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OK、二体トモ仕留めてくれたナラそれなりノ色は付けヨウ。
交渉成立デ良いカ?
報酬は成功後、店に来てクレ。
[吊り上げようとするジェスチャーに頷いて。]
俺ガ知る情報ト見タ限りを含めて、ダガ。
亜人変異には、相当のエネルギーが必要なようだ。
それこそ、アアやって人ヲ食らわねばならない程にハナ。
獣ノ本性でもあるノダロウが……
異能力者のほうダガ、アレは周囲の物質を無理やり集約し形成しているようダったナ。
主ニ金属カ。しかシ、磁力に関連しているようデハ無いカナ。ガラスまで集まってイタ。
悪イ、ざっト推測を含メこんな所位ダ。
分からない事ガ多すぎるナ、調べニ出ヨウ。
何か分かり次第連絡を入れヨウ。
[躓いた拍子に生贄の少女の手首は何処かへ行ったようだ。辺りを探れば、見つかるかもしれないが―――。]
う…ん……―――…、
[ボトルキャップから滑らかに首を滑り、ボディへ。
ボディに貼られた浮き彫りラベル、刻印、―――2012。
銘柄は書かれているが、男の記憶にはない名前だ。]
くそう、こいついくつ矢を持っているんだ。
[何かがたくさん詰まっていそうなお腹を狙って、矢が1…2…いっぱい!]
ちくしょうちくしょう、甘いを味わせろよ。
[咆哮と共に、異形へ変化する。長すぎる腕で矢を防ぎ、もう片手の腕で刺さった矢を引き抜く。
引き抜いた傷跡から血が滴り落ちるが、それを気にせず、取り鳥めがけて、壊れかけた床の一部(1m四方ぐらいか)を投げつける。]
OK、引き受けるヨ。
……それより、アンタがこの依頼するの、意外ネ。
街の治安維持を願う柄じゃない、違うカ?
[口調は軽いが、その眸は氷のように冷たく。
カウコの反応はどうであれ、すぐに態度を変え
野暮なことを聞いたと詫びただろう]
どっちも厄介ネ。
二匹は一緒に行動してるカ?それなら大分辛いヨ。
それに、聞いてる限り豚に接近戦挑むの無謀かもネ。
ワタシ相性悪いかもしれないヨ。
[聞いた情報を元に、淡々と個人感を]
刀でぶ殺してくの信条にしてたけど
接近戦型の異形が相手聞いたら、
対戦車バズーカ―でも準備してもらいたくなるネ。
[冗談っぽくそう呟いた。
バズーカ―でなくとも、装備を十分に整える
必要はあるだろう。
なるべくなら銃は使いたくないのだが、
飛び道具は苦内程度しか無い以上は
融通を利かせてやるしかないのか…
などなど、ボンヤリ考えるのであった]
……そうダナ。
こんな街、正直壊れれば良イとも思うガ。
[けれど、この街は俺の手で壊したいから。
そこまでの願いは口にせず、冷えた視線に僅かな間目を閉じた。]
アア、厄介ダナ。
仲間のようニ言葉を交わしていたガ、この町の中で、俺ハ亜人の方ガ一人だけで歩いてイル所に出会っタ。
常ニ行動同じクでも無いトハ思う。
バズーカーは用意できないガ……しかシ、念入りナ準備ニハ賛成ダナ。
[矢筒に矢は50本程用意していたが、一度に抜けるのは四本まで。
右手の矢が尽きるも、異形の腕で防がれ狙った部分には当たっていない]
くっ……力を籠めなければこの程度か。
[浄化の力を籠めれば、威力は上がるが発射までに掛かる時間は延びる。
人間型の腹ならそれでも十分と踏んだが、やはり変化の方が早かった]
――馬鹿だけあって馬鹿力ね!
[1m四方程の床がこちらへ投げ付けられる。
素早く矢筒から矢を一本抜き、ぎりぎりまで力を籠めて放った]
砕け!!
[金色に光る矢は、脆い床の中央をぶち抜いた。
無論、破片の勢いは止まらない。
矢を放つと同時、全力で翼を振るい上方へ飛んでいたが、完全には逃げ切れず破片を腕と脚で受けた]
[投げたレンガは、矢で砕かれる。破片の一部は相手に打撃を与えたようだが、こちらにも破片が飛んでくる。]
んあ、痛い痛い
[つぶてが、顔に当たる。思わず顔を片手で覆い痛みに耐える。もう一つの腕を辺り構わずふりまわす。
顔を覆って腕を振り回しているので、床に穴があれば落ちるかもしれない。]
に、ぜろ、いち、に。
[全てが変わった年の刻印。]
2012年。
[実験体の記憶の中にない単語と匂いに、湧き上がるものの不思議さに、戸惑う。其れに名前をつけるならば、何が相応しいだろうか。]
つっ……
[破片が腕や脚に当たり、白く整った肌に青黒い痣が増える。
だが破片を受けているのは、相手とて同じ事。
顔を庇う腕の間から、痛がる化け物の様子が見えた。
痛みに顔をしかめつつ強引に破片を腕で振り払うと、弓を構え直し]
――落ちろ!!
[床は既に所々穴がある。
その内の一つに化け物が寄っていると見えれば、追い討ちのように足元を狙い矢で穿った]
― 挿話・屋上庭園/崩壊間近の楽園 ―
[憎悪に彩られた瞳で覚悟を口にした翼人は、
空を捨てず自ら軽業師のもとへ歩を寄せた。
煤吐く男が、迎えるに熱い手を差し伸べる。
…彼女がにべもなくそれを無視出来るように]
横になって
うつ伏せ 上体だけでいいから
…そう
[庭園に生える芝は、まだ幾らか青さが残る。
芝刈る庭師もいないからにはふかりと沈む。
奇形に縒れた姿さえ、褥の柔らかさを増し]
…よく
ここまで飛んでこれたもんだ
[漏れる感慨は、風切羽に見える損傷具合を
よく見る鳥の大きさと単純に比較した結果。
彼女の身体の横へ片手をつくと屈みこみ…]
失礼
[短く声をかけぐらつく羽の根元を銜えた。]
[身を固くする翼人から声は上がったろうか。
少し間を置き、熱い手が背をほとほと叩く。]
…ん
[羽根の元を含む口唇から、じわりと沁む熱。
コールタールより濃く、黒い黒い黒い――
ピッチと呼ばれる瀝青(れきせい)に近い物。]
[八年にたったひとしずく滴下する其れとは
いかずとも、限りなく固体に近い"流動体"。
周囲に無事な羽と共に固め支えてしまえば、
痛みは幾らか残れど動作に支障ないはずで]
… ふ ゥ、
[時折の息継ぎは、煤広げるを憚る息遣い。
其の人の背を掠める吐息に苦情が出たなら、
返事の代りにまた銜え――ひと時が過ぎる。]
そう言えばさ
お嬢ちゃん、なまえ
…なんて言うんだっけ
[双方が身を起こした際に、爛れた胸を
押さえる軽業師が空惚けた態で尋ねる。
――全うな応えがあれば、
呼ばず己の名も*告げて*]
― 挿話・屋上庭園/崩壊間近の楽園 了 ―
痛いよう痛いよう
[痛みは消える事なく、むしろ増幅して身体中に広がっていく。
それでも、目の前の鳥に向けて当てずっぼうに腕を振り回し、辺りを歩き回る。]
んあーーー
[床にできた穴。そこに足を踏み込んでしまい、バランスを崩してしまう。
追い討ちをかける様に放たれる矢が足に刺さり、そのまま下層階へ落下した。**]
[…――――月はなく、翳るだけ。
濃い闇の気配、法嫌う者>>2:32の気配。
ぐるり首を廻らせて、ぎゅうと酒瓶を更に抱きしめる。]
[自らの身体の輪郭を内側からなぞり、意識を四方八方へ向ける。チリ…、耳飾りが乾いた音を立てた。]
――デカブツめ。
[腕は無茶苦茶に振り回されていたが、長過ぎるそれが届いていたのだろう、残心の左手に浅く血が滲む。
相手はといえば床の穴で足を踏み外し、矢を受けて下層へ落下していった。
それ以上の追撃はしない。
殺したい相手は別にいるし、己が不利となる建物内部へ自ら入ろうとも思わない]
しかし、あの男――レーメフトと言ったかしら。
腕は確かだったようね……。
[もし翼が満足に動かせなかったなら、投げ飛ばされた床をかわし切れず今以上の重傷を負っていただろう。
感謝の言葉を口に出すことこそなかったが――
彼の去った方を一瞥すると、翼はためかせ崩れゆく庭園を離れる]
―挿話 崩壊前の庭園にて―
[地上人の男に身を委ねる決意。
それを経ても、芝生の上に伏せる姿勢は羞恥を感じさせるもので。
緊張に動作を固くさせつつも、ふかりと沈むそれは天上の寝台を思い出し心地よい]
……――ぁ
[翼の付け根に感じた唇の熱に、震える声が漏れ。
慌てて唇を噛み堪える。
痛みにもそれ以外にも、その部分は敏感であった]
[熱い手が背を叩く。
安堵を得るには高過ぎる温度。
それを意識し、緊張の糸を解かぬよう意識し続ける。
既に最重要器官を相手に差し出している矛盾には、その瞬間には気付いていない]
あ――ちょ……っと……
[ぐらついていた付け根が固まりつつあるのを感じながらも、その合間には違うものが羽根を擽る]
余計な事を……するんじゃないわよ……
[相手の息遣いが煤を広げぬためのそれだと思いもよらず。
身勝手に抗議する声は、羽根を銜える感触に封じられた。
清純なる天人は、その感覚を表す言葉を知らない]
[やがてその一時も終わり、芝生から身を起こした。
黒く固められた片翼。
目にした瞬間は硬直するも、両手を固く握るのみで、相手に感情をぶつけはしない]
あたしは――
あたしの名は、アイノ。
[地上に来てから一度も口にしていないそれを名乗ったは、礼の代わりか。
それに応えるかの如く、相手の名も返り――
少年の足音が聞こえたは、その一瞬後*]
―挿話 了―
[幾許か、また時は流れる。
――崩れた煉瓦階の落ちた先、
意識のないベルンハードが大の字に横たわる傍。
片鎖の切れた馬銜を深く噛む男の姿は、其処に。
俯いた肩へ、はら はら
淡くない紅の合歓の花が降ってくる*]
―現在 四辻上空―
[右翼を半ばまで夜の色に溶け込ませ、宙を翔ける。
鳥目とは言わずとも、闇に紛れた事などない天人には、高空から敵を探すだけの視力がない。
故に、通常より低い位置を、探り探り飛ぶしかない]
――いた……。
[敵は思っていた以上に接近していた。
異形の少年と行動を共にしていたのだから当然か。
怒りと憎悪に歪み掛ける顔を、必死に冷静へと保ちつつ、一本の矢を抜いた]
ここまでしたんだもの――絶対に仕留めてやる。
[右手の甲から指先を伝い、矢へ、そして弓全体へ。
眩い金色は、夜闇の中では余りにも目立ち、振り向かれたなら一瞬でそれと気付かれるだろう。
だが、それと引き換えに一撃は威力を増し、ある程度の指向性すら持つ。
手を離したならそれは、緩い螺旋を描き実験体の心臓を狙う]
[遠くから近づく羽ばたきの音。
ゆらり落とした手を、人差し指と中指が糸で吊られたかのように持ち上げれば、緩い渦巻き、硝子片と金属片、そして砂塵が、ぎちぎちと隙間なく組み合わさる音を立てながら、弓のような槍を形作る。弧を描く部分が片刃となる形状だ。]
[顔を、そして身体を焼く灼熱のコールタール。
かろうじて悲鳴を上げるのは堪えたけれども、その後の記憶はなかった。
誰かに、何かを問われたような気がするけれど、それは定かではなく。
白い靄の向こうに見える、微かな記憶]
[自らの放つ明かりで、異能者の動作がぼんやりと見える。
この距離でも彼の聴覚では気付かれるらしい]
暗闇はこっちの不利か――。
[舌を打ちつつ、放たれた矢の着弾を見る間もなく翼を上方に伸ばす。
限りなく抵抗を少なくし、翼で空気を切るように落下して弓状の槍を回避に入る]
[ドスリ、と地面に槍を突き刺す。]
[振り向けば迫り来る螺旋の矢。
黄金の光を周囲に放ち、流星の様に墜つる。]
[その残酷な程に美しい光こそ見えはしないが、
槍のもう片方先端近くを掴み、逆袈裟懸けをもって、矢を切り裂こうとした。]
[地面から槍が抜け、砂が周囲に弧を描く。]
光の圧、
[灼熱を受け止めるような光のエネルギーと衝撃。
弾かれた光と矢が、周囲に飛び散る。
逡巡は赦されず。
酒瓶を放り出し、両手をそれぞれ長い柄にあたる部分へ添えながら、腰を落とす。]
[相手は槍を持って矢を迎撃する。
その軌道や眩い光に惑わされる相手ではない。
気付かれた以上急所は外れただろう]
――ちっ!
[相手の行動を読み違え、下降していたのが仇となった。
槍の届く範囲ではないものの、飛ばされた砂が周囲の風と入り混じる。
咄嗟に翼を大きく振るい上昇に転じるが、それは更に砂を巻き上げる結果となり]
――目が……。
[砂埃が飛び込み目が霞む。
そのまま上昇は続けられたが、次なる攻撃にすぐには転じられず]
[意識を失った女が再び取り戻した時、軽業師の姿は傍になく。
皮膚がひきつるような痛みと、爛れた肉が放つ異臭に焼け焦げた眉根が寄った]
顔……。
私の、顔――……。
[そっと。
手で触れる]
……… ………っ!?
[瞬間。
爛れた肉が発する痛みに、飲み込む悲鳴。
身体を支えるのも辛いと言う様に、両手をペタリ、床に付く]
あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″
[伏した女の唇からは、言葉にならない慟哭が床に落ちる。
慟哭を漏らす唇は、何時しか大きくその顎門を開いて。
粘膜の赤を誰に見せるでもなく覗かせる。
そして――…]
[メリっと嫌な音が一つすると、それを皮切りに唇が大きく裂ける。
裂けても尚、広がる顎門。
紅い噴水を撒き散らしながら、これ以上ないと言うほどに開いた其の口の中からにょきっと生える白い腕。
腕に続き、ずるりずるりと古い皮を脱ぎ捨てて新たな顔や身体が生まれ出でる姿は、まるで蛇が脱皮するかのよう]
…―――憶えているよ、レーメフト。
[砂塵が舞う中、
首を傾げた姿勢で音の出所を意識する。]
俺がお前の『炉』を起こし、
[ぐぐっと槍を後方へ。
そして助走、跳躍、『一閃』。
より後方に位置する柄先端から弧を描いた片刃部分の接合部が外れ、柄+型刃部分の薙刀状に長さが延びる。]
お前が俺の―――…
[その先の音は、聞こえず。]
[足の先まで、全てを傷つく前の姿を取り戻せば、はぁ……と大きく溜息をついた。
蝮の女と呼ばれる女の異能力の一つが、この脱皮による超再生である事を知る者は少ない。
だけど、今はもう滅んだはずのあの施設にいた頃と比べて、
生まれ直すのに酷く時間と力を要するようになってきたのは、命の灯火が付き掛けているからだろうか。
それでも――…]
まだ滅ぶ訳にはいかないわ。
あの子を……までは。
[掠れた声で一つ呟いて、今は消耗した体力を回復するために、ゆっくりと眸を*閉じた*]
下がれ……っ
[相手を視認出来ないながら、斜め下へ向け弓を構える。
相手の助走と跳躍は耳に届いていたが、弓は届き槍は届かぬ距離だと高を括った]
あ……っ
[しかし、予想だにしない一閃が。
腹を切り裂き、紅を散らす。
矢から手は離れていたが、狙いをつけぬ攻撃が何処へ飛んだかはわからない]
くそ……ッ!
[空いた右手で腹部を押さえ、上昇を続ける。
高さと距離を十分に離し、両眼のざらつきが消えるまではこちらから攻撃する事はない**]
[空中に投げ出す音。]
………2012年…
[ぽつり。
呟きと共に、有翼人との距離は見る見る開いてゆく。
地面に砂塵と共に落ちた男の周囲に、芥子の種のように小さな血の雨粒がぽたぽたと降った。]
[薙刀状のそれを元の形に戻す。]
…――――……
[空中に投げ出した音に有翼人は反応しただろうか。
放り出した酒瓶を再度抱き寄せると、四辻を後に瓦礫に身を寄せながらその場を去り始める。
明瞭な意識は容を崩し影を潜め、無意識が意識を凌駕する。**]
― 挿話・放浪する復讐者との舞踏 ―
[――砂塵の街に、つむじ風が舞う。
墨色の夜に僅かなりとも往来のある界隈が
途切れ、瓦礫の中へ折れた柱ばかり立つ道。
道化たなりの男は其処で相手を待っていた。]
……
( ― 早すぎたかな ― )
[眉の曇る面持ちで軽業師が向ける問い。
…如何にも、急いた取立てを詫びる態。]
[取りっぱぐればかりを危惧した、得手勝手。
取引を重ねた客に類似の記憶はないだろう。
サンテリの返答を待ち、砂上へ歩を出した。]
[先の死合と異なる幕開けは、軽業師が奔らず
宙返りからの高い跳躍で間合いを詰めたこと。
迎撃の抜刀、切っ先を蹴りつけて背後を――
――取らせぬ とばかりの
鋭い肘打ちに弾かれ、長身が砂上を転がる。
先手に妨げようとした、薬包の摂取を許す。]
[再度飛び込む懐の裡、打突は胸の央に深く。
拳を振り抜けずに、顔を上げる――目を瞠る。
既に彼の人の瞳は紅い。
途端跳ね上がる、復讐者の脚力。反射速度。
横薙ぎの一閃に半ば振り回され、跳び退る。
肩から緩く羽織っていた外套が斬られ――
爛れる毒を刮げた胸の疵が、露わになる。]
[血塞ぎの片目側へ身を舞わせ、腕を取る。
長身の発条(ばね)で――投げる。
裂けた外套を千切り捨てる。
投げられながらも、逆しまに飛んでくる斬撃。
軽業師の膝下に鮮血とコールタールが飛沫く。]
[鋭く闇へ散る紅と、重く影へ粘る黒の対比。
復讐者の感覚をより一層幻惑する物の正体。
前回より強い薬物を口にしただろう復讐者が
振るう剣の目測が時折、僅かだけずれ始める。
軽業師の男は馬銜をがりりと深く噛み直す。]
[自らを、サンテリがあてなく追い求める仇と
証だてるためにはたったひとつ問えばいい。
年はわかっている。
彼の大事なひとが、研究施設【プラント】の
見えるところで死んだかとだけ問えばいい。
否を証し立ててしまわないために銜を噛む。]
[浅く肉を潜る斬撃とすれ違いざま、
頭巾から覗く耳へ噛み付いて前へ引き千切る。
口唇の端へ爪を引っ掛け、鋭く視界を揺らす。
(…痛い?)
交わす視線、細める目元が違わず問うている。
復讐の刃が、爛れた胸板を捉える寸前も――]
が、はッ… !! !
[みしり、喰い込む刃が内壁を凹ませて
軽業師の身体が砂上へ叩きつけられる。]
――――〜〜ッ、…
[ヒュ、と喉笛が鳴る。
連続して長く、短く。]
[軽業師の男の意識が白く遠くなる。
サンテリが突きたてようとする刃。
断続的に、…喉笛。吹子の鳴く音。
銜は外れるのに、黒い煤煙は湧かず。]
[双方の記憶は今はここで途絶えている。
…白い。吐き出された塊と、*陽炎が*]
― 挿話・放浪する復讐者との舞踏 了 ―
[どれぐらい落下しただろうか?どれぐらい意識を失っていただろうか?
傷口から少しではあるが血が滲み出る。背中が痛い。意識が朦朧とする。
朦朧とした意識で感じたのは嗅ぎ覚えのある匂い、あまりいい感情はない。
気だるそうに目を開けると、傍らに男が一人。記憶の底にある、関わらない方がいい、という警鐘を無視してたずねる。]
あんた、誰?**
[カウコと別れた後、再び無線機を取り出してウルスラへと連絡を]
[彼女が応答したならば首を渡したい旨伝えるか。
取らないようならば、とりあえず自宅へと戻っただろう**]
[鳴り響く無線機の音にはっと顔をあげる。
内容は、どうやら例のモノを届けてくれると言うもの]
……二人で楽しんだあの宿で待っているわ。
報酬はその時に。
ドロテアの首、くれぐれも無くさないように、ね。
[歌う様に囁いて、無線を切る。
サーディが来る前に、この抜け殻を処分しなくては。
それから新しい服も。前のモノは、コールタールの煤けた匂いと、蛋白質の焦げる嫌な匂いでいっぱいだから]
[抜け殻の始末をしながら、女は呟く。
まるで恋人を待つ少女のような、そんな軽やかさで]
……もうすぐ。
もうすぐ、また逢えるわ。ドロテア――……。
[もうすぐやってくるだろうサーディと、彼女の持つ生首に思いはせる。
にぃ、と。
歪に口端を歪めて、女は愉悦にうっとりと眸を*細めた*]
[ウルスラからの応答を聞けば、ゆっくりと指定された場所へ向かう]
・・・化け物退治に金いるから、今回の報酬は経費に回るヨ。
[ドロテア殺害にかかった費用、カウコからの依頼のための準備・・・
それでも相当な額が余るのだろうが。
頭の中で金勘定をするうちに、彼女の居場所へと着いたか]
・・・約束通り仕事したヨ。
報酬は小切手やアメックスは勘弁ネ。
[到着した頃には部屋も片付き、着衣も整っていたか。
やたらと肌に艶があるなと感じつつも、情事の後かと受け流し]
――・・・あ、お土産あるネ。
一番イイヤツ持てきたヨ。
[テーブルの上に血に塗れた布袋を置く。
硝子球のように虚ろになった瞳
みっともなく垂れた舌
見るも無惨なドロテアの首に、彼女はどう反応するだろうか**]
― 四辻よりの移動 ―
―――……、
[ドスリと突き刺した槍を軸に身を回転させる/飛来した光の矢が瞬時に傍らを過ぎ去り髪先をちりぢりに焦がす。]
熱い、けど、
柔らかい。
[身の回転と同じく、角度を変えて槍をぐるんと回転させる。<斜め45度に向けた切っ先は、もう一つ飛来した光の矢の切っ先に触れていた。
幾らの矢を用意しているか等は無論察せない。ただただ、向かってくる「線」へ向けて角度をつけてやる。]
ちらせない、けど、ふれやすい。
[ぞくりとした切っ先を感じ、槍と身体との間を開ければ、先に有翼人に傷つけた場所>>36を過ぎる矢。
動かなければ、確実に心臓から背中を射抜いていただろう。]
[腹部に手をやるでもなく、酒瓶を抱え、槍を引き摺りながら、次は崩れかけた建物を通り抜け別の通りへ蹌踉めきながら向かおうとする。
腹部の傷は、やがて血が滲む程度に。**]
― 庭園の在ったビル・低階層 ―
[床材が幾重にも抜けた吹き抜けの底。
煉瓦が混じる瓦礫の上で目を覚ました
ベルンハードを見下ろし立っている。
誰何への応えは、喘息めく息遣いの下。]
…ここの住人だよ
「引揚げ屋」をやってる
[相手の心底には頓着しない様子で、
空見える吹き抜けを見上げてみせる。]
塒が壊されたんで、困ってるところ
…気に入ってたんだけどな
ここは
[顔の向きはそのままに、少年を見遣る。
緩く詰るざらついた声音は当時のまま。]
ごめんなさいの一言くらい
――聞きたいじゃない?
―回想 実験体との遭遇前/崩れ掛けのビル―
[化け物が床下の穴へ落下していった直後のこと。
戦闘の余波で上層部を構成する煉瓦は次々と崩落を始めており、
その内のいくつかはビルの外側を転がるように落ちて行った。
――くぐもった呻き声が聞こえたは、大き目の破片が一つ剥がれ落ちた直後の事]
……この、声は。
[聞き覚えがある声――有翼人の天敵たる「銃」の持ち主の声であった。
たまたま近くで眠っていたか、派手な物音を聞き近付いて来たのかはわからない。
ただ、瓦礫の直撃を受け顔を上げた彼と、有翼人の視線が合ったのが不運であった]
――見たな。
[有翼人の鋭く細めた目が、帽子の下の童顔を捉える。
相手の反応はどうであったか。
こちらの気配を察し武器を構えたにせよ、それは怒りを刺激する結果にしかならない]
あたしの穢れた姿、こんなにも間抜けで醜い姿を――
[きりきりと、音がしそうな程眦を吊り上げる。
暗闇の中でそれと気付かれたかはわからぬが、既に弁明を聞く気はなく。
その手は弓を引いている]
記憶に残させるものか……!
[そして矢は放たれた。
男の記憶を、その脳ごと破壊すべく**]
―回想・了―
[賞金稼ぎとの口頭での契約を終えると、向かう先は、とある路地の裏。
先に何やら大きな破壊でもあったか、崩れる瓦礫の狭間には、いくつかの赤い塊が見えた。
その中に、もし僅か見覚えのある黒い帽子を見つけても、当然のように、一瞥を向ける以上の事はしなかった。
それから、ほんの少しずれた場所。
足元のマンホールを、 ココン、コン、コココン とブーツの踵に嵌められた金属で叩いた。]
クーラ、マルカ?生きテいるカ?
[情報屋の問いかけに、そのマンホールからでは無く、近くの建物から、ひょこひょこと小さな2つの影。
全く同じ顔をして薄汚れたボロを纏う子供は、情報屋の『目』『口』の一つ、いや、二つ。]
――地下を通じて噂を流ス。
『異形ガこの街ヲ異形ノ楽園にしようと狙い、
数名の偵察を向けタ。
偵察ヲ殺サねば、
この街ハ異形に乗っ取らレルだロウ。』
ミョイネン爺の知恵ヲ借りれバ、もっと臨場感溢れル噂に出来るダロウ。
[チャリチャリ。
差し出された薄汚い手に、それぞれコインを数枚落とす。
この街で最も信頼する2人の頷きを、にたりと哂い見送った。
あとはこれで、一般人が『異形弾圧』に動くのを見守ればいい。
――これが、『情報屋』の戦い方。]
[砂塵の街の鳴動。
―――…其れは何時から生まれたのか。
神へ生贄を捧げようとしていた夕刻よりも、ざわつく大気。狂想ではなく、滲む恐怖に彩られた狂騒。
一つの狂信に支えられた教団に比べ、種々な想い渦巻く代わりに根底にあるのは共通した意識。砂塵の街への帰属意識より来たる感情。自らの棲家を護るという結託感。]
…――――……、
[有翼人の矢から逃れ、ベルンハードの元へ戻ろうとしていた男は廃墟の中で身動きせず、少しずつ変わり始めた街の気配を全身で感じようとする。]
[今は未だ大きなうねりではない。
だが時を置けば、街を呑み込むうねりとなるだろうか。]
[正気ある者をも駆り出すには、
何も狂気に堕とさずとも良い。
その良心や不安を煽り刺激してやれば良いだけだ。
其れだけで羊の群れすら地を踏み鳴らす暴徒と化す。
隣人との緩やかな繋がりが、見えぬ大海へ漕ぎ出だす羅針盤となる。喩え星が見えずとも。]
[ウルスラとの応対を終えると
街に数か所ある隠れ家の一つへと向かう。
武器庫の鍵を開けて手にしたのは馬鹿デカイライフル。
ウェザビー・マグナム…アフリカ象やサイを一撃で屠れる程の破壊力を持つ銃で、
クジラの密漁等にも使われ話題になったか。]
……化け物には化け物用のライフルネ。
木端微塵にして報酬がぽり貰うですヨ。
[馬鹿デカイライフルを肩に背負い、
腰には愛用している2本の小太刀。
苦内数本と手榴弾、etc…
軽装が常の女がいつになく重装備なのは、
獲物に対する恐れもあってか。
それでも、持ち前の機動力を損なわないように
気をつけてはいるのだが]
……ホントは待ち伏せして、クレイモア畑に誘導して
影も残らないくらい爆殺するの一番けど
行動見えない化け物にそれ、無理ネ。
[カウコに囮にでもなってもらえばよかった
そう思いながら、異形を探し街を彷徨い歩いた]
[最初に浮かんだのは、身を潜めやり過ごす事。
だが、真実はどう在れ、ベルンハードを「完成品」だと感じていた。その為に、動かぬ思考の中で緩やかな逡巡をしている。]
……―――……、
[身体に凭れ掛けさせながら、弓型のような槍を持ち、その上でもう片方の手で拳を作ると、ぐぅっと開くようにする。
槍はばらばらに解け、砂塵は零れ落ち、硝子や金属片は渦巻くように漂う。
ゆら、ゆら、と指先を上下させ、
この先如何するか定まらぬ侭、瓦礫に背を預け、]
[壊れゆく世界の端は、何処にあるか知らず]
[夜盗よけのバリケードが築かれたアリーナ
瓦礫の裡に歪んだ鉄扉閉ざす地下駐車場跡
乱雑に積まれた廃コンテナのうちのどれか
囁かれる噂、突き合わせられる額、目配せ。
ざわめきを感じ取る頃合より――時は戻る。]
― 回想・砂塵の街 ―
[砂塵に足元取られる、静寂の廃墟。
岩塊に凭れ、漸うに立つ軽業師の姿。
深呼吸。サンテリの剣を疵ある胸に受け、
深くひしゃげていた気管が僅かだけ戻る。
ヒュウヒュウと吹子(ふいご)になっていた
呼気の荒さも苦しさも次第治まっていく。]
は、ッ…
[完全燃焼状態を脱した体内の「炉」が、
また僅かに燻り始め溜息が煤煙となる。]
[熱源に寄生するいきものは、
ぐしゃりと前髪を掴み俯く。
隙間から覗く硝子玉の如き瞳。
来る何者かへ向けられる視線。
――軽業師は未だ陽炎を纏い、
見るものの視界裡へ*揺らぐ*。]
謝る?僕は壊していない。鳥が壊した。
謝ってほしいなら、あいつに言えば。
[変化を解き、体を起こしながら悪態をつく。この臭い、この嫌み臭い声、聞き覚えがあるが...、もしや?]
お前、マティアスと同じ臭いがする、嫌な臭いだ。
お前も...実験体ーきょうだいしまいか?
[手元の肉切り包丁をぐっと握る。傷口は血が止まらず、組織が壊死し始める。いざとなれば喰うしかないが、相手の雰囲気が強襲を足踏みさせる。]
[もう片方の手で、
抱き寄せていた酒瓶の表面をなぞった。
――――2012
有翼人にぽつり投げかけた時>>37>>65の気配の変化。その変化に引っ掛かりを憶えながらも、行動への還元は思い浮かばず。]
……―――…、…行か、なきゃ……。
[心地良い路に潜り込むナイトウォーカー《みみず》のように、ベルンハードと別れた場所へと向かい始めた。*]
[>>75砂塵の街の片隅。
折れ曲がる柱が装飾となる道のどこか。
戦い弾く物音を『耳』より知り、かけつけて見れば、その舞踏はすでに終幕を迎えており。
静寂の合間に、呼吸を確かめるような主演の息遣いは、その程度響いていたか。
斃れる者も斃した者も、
相手側からは分からないが、この街に生まれより生きてる情報屋側からは知った顔。
墨色に浮かぶ濁った月明かりと、遠いどこかを照らすつもりの光源が、意図せず微かにここまで届き周囲を照らしていた。
その中に、ゆらゆらと立ち上る灼熱の揺らめき。]
……お前モ人ではナイのか。
[岩塊に凭れる戦いの痕見せる姿に、腰元のナイフに手が触れる。]
[何処ぞで羽ばたく音が耳に入る。
空を裂く羽音の元を探して天を仰ぐも
アイノの姿を視界にとらえることはなかった]
……でっかい烏が飛んでるネ。
縁起が悪いですダヨ。
[そういえば、先刻の仕事の際
珍しく有翼人を目にしたか。
そんなことを思い返しながら、何処へ向かう
でもなく街を練り歩いた]
[体が臭い、痛い、何度体験してもいいものではない。何故、傷口が塞がらない?
目の前の男と対峙していて焦る。
僕が死ぬ?まさか。僕は成功体のはずだ。銀色の体毛を持つ美しく狂暴な獣。
...、この記憶が確かなら、何故今の僕と姿は違うのか?目の前の男は何か知っているだろうか?
にいさま...にいさまに会いたい。もう離ればなれにならないよう...、食べてしまいたいよ。]
―庭園の在ったビル―
…
[ベルンハードが変化を解く合間に、男は
帽子を脱ぎ手の中へざらとコークスを出す。]
オトコのくせに言い訳すんな
[ひとつを口の中へ放り込む。
無造作に、少年の口の中へも。]
…マティウスと?
いつから石炭喰いになった、あいつ
[臭いに関してはぴんとこぬふうで首を傾げた]
…いいや、ちがう
[空気は乾いているが、気温の上がるビル内。
肉付きのよい少年ならば或いは汗ばむほどに]
「にいさまのともだち」は
――覚えてないかい、ベルンハード
[抜いていなければ少年の足へ刺さった儘の
翼人の矢を――踏みつけようと片足を出した。]
[周囲の気配を探り、ビル廃墟や瓦礫伝いに移動したとしても、何時まで見つからずにゆけただろうか。其れでも、屋上庭園が在ったビルには幾らか近づけただろう。
―――…庭園からはらはら落ちる、合歓の花は見えねど、甘酸っぱい匂いが乾いた街を癒すように微かに漂っていた。]
― 回想・砂塵の街 ―
[摩天楼の残骸、ぶらさがる看板の上より。
殺戮の祭壇眺めるビル、隣り合う建物より。
訪れた人影は『カレワラ』の――]
ホモ・サピエンスじゃないね
[軽業師は、己の腹から生えている様相の、
サンテリの片手剣を握る。
手に取れば刀身は、突いた勢いのままに
溶け曲ってしまっていて]
…そこを騙るのは流石に無理がある
[放り投げはせず、其れを眺めながら言う。]
[先刻耳にした羽音は益々近付いたように思えるのは
気のせいでは無いだろう。
幾多の鉄火場を生き抜いた殺し屋の勘が、警鐘を鳴らす]
[羽音……鳥……有翼人?
彼らの殆どは地上に住まう人間を侮蔑しているのは
周知の事実であり、先般の祭壇でも一人の有翼人が
弓を片手に高笑いしていたのを思い返した]
……だいぶ近い。ライフル構えるの、無理ネ。
[背負った鉄は其の侭に、ポケットに手を入れる。
苦内の3本程掴み、臨戦態勢に。
相手からの殺意を微塵にでも感じれば、
いつでも投げ込めるようにと]
[若い女の声が聞こえる。
何処となく幼さを孕んだ声。
未だ警戒しつつも、振り返ろうとしたその時
耳に入ったのは、弦を張る音]
[それが聞こえると同時に、横へと反転。
有無を言わせず、そのまま苦内を有翼人へと投げ込んだ]
んあ、なにをする。
[不意をつかれて黒い石のような物を、口に入れられる。習慣でつい咀嚼して飲み込む。ざらついた、嫌な舌触り。
だが、不思議と満たされる感覚。出血が少し止まったような気がする。]
にいさまの…、友達?
[>>1:63 こいつ、お家にいたような気がする。こいつ、記憶の通りなら、痛みを弄ぶ変態やろ…]
うわぁぁぁぁ、痛い痛いよう。
[足に刺さったままの矢を、対峙した男が思い切り踏みつける。刺さった矢尻が、傷口をさらに深くえぐる。
絶叫は辺り一面に響き渡る。]
[されども、空気は撓み、熱い。
完全燃焼より脱したとて周囲は暖められて。]
う…、ぁ……、あ?
[酒瓶が滑り落ち、瓦礫の合間に転がり込む。頭を両手で抱え込めば、無骨で捻れた花びらとして纏っていた硝子片や金属片の欠片も、小さな音を立てて落ちる。]
――――…ど…し、て………
………っ、……、縄、は?
[ガリ、と首の縄痕や先に軽業師に傷つけられた傷痕を引っ掻くように、頚を触る。それを聞き咎める者は居るだろうか?]
―――……っ……!
[絶叫に弾かれたように顔をあげた。周囲の瓦礫に手を付きながら、音と匂いと熱の源へ向かう。]
[巨大なライフルがこちらに向けられることはなかった。
それを見て口にしかけた問いは、呑み込まざるを得ない。
何故ならこちらが弓を構えたのを合図に、相手は苦内を放っていたから]
――ちっ……
[逡巡はあったが、銃器への警戒が勝った――そしてそれは、相手にも伝わっていただろう。
放たれた苦内を弓で弾く。
うち一本は捌き切れず、手の甲に突き刺さった。
その傷をそのままに、反転した直後の女に向けて弓を構え直し]
なんなのよその重武装は!
[狙うは胸の辺り。
当たれば幸いと、撃った]
― 庭園の在ったビル ―
[己の纏うクレオソート臭ゆえに嗅覚は鈍い。
訪れたマティウスに気づくならその足音か。
今はコークスを咀嚼する少年の態に苦笑する。]
友達。
…趣味が合った
[少年のにいさま観を揺るがしそうな発言。]
[苦いコークスは、それでも彼の出血を和らげ
刺さったままの矢は傷口に癒着して――――
尖った靴の底で踏み躙れば、斯くの如し。]
[絶叫にぱらぱらと落ちかかる瓦礫。
ひとつ帽子の尾を打ち振って――]
訊ねなくても、
教えてくれるコは…いいコ
[ゴ、と矢尻が床へ抜けるまで、深く]
[体を反転させた直後、追撃のため体勢を整える。
苦内は額・喉元・胸 の三か所を狙ったはずが
何れも射抜くことは無く。
器用に弾き、かわし切れない分については手で防ぐ
様に口笛を吹いて、称賛を送るのだった]
――…質問、応える前に攻撃する、良くないヨ。
[問いに応える間も無く攻撃してくるせっかちな
鳥に、眉間にしわを寄せて苛立ちを露わにした]
[そう呟いた直後、構えた小太刀を鞘から抜き、
放たれた矢を一閃。
閃光のような居合抜きの所作を、
目の前の有翼人は捉えることが出来ただろうか]
……アイヤ、アンタなかなかやるネ。
[真っ二つに割ったつもりが、
矢の勢いが想像以上に強かったためか
刀の横薙ぎは、矢を明後日の方向に弾いたのみ。
相手を讃えつつも、認識を改め警戒を強めた]
― 回想・砂塵の街 ―
[軽業師が曲がった刀身を口元へ持って行き、
静かに咥えるとその部分から
赤くなり――白くなり――どろり 溶ける。
溶けた鋼を舐めとる仕草は水飴喰うに似て]
よき隣人、と呼んでほしくはあるけど
うん…
「理由」は、…逆じゃないのか?
[ふと顔を上げて、白い帽子の彼を見遣る。]
――どっちの台詞よ。
[手で受けなければ胸に突き刺さっていたであろう苦内を苦々しげに眺める。
弓で弾いた分も含め、いずれも狙いは的確に急所。
称賛するが如き口笛の音も、意識の外に受け流す]
はっ……
[小太刀が閃き矢が弾かれる。
接近戦の経験が薄い有翼人には捉えきれぬ動き。
息を呑み、左手をきつく握り締めるも]
[じくじく痛む矢尻を踏みつけられ、痛みに耐えられず、思わず尻餅をつく。
身体が…、身体が熱い。熱が腹の底から湧き上がる。]
お前、何を食わせた?
[友達と言われて、露骨に嫌な顔をする。]
友達じゃない、お前…、にいさまの何だ?この変態やろ…うわぁぁぁぁ
[さらに傷口を踏みつけられ、その場で転がり回る。]
――質問。
[掠れ声ながら、ようやく言葉を絞り出す]
答える気、あるの?
[言いながら、相手のライフルを顎で示す。
左手は力を抜いてゆっくりと下ろし、代わりに何も持たぬ右の掌を見せた]
[このままだと殺される。だが、変化して身体が持つとも思えない。
痛みに耐え、手元の肉切り包丁を、踏みつける男の足首めがけて切りつける。]
お前も倒れろ!
[少しカウコの方を見て話すうちに、気づく
彼が先刻武器らしきを手探っていたことへ。
まだ時折鳴る喉笛を飼い慣らしながら笑み]
ドロテアは…
生贄になりそこねた と見るかい
それとも
生贄にならずにすんだ と見るかい
お前さんのご見解は?
[上昇気流に煽られてか、花は真っ直ぐに舞い降りては来ない。ゆるゆると遠くへ漂い舞う。]
……―――――――――――…、
[大きな熱と……もう一つ。膨らみ熱を内包するもの。
ベルンハードへ向かって、手をさし伸ばす。]
……………。
[内側の犬歯をなぞり、]
[既視感。見えないけれど、同じ事があったような。
人差し指を向けた先が、うろ、とベルンハードの腹部を彷徨う。]
・・・質問、答える義理、アルカ?
[殺気を消そうともせずにそう言葉を返す。
有翼人の顔が曇ったのを見れば、ケラケラと笑い]
――・・・冗談よ。
それ答えたら、こちも質問して良いデスカ?
[二匹の化け物を狙っている旨話し、
逆に二匹について何か知らないかと情報を呼びかける]
[何も掴んでいない掌が視界に入れば、
こちらも刀を鞘に納め。
しかし警戒を解くフリをしながらも、歩み寄り自分の間合いに持ち込むか]
……好きにしたら?
[返って来た言葉に吐き捨てるも、相手はケラケラと笑い。
逆に質問が返って来る]
――人食いのデカブツは、さっき崩壊したビルに巻き込まれてたわ。
もう一匹は――知らないし、教えない。
[一瞬の沈黙をおいて]
あたしが仕留める。
[相手が刀を鞘に納めるのが見えた。
歩み寄る様にぴく、と体が動くも、後退はしない。
右手を静かに下げると、左手の動きを邪魔する苦内を引き抜こうと手を掛けた]
[ぷすり。
軽い音をたてて、足首辺りに刃物が刺さり、傷口から鮮血が流れ落ちる。]
痛いか?お前も痛みを感じるか?
[苦痛に耐えながら悪態をつく。
男の鮮血、鮮血。床に広がる血だまりに顔をうずめ、一心不乱に啜り、舐める。]
[これは普通の血?それとも…
マティアスも、あの鳥も【普通の肉】だった。特別な肉…、それを取り込めば、きっと組織の崩壊を止められるはず。]
さあ、お前の知っている事を話せ!
僕のお家は何処にある?にいさまはどこにいる?
―庭園の在ったビル―
[繋がれていない実験体は、抵抗するもの。
そして緑色の部屋で
彼らが繋がれていた験しはなく――今も。
返答の要を感じない質問は黙殺し、聴くは悲鳴。]
――ッ痛 … !! !
[そして旧友の声に振り向いた折の、足首の痛み]
[振り抜かせる前に、軽業師が崩す膝。
然し悪態の如く「倒れる」ためでなく
軸足を押し出して――少年の鼻面へ膝蹴りと。]
チ、そうそう
「変態やろう」ッて呼んでくれてたっけね…!
[腰から上体をきりと回して、儘の跳躍を試みる。
散ったのは鮮血とコールタールの混ざる雫で。
少年は其れを一心不乱に啜り出し、追撃はこない。]
? にいさまはどこ、って――
[視界の端へ、過るマティウスの仕草――
軽業師はもう一度旧友を振り返り]
な、っ――
…よせっ !! !
「そういういきもの」なのは――…
["俺"だけだ、と。声は*間に合わないまま*]
縄。
俺の縄がないんだ。
(だめ、だよ。)
(じっけんは、だめ。)
(しんじゃう。)
(やめようよ。)
…豚の方、死んだかも、カ?
―――…チッ。アンタが殺たのカ?
[苛立ちを露わにしながら尋ねる。
続くもう一匹を狙っているという言葉を聞けば
眉を顰めて、声を荒げる]
……翼、ぶった斬られたくなかたラ
大人しくスカイダイビングしてる、イイヨ。
[柄を握り、足を踏み込んで構える。
返答次第では、翼どころか手足の1、2本は貰おうかと]
[血を一心不乱に舐め続ける。
男が去った事も、他に人がいる事もきづかない。
これは、甘いのかな?僕知らない。
ああ、そういえばにいさまの血は…
すごく甘くて、おいしかった。
身体の熱は収まる事を知らない。熱くて身を焦がしそうだ。]
― 運び屋との対話の後に ―
[街中のざわめきは、徐々に勢いを増していく。
『口』たちが、上手く事を運んでくれた事を『耳』と『目』とが知らせてくれる。
先代に恩のある地下の住人『脳』が作り上げる噺は不安と混沌の中で、一つの道となり通り抜け。
あとはこれが、どの程度の尾鰭を纏い、鮮やかな彩で煽られてくれるか次第。]
……レーメフト。調べるべきカ。
[改めて調べてみようと思うのは、人ならざる者だと初めて知った運び屋の事。]
― 回想・砂塵の街 ―
前者だな、前者が逆
[顰められるカウコの眉は帽子の影なれど、
気配ばかりは飲み込める。道化た黙礼向け]
「儀式を潰した」ことが、
「儀式」
…そこからはじまってる
ここではね?
[人差し指をゆると上げながら、手首を捻る。
掌を上に向けると、]
そうだった、あの時も――――…、
俺は、こうして、
[ぐっと、拳を――――]
とどめは刺していない。
屋上から落とした。それだけ。
[相手の苛立ちに気付いてはいたが、それ以上は答えようもない。
声を荒げられても――こちらの方は、退く訳にはいかず]
嫌なこった。
翼を穢された報い、奴に必ず受けさせる――!
[答えつつも間髪入れず、構えた相手に右手で抜いた苦内を投げ付ける。
同時に足は、地を蹴るようにして後退した]
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