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年頃になれば、恋なんて自然にするものだと思っていた。
幼年期を過ぎて、少年期、
そして思春期と呼び名が変わる期間を生きてきて気付いたこと。
周りを見て、自分を省みてわかったこと。
恋は望まなければ見つけることすらできないものなのだ。
「恋でもしてみたいなあ」
七夕祭りの日、一緒に周るとばかり思っていた仲の良かった親友から
恋人とその日を過ごすと伝えられた時、
私は恋を探そうともしていなかった事に愕然とした。
面食いとか、選り好みとかではなく、考えもしなかったのだ。
男子で仲の良い相手は部活動や、他の関係で何人もいたのに、
そんな意識を向ける感覚が自分になかった。
「恋、できるのかなあ」
部活動やクラスの出し物を決めていた日、
親友から伝えられたその日、
そう思いながら、歩いていて――――私は、呆気なく死んだ。
だから、迷惑をかけちゃった。
そして結局、何もできなかった。
[しなかった。目の前の男の子、女の子の恋するその眩しさに目を細めていただけだった]
最後まで、私らしかったなあ。
[苦笑い。身体が軽い。透けて、溶けていく感覚。実際そうなのかもわからない]
でも、良かった。
最後に、いいのが見られたから。憧れを、目の当たりにできたから。
[強がりでも開き直りでもない。心からそう思って、たった一人の不器用な少女は、意識を手放した**]
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