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[湖の底は、暗くて寂しいところ。
誰もいない水底で、遥か向こうの陽光を追いかけて。
水に溶けてしまうから、涙を流しても気づかない。
ずっと泣いている事に、気づけない]
いや、いやよ……こんなの、いや……
[ぐずる声は、少ししわがれている。
罰が当たったのだ。
人を騙して、人を殺して、のうのうと生きている罰が]
…………
たすけて
[誰か。]
……だめ、よ。
こんなすがた、みせられない。
[浮かぶのは拒絶。
人間は、化け物を殺す。
今のわたしは、名実共に化け物と呼ぶに
相応しい悪魔の姿。
人じゃないから、躊躇う理由もないだろう。]
どうして、どうして、なんで、ここに。
やめて、こないで。
わたしをみないで。
ころさないで、
[漏れる嗚咽を抑えながら、必死に祈る。
それでも、心のどこかでは]
あいたい。
[本音が揺れる]
[突き放されるのが怖いから、先に突き放して]
[恐れられるのが怖いから、先に恐れて]
[拒絶されるのが怖いから、先に拒絶する]
[…が本当に守りたいのは、自分だけ。]
[怖い、痛いのは嫌。
でも、ユノラフがこれ以上傷つくのが嫌。
それもわたしのせいで、わたしなんかのせいで]
この人の傍は、とても温かいの。
[泣きたくなるほどに、とても。
どうしても失くしたくない。
たとえ自分の命がなくなったとしても。]
[痛い、痛い、痛い痛いいたいいたいいたい]
どうして、なんで、
やめて、 いたい、 いたい
[一緒にいたいと、願うことすら罪なのかしら。]
[薄れ行く意識の中、最後に触れた手の感覚だけが
しっかりと残っている。]
ユノラフさん、
ユノラフさん
わたし、あなたの事を──愛してました。
[そうして目を閉じて、さようなら。]
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