― トロワ・シティの駅 ―
[アドレス帳を開く。通話先は『ファンクラブ』]
ハロー
ブレストは先に行ったわ。ここでザ・オーナーを掴まえたら、他は人員いらないから。
他の街? だからいらないわよ。迷子になったあの人は容易に探し出せないから。目的地に来なかったら、当分来ないわ。
[逃がしてしまったなんて、口が避けても言わない]
それよりどう?
スリーピングキャッツは元気にしていて? 大人しくしているはずがないから気を……なによ、なんか不満そうね?
掴まえたのは掴まえたんだから、いいでしょう。約束は約束よ? 忘れないでちょうだい。
[厄介ごとを持ち込んでくれた、と言わんばかりの口調を、ぴしゃりと遮る]
ホワイトラビットみたいに、大福を上げたら大人しくなるかもしれなくてよ? ふふ、知らないわ。試してみれば?
あ。あとでそっちの回線を借りるかも。
……あらん。嫌ならご自分でなさる? どちらでも、いいわよ?
[戯れを徐々にエキサイトさせると、とうとう、出来るか。と怒鳴られた。だがそんな言葉は支えにもならない。
僅かに目を細めて言って、今度こそ相手の言葉を奪うと、通話を*切る*]