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きゃはっはっ!! おっさん、不正解ー…
と、言いたい所らけろー…。
普通ならその答えで正解ひょね〜。
だぁーって、常盤緑に代わる言葉なんて、正確にはないんらもーん!!
きゃはははは…はぁ…ごめんね? おっさん。
正直やってらんないわよね? 酔っ払い相手なんかさ…。
[初対面の酔っ払い相手に律儀に対応する男から、すっと目を逸らし安酒を口に運ぶ]
おやじ、そのひげのおっさんに何か二、三本付けてあげて。
[皿の上に置かれたナンコツの串を大きく頬張り、
コップ酒で流し込む。]
っは…、呑まなきゃやってらんないわよ。
思い出なんてさ――
[言いかけて口を噤む]
…………ところでひげのおっさんは、何でここに居るの?
[再度口を開けば、誤魔化すような在り来たりの問いが、カウンターへと滑り落ちた**]
お、お帰り〜。出戻りって言葉、いいねぇ。あたし好きよ。
……って随分若い子をナンパした割には渋い所に連れてきたのね。
[ガラガラと忙しなく開閉するドアに、時折鋭い視お線を向けるも、
姿を確認すると、口調はまた陽気な酔っ払いの戯事へと変わる。]
レバーにお冷って…。もうちょっと渋くいこうぜ? 若者よ!
それに、あたしはまだ全然完璧ら仕上がりひゃにゃいっちゅーの!!
[新しく席に着く姿が、マフラーを少しだけ下へとずらした姿を盗み見て。
口調はどこまでも酔っ払いのまま。]
噂の真相?
[眼鏡男が口にした理由を鸚鵡返し。
疑問に思うがそれはすぐに周りのざわめきによって明らかとなる。
「思い出屋」。レトロな横丁に響く似つかわしい不可思議な名前の店。
そう、それは彼女自身も知りたくてここへ来た。]
そうねぇ、これだけ情報を欲している人が集まっているんだもん。
焼き鳥かじりながら何か手がかりが掴めたら素敵!
たとえそれが、都市伝説でもいいじゃん! 何かが掴めたらさ!
なーんだ、スーツのおっさんも気が利いたこというじゃん!
さんせー!! てなことで、オヤジ! 酒!! もっきりで!
[コップの淵ぎりぎりまで注がれた安酒に嬉々としていると、
ふと聞こえた常盤緑を探している者の話。]
――…っ、 ――。
[一瞬だけ、背広の男へと振り向くも、
苦虫を噛み潰した表情で、目の前のアルコールを一気に仰ぐ。
呑み零した一滴が喉を伝う。まるで流せない涙のように。]
一生懸命と、家を一軒を対価にして。
欲しいものってものすごく大切なものなんだろうなー。
[悟られないようにお絞りで口許を丁寧に拭いながら、
どこか夢見心地で語散る態は酔っ払いの儘。]
ねね! その噂の真相をもし突き止めたら。
ひげのおっさんは、何か望むものってあるの?
[小さく繰り広げられている争奪戦を横目に、
聞きかじった情報を掘り下げるかのように、興味深く訊ねた。
問いは、眼鏡の男とジャンパーの男にも向けられて。]
思い出屋かー…。
でもその存在が実在したとして、本当に出遭えたなら。
一体あたしは…
[半分食いちぎられた肉が刺さる串を片手に、
ぼんやりと宙を覗く。
集まった者たちの、思い思いに集めた対価はみんな眩しい位大きすぎて。]
欲張りなのかなー…。
[独り言は租借するナンコツの噛み砕く音で消えていった**]
噂?
…なるほどねー。噂を撒き散らして、向こうからの接触を試みようってことね。
確かに闇雲に探すよりも、その方が手っ取り早いかも。
[思い出のラッピング。少女が大人な話。
酔っ払いの正論にふざけながら噛み付いて暮れる宵。
背広の男の提案に、せせりを頬張りながら納得するような声を上げた。]
じゃぁ、そうと決まったらあたしも情報集めつつ、噂を広めてこようっと!
オヤジ! ご馳走様!
[言うか早いか。
カウンターにジャラジャラと小銭や札を広げる。]
あ、今後ここに集まったら。
何らかの情報って聞けるのかな?
[鞄を持ち、立ち上がりながら誰と無く訊ね]
[「綺麗な仕上がり」と称された、酔っ払いのような見本に喩えられながらも、その足取りは確かに入り口へと向かう。]
解ったわ。あたしも出来るだけこの店に顔を出してみる。
焼き鳥美味しかったし。
[しっかり舌なめずり。]
あ、今度会ったらぜひ彼女とも話したいな!
その歳でもう、"おとな"になることを選んだなんて、素敵だもの。
[ちゃっかり別な「次」を約束して、古びた引き戸をガラガラと音を立てて閉めた。]
[日暮れた時代錯誤の横丁。
古めかしい建物には、往年の名優達の看板が並ぶ。]
おミズ、かおる…えっとカレーは…だれだっけ?
思い出屋さん、思い出屋さん、
あのひとのお願いを叶えてはくれませんか?
[ふざけて歌うように細い路地を進む鞄の中で、
用意した"精一杯"がカタカタと音を立てて揺れていた**]
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