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うん。
ちいあにさま、わたしも作る!
[スイの後ろを付いていって、台所で手伝いを始める。
しかしこの家の中には、ちかの知らないものや分からないものがいっぱいある。ありすぎる。
ちかは結局オーブンの前に陣取り、丸鶏の焼き上がりを知らせる*係りをしている*。(見てるだけー)]
-台所・スイ-
ちかは──そこの窓の中の鶏が茶色になったら教えてね。
[真剣な顔でオーブンを見つめるちかに微笑んで、ガラス障子越しに居間を見る]
ねーちゃん飾り付けありがとー。ケーキ買いに行くの?
外暗いし、じーちゃんかとーさんと一緒に行った方がよくない?
[心配そうに声を掛けるが、台所は手が放せない状況で、ユウキに付き添いをお願いしようとしたけれど、呟きを聞いて、声を掛けそびれてしまった]
大丈夫よー!子供じゃないんだから。
あんたって本当に小姑みたい(クスクス)
[台所から心配そうな声を投げるスイに
ひらひらと手を振って、出ていく。
ユウキの呟きは聞こえなかったようだ。]
あわてんぼうのーサンタクロースー
[耳たぶの柔らかさの白玉をぷにぷにつまんで幸せ気分]
草団子が緑で、いちご大福が桃色。
クリスマスねぇ。
あ、アンちゃんリボン買って来てちょうだい。
チキンに結ぶの。
はい、ちいあにさま。
[元気よく返事をして、オーブンの中を凝視する。時間経過に比べ見た目の変化に乏しい肉の塊を、頬杖を付いて楽しそうに]
・・・ととさま・・・・。
[しかしユウキの呟きを微かに耳にして、瞬間表情が曇る。
頬を覆うようにして両こめかみに指先を当て、何かに耐えるように小さく唇を噛んだ]
えっ、あっ?
う、うん・・・。
[ツキハナの声にはっと我に返って、歯切れの悪い返事をする。ツキハナの手元の団子とオーブンの中とを交互に見て]
・・・・・・。
[同時に複数の作業ができない要領の悪さ全開]
そういうときは、一個丸めたら一回見に行ったらいいのに。
[くすくす笑って、小ぶりな団子を次々作っていく]
はい、お先にどうぞ。
[六つ乗せた皿を、仏壇に供えた]
[ちゃぶ台に似合わない料理が次々と並べる。
ローストチキン(リボン待ち)、ローストビーフ、シーザーサラダ、肉じゃが、コロッケ、カナッペ、漬物、お赤飯…]
かーさんお団子任せたー!
あとは……ねーさんのケーキとリボンかな?
[料理の半分はタッパに詰めて大きな紙袋に入れた]
ただいまー!
一番大きなケーキ買ってきちゃった。
…ヌイの許嫁も入れて12人分だもんね。
リボンも買ってきたよ!チキン用と…。
[ちかがいれば、近づいて赤いリボンを髪に結んであげた。]
うん、似合うね。
[ささっとチキンを飾っているスイや、同じサイズの団子を次々に作り出すツキハナの手元を見て、惚れ惚れとした表情になって]
すごいなぁ、まるでおまじないみたい。
・・・かかさま、どうして六つなの?
[ちかも真似をして団子を少しちぎって、丸めてみる。どうしてもうまく丸くならず、いびつに歪んでしまう。
短冊に描いた丸みたいな団子ができた]
ん?
おいら……ええと……謝りたい人に、謝りに行くことにしたんだ。
だから。ミナツちゃんたちのところに先に行ってるね。
[プレゼントの箱もいくつか紙袋に詰め、
スイは紙幣をひらりと見せて笑った]
[ツキハナの答えに首をかしげながらも、アンの言葉に頷いて]
かかさま、ヌイちゃんのお嫁さんの分だったのね。
[勝手に納得して、鏡を覗き込んでリボンを映して見ている]
きれいな髪紐・・・。
やれやれ。
[どこから出て来たのか、どっかりとちゃぶ台の前に座り込んで、胡座を掻いた。
白衣は着ていない]
……随分と、ごちそうだなぁ。
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