、なの。
[ぽつり、零れ落ちる呟きは小さく掠れたもの]
疲れてんのかなあ……。
なんか、ばーちゃんのお気にに似てんなぁ。色。
[その空の色にふと思う。
今は亡き祖母には懇意にしている仕立屋があって、その特に大事にしていた着物もそこでこさえて貰ったものらしい。
真昼自身もたまに祖母に着いて店に行ったり、また代わりに品を取りに行ったりしたついで、そこの娘さんと他愛ないお喋りをした記憶がある]
……元気にしとるといいけどなぁ。
[帰郷の折、その子の噂を聞いたのはどのくらい前のことか。
表情を少し曇らせた……が、それも刹那の事]
…… うぇ?
[空の色が少し変わった―― だけでなく、手の届きそうな位置まで落ちてきた。
瞬き数度。
薄紫色の花の群れははたちまちのうちに失せる]
…… えぇぇ、なに今の。
[疲れが見せた幻覚、と言ってしまうにはあまりにはっきりとしたそれ。
人通りの少ない静かな道の上で、一人立ち竦んだ**]
[ゲームの行方に注目していたら、商店街のどこかから聞き覚えのある歌が耳に届く。]
(…あ、この曲…)
[とある映画の主題歌だったという記憶。
曲自体にそこまで思い入れがあったわけじゃないのだけれど。]
(今頃どうしてるんだろ)
[この街に越してくる前、まだ幼かった頃の記憶。近所に住んでいた、云わば憧れのお姉さん。女優さんになったって聞いた時、自分の事のように嬉しくて、映画、何度も観たっけ…。]
[以前住んでいた所の記憶を、少しだけ遡る。あれは…いくつの頃だったのだろう。]
……。
[生まれつきの運動音痴だもの、当時だって例外では無く。
あの頃もよく、転んで泣いてたっけ。
―― 涙をふきふき見上げれば一面の薄紫
そっと髪にさしてくれた藤の花は、かんざし
笑顔で手を差し伸べてくれたのは――]
……誰、だっけ。
[甘い香りと薄紫の記憶は、曖昧なまま。]
《ゴッ》
[本日二度目の拳骨。
頭には計4個のこぶが出来ていた。
つまるところ、父は一部始終を見ていたのである。
木槌を見つけたことであげた大声が届いていたらしい。
離れているのに目が合ったのもそのためだった]
[公衆の面前で怒鳴り散らされるよりは良いが、痛いのには変わりない。
殴られた箇所を押さえながら、友幸は訥々と話す父の声を聞いていた。
「仕事道具の管理はしっかりしろと言っただろう」
「仕事を手伝い始めて何年目だ」
「二十歳になったんだからもう少し落ち着け」などなど]
手伝い始めて二年目ですすいません…。
[思わず敬語になりながら答えて、ぐさぐさと突き刺さる言葉を受ける。
帰れと言われないだけマシだが、思いっきり凹みそうだった]
……あ、そういや親父。
藤代さんからの手紙、なんだったんだ?
写真だけじゃないだろ?
[話が一段落した頃、ふと思い出したことを口にする。
問われた父は再び作業を開始しながらその問いに答えてくれた]
…八重藤の花つきが悪い?
それで、診に来てくれって…?
[返答を聞いて友幸の表情が変わる。
あの藤園の片隅にあった珍しい藤。
幼い時の記憶が残る場所]
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