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[闇に飲まれる砂塵の街を照らすのは、むき出しの電光や、原始的な松明の灯り。
ずるりずるりと地を這う蛇の行方は、どの『目』が追っていく事か。
戦いの跡地には、僅かながらも遠巻きに眺める弱者の姿がちらほらと。
先人切って飛び掛るものが見えないのは、相手が天よりの使いのようでもあるからか。
そこまで辿りついた情報屋は、まず賞金稼ぎの様子を見やる。
転がる蛇の卵となった女は、あまりに赤く。
遠目からでも明らかな死を感じさせる無残さ。]
[臆病者共の脇を抜け、腰鞘のククリナイフに手をかけ、ただし牽制に見せ抜く事はせず。
その場を離れようとする有翼人へと言葉を向ける。]
……飛べるノカ。
[以前に見た白い翼は、痛々しい赤に染まり。
まるで罪を犯し堕天でもしたかのような、それ。]
[―――その瞬間。]
[男を横殴りの衝撃が襲う。
誰かが、爆弾を仕掛けたのだろう。
崩れていたビルの横が吹き飛び、男の身体が瓦礫と共に、吹っ飛んだ。
軽業師が如何なったか定かではないが、
男と分断された形であるのは間違いない。
爆縮を行えば、ビルが内側へ倒壊した筈だが、それが無かったのは、その計算が出来る者が居なかったからか。]
[いつしか蛇の大群も、その場を去ってしまった。
翼を穿たれた有翼人は、地を這うよりも鈍く歩むことしか出来ない]
…………
[その足も、ぴたと止める]
見られ、てる……?
[姿は見えずとも、突き刺し、或いは纏わりつくような視線を肌に感じる。
遥かな高みにあった時には、気に留めることもなかった視線]
近付くな……卑しき地上人ども……。
[低く、唸るような声で視線の主を遠ざける。
或いは、地と瀝青に塗れても尚、その姿は天よりの使者と見えていたのだろうか]
俺ハこの街の一住人サ。
[警戒しながらも、卑しき地上人に丁寧に応えてくれる優しさに、内心の苦笑は貌にも漏れるか。]
飛ぶのガ有翼人であるとイウのなら。
見世物小屋に売ってモ、今ノあんたニ価値は無さそうダ。
[歪められた笑みに、小さく肩を竦め。
ゆったりと、蛇這うように右手の指先がナイフの柄をなぞって見せる。]
なア……アンタは、この街に、何故来たンだ?
そうね……見た感じ、化け物ではなさそうだわ。
[相手の苦笑に気付けば視線を険しくするが、まだ弓を引く事はしない。
肩を竦め放たれた皮肉にも、激昂はせず]
それは良かったわ。
あたしには、この腕が動く限り、やらなきゃいけないことがあるから。
[賞金稼ぎにより斬り裂かれた場所が、腕でなかったのは幸運であった。
腕が動く限りはまだ、『此処にいる』理由を作れる]
あたしは、聖痕を与えられた。
選ばれし者、力持つ者の証として。
[自分でも驚くほど、饒舌に答えを返していた]
聖痕を持つ者は、地上へ降りねばならない。
楽園を穢されぬよう、穢れた者らを浄化するために。
でも――あたしは穢されてしまったわ。
だから、もっともっと浄化しなくちゃ!
[弓を左手に、矢を右手に、天を振り仰ぐ。
弓矢を番えてはいないものの、その動作は警戒する相手に如何なる印象を与えたか]
もっと穢れを祓わないと、あたしは天に帰れない――!
[口と目を大きく開いた、その表情は果たして笑っていたのだろうか。
――内心では気付いていた。
地上に降りて戦えば、必ず何処かで傷《穢れ》を負う。
つまり、自身に与えられた使命そのものが――]
…―――…はっ、
[空気の塊を肺から押し出す。
腹部が重く熱い。口元から溢れるのは血液だろう。
音が聞こえる。喜び、歓声、興奮の]
うぅ……―――〜〜〜〜〜〜
[皮が再生し切っていない血濡れの指先を、側頭部から片頬にかけて押し当てた。もう片方の手が、ぬめりと這う何かに触れる。躊躇わず、掴んだ。―――…蛇だ。]
[いっそかき口説く態の素振りは、
身を引く旧友の身こなしに遮られた。
軽業師が僅かに目を瞠り口を開くのは、
正気づいてもの言うマティウスのさまへでなく
――「前頭葉のみ」を灼こうとした
己の意志が相手に「生死」を口にさせたこと。]
…
[ヒュウ… 喉鳴りを弱めながら、
軽業師は旧き友の言葉に耳を傾ける。]
[二度ほどにまりとばつが悪そうに頬を掻く
道化きらぬ仕草もあったが――爆発は突然。
応えもなにもなく、邂逅は引き裂かれた]
[屋上庭園の在った建物を跳び出すと同時、
軽業師は空中で2つの手榴弾と擦れ違った。
陽炎の中を通過する其れが爆発する猶予は、
其れを投げた中年の男の思惑より早かろう。
飛翔する先に居るのは誰あらぬマティウス。
視線のみで気にしたばかりで…正面へ跳ぶ。
走れば常の疾さは望めない――
跳躍した先に見えるのは、
瓦礫の陰へ屈み込もうとする酔いどれ男の背。]
[手榴弾を投げたと思しき彼の背へ片手をつく。
其処で身体の向きをぐいと変えれば僅かに沈む。
直後飛来する1ダースの銃弾は、酔いどれ男を
援護するものでなく異形を彼ごと射殺するための。]
ハ、…えぐいね
[ミチミチと焼け窪んだ脊髄の糸を引きながら、
低い宙返りで逃れる、
――否、逆方へ待ち伏せる他の一団を奇襲する。]
[警告と怒号、銃火器を構える音は
言葉も動作も完結することはない。
口腔へ灼熱の拳を叩き込む。
喉仏を摘み炭化しきらぬうちに引き千切る。
油の染みこんだ作業服は掴んで火だるまに。
火炎瓶を持つものは、
間近を駆け抜けるだけで事足りる。
粗悪灯油の引火点はせいぜい50℃――破裂、炎上。]
[握力は健在だが、身に抱く炉熱の高さゆえ
掴むアルミニウムの窓枠は容易く融けて弾ける。
火花に片目を眇めつ、狙撃を避けて高さを得る。]
…ッ、かは――
[胸板から脇腹へ大きく抉れた傷が引き攣れ喘ぐ。]
[よじ登った先の室内には、
年老いた男が機関銃を掴み上げていた。]
…くっ… !
[焦ってマガジンをがちゃつかせる彼の銃口と
交差する熱い手が、掴みかかろうとして――
びくん、と止まった。
相手の胸元、とうに何処へも通じない携帯電話。]
[――尖塔の傾いた清掃ゴンドラから引揚げた品。
年老いた男の息子の形身、『引揚げ屋』の仕事。
部屋の奥には、彼の妻が。]
……
[苦笑を浮かべながら引いた手で、
片鎖でぶらさがった馬銜を噛む。
背を向けると――壁を ガン と蹴りつける。]
[潰れた肉切り包丁に罅を入れられていた
軽業師の 右足首 が、綺麗にちぎれ飛んで――
持ち主よろしく二度宙返りをし、床へ転がる。
撒き散らされる鮮血にゆるいコールタール、
長さ不揃いの神経束と血管がぴちり踊る。]
つまり――穢れはお前自身だと。
[小さな呟きは彼女の耳へと届くのか。
有翼人が天仰ぐ様を見れば、左手は上着のポーチに伸び、取り出すは短い刃物。
10センチ程度の投げナイフ3本を、頭、胸元、足元へと投げつける。
同時に、後ろへと駆け出して、構える爆竹。
手早く点火すると、ナイフを投げた先へと放る。]
――敵ハ手負いダ!!!
全員でかかレバいけるぞ!!!
[連続した乾いた破裂音が、夜の街に響く。
銃に似た音と、鳥人の夜目と、導く群衆の勢いとに賭けて。
さらに音は、遠くの群衆を引き付ける為に。
それらの効果を確認するまで、遠距離からの攻撃を仕掛け。
――そうしていつの間にか。
『情報屋』は、狡猾に夜街に*紛れる*]
[「前頭葉のみ」を灼き潰そうとした意志までは察せられてはいなかった。恐らくは、「思い出」に反応した結果だろうか。]
[もし――――、]
[あの時、其れを知っていれば、行動は変わっただろうか?命ある侭、意思無きものとなることへの―――。]
[音は、聞こえなかった。
瓦礫が「崩れる音」も、何もかも―――。
インパクトの瞬間以外は。
異能の血は辺りに撒かれている。]
[粉塵の中の様子は、光がなければ窺い知れない。]
雑魚が……力もない地上人が群れた所で、
[右手を着き体を起こす]
力を与えられし有翼人に勝てるものか!
[理由が偽りであろうとも、与えられた力は本物。
膝を着き腕のみで構えた姿勢でも、銃を放つ直前の相手を撃ち抜いた。
狙いの外れた銃声が天に放たれる]
はっ……さっきの片言女なら、とっくにあたしの胸に風穴開けてたわよ。
[一般人の手際の悪さを嘲って。
立ち上がり掛けた所に、黒い塊が投げ込まれる]
くっ!
[地面を蹴る。翼を振るう]
ぐ……っ
[引き千切れそうな痛みに脂汗が散った。
直後、爆風が下方から、有翼人の軽い身を吹き飛ばす]
[ひゅ] [ライフルを構える住人の胸に、鉄棒が生えた。]
[ひゅ] [起爆装置を持つ男の頭を、鉄棒が貫いた。]
[ひゅ] [少年少女の身体が纏めて何処かのビル壁に、鉄棒で縫い付けられた。]
[ぐちゃり] [何かの咀嚼音が一つ]
[ひゅ] [安全装置に指が掛かりきりの少年の胸部を]
[ひゅ] [ククリナイフを構える男の首を]
[ひゅ] [マシンガンを乱射し始めた老人の胸を]
[音と、感情の源へ、
次々と指の太さ程の鉄棒が飛んでゆく。]
[蛇を咀嚼する音が響く。
粉塵の中、両足を踏ん張らせ立ち上がり、
口元から蛇の身を躍らせている。
他の蛇の群れが、この殺し合いに巻き込まれたかどうかまで、男が今意識を向ける事はない。]
[片手をゆるゆると上に掲げ、ひゅっと降ろした。]
[男の頭上に浮かんでいた、大小様々な瓦礫達が、
まだ命ある者達を、骨砕きながら薙ぎ払う。
阿鼻叫喚、血臭が合歓の匂いを掻き消していた。]
[ビクン、ビクン、と身を躍らせる蛇は、まるで男の口から生えた舌のようだ。其れを丹念に噛み砕いては、嚥下し続ける。]
[肋骨が折れ、内臓が潰れていた。皮膚や筋肉ごと骨を掴み、元の位置に戻そうとする。その間、蛇を強く噛み締めていた。]
[―――其れ>>74は、
『檻』に居た時と然程変わらぬ環境でもあることか。]
[――背を向けて昇り来る翼は、赤と黒。
跳躍と上昇の軌道は交差する。息を呑む。
翼人の腰回りを、灼けた腕で掬いながら
軽業師の男は辛うじて目標より一階下の
割れた窓へと其の人もろとも転げ込んだ。
足首のない剥き出しの骨で窓枠を蹴り、
すぐに腕を緩めてアイノから離れようと――]
[ぽた、ぽた、と足を伝い血が滴り落ちる。
口元と腹部から流れる血は、街の者達の目印になる筈だが、周囲の「塊」が爆ぜては時折足取りを隠す。
尤も、其の血溜まりが、また新たな目印となるのだが。]
―――…(ぐちり、ぐちり)…―――
[一歩歩む毎に、周囲から槍の素材となる物が集められ、時には硝子の、時には鉄塊の捻子くれを作り、向けられる殺意と音と匂いあれば即座に投擲する。
血飛沫が、散る花弁が如くに夜闇を彩る。]
[足首のない骨の痛みは、脳天まで抜けた。
脚先でなく額を押さえて
苦鳴を噛むのは男の矜持。
仰向けに転がり離れようとした背への触に、]
―― …
[軽業師の動きが止まる。
…首を動かして見遣り]
俺も やばかったの
…お互いさま …燃えるよ?
[陽炎の名残を纏う男はそれ以上動かずに言う]
[やがて蛇を喰い終われば、瓦礫に背を預けた。
ふつふつと腹部の再生が行われている様だが―――。]
…―――…、
[「炉」の熱や、爆弾の影響で布は緩み、血と煤が消し流せぬ染みのように付いていた。見上げる。感じる。]
[苦鳴を堪える男の全身を眺めはっとする。
右の足首から先がない。
並の人間にやられる程の男とは思えないが――]
つっ――
[触れていた右手に熱を感じ、反射的にびくりと離す。
その様を見て思わず恥じたような顔になるも、それについては何も言わず]
その、足……。
やはり、この街の人間に……?
[街の中に起きた異変。
それが男にも及んだのかと問う]
…………。
[笑わぬ瞳を向けられ、無言で壁際に至るまでレーメフトから離れる]
誰があんたごときに。
[弓を握り直し、眼差しを冷たいものへと変じて吐き捨てる]
このまま死ぬ訳にはいかない。
[背がぴったりと、支えとするかのように壁に着いている事には気付かない]
[――ざ、と窓から身を乗り出すと旧友の姿。
気配を、感じた気配を凝視する。
…供犠の娘、その敬虔とは違う。
…復讐者、その葛藤とは違う。
…嗚呼 かまをかけたは正解か。
賞金稼ぎの女は――狂乱に躍る、…を持つ…]
――何?
[窓辺へ寄る男に顔だけ向ける。
その視線の先に、求める標的がいるとも知らず]
あ、ちょっと!?
[窓枠を超える男を見て慌てて足を踏み出すも、激痛に呻き動きが一瞬止まる]
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