……やはり、探してこよう。
誰がどうであれ、一人でいるのは得策ではない。
[誰にともなく、そう、言い置いて。男は食堂を出る。
しかし、ほぼ休みなく動き回っていた疲労は深く動きは鈍い。
その結果、探す相手がいる場所へ──2階へとたどり着くのは、だいぶ時間が過ぎてから。**]
ん…ああ、寝てしまっていたのか。いつの間に。
[食堂のテーブルに突っ伏していた顔を上げ、目をこする]
見張っているつもりが、お恥ずかしい。
[真っ先に目をやるのは、*人形*]
…また、2体減っている。
いないのは…ドウゼン先生、と?
待って。わたしも行くわ。
[食堂を出て行くライデンの後ろ姿に声を掛ける。
断られなければ共に、でなければひとりでドウゼンを捜しに。
しかし次に女が捜し人の姿を見たのは、自身にしか見えない姿での*こと*]
[いつの間にかうとうとしていたようだ。気がつけば夜が明けて―朝の9時くらいだろうか。
昨夜はうつむきながら、周りの話を聞いていた。ザクロの話は信じられないものではあるが、だからといって否定するものでもない。特に返事もせずに暫く聞いていた。
誰かが食堂から出て行こうとしているようだ。顔を上げると、ライデン>>0に続いてザクロが出て行くのが見えた>>2]
また…減ってるんだ…
[ベックの言葉>>1を聞いて、ぽつりつぶやいた。あたりを見回すと、昨夜優しくかけられたままの薄いベール>>2:26が視界に入る]
あれ…オトハさんは…
[周りを見渡しても、ベールの持ち主が見当たらない。テーブルの上にある人形が目に入る。数は確かに5つ**]
[ライデンの後を追うように、たどり着いた二階の一室。
横たわる姿と対照的な微笑を見留め、片手で顔を覆う。]
もう、生きては居ないわ。
それと、もう…ひとり――新たに。
[それだけを呟き、小瓶を眺める。
女が洩らした言葉の意味を、同行を許した男は理解できただろうか。]
[椅子に座ったまま眠ってしまったらしい。
うっかり落ちそうになって目を覚ました。]
ん……あれ?
なんだかすごく人が減ってませんか……?
[おそるおそる食堂に残っている人へたずねてみる。]
10人の殺人犯が食事に出かけた
ネギヤが喉を詰まらせて、9人になった
9人の殺人犯がおそくまで起きていた
グリタが寝すごして、8人になった
8人の殺人犯がデヴォンを旅していた
ボタンがそこに残って、7人になった
7人の殺人犯が………
オトハさんを探しに行ってみます…
[食堂に居る人にそういい残し、食堂を出る。
階段は上がらずに。1階の廊下を歩く。
とぼとぼと歩く足がふと止まった]
僕もみんなも…死んじゃうのかな…嫌だな…
[くしゃりと顔をゆがめる。軽く目の周りを拭った]
僕は死にたくなかった…だから………したのに…
死にたくなかっただけなのに…なんで…
[嗚咽を含んだ声が漏れた**]
そうね。ひとりでは大変でしょう? 手伝うわ。
[ドウゼンを休ませる為に、ヒールを脱ぎ手を貸す。
安置した身に祈りの言葉を捧げては、]
――では、あなたも何か…過ちがあって?
[答えを求めないままライデンに問いかけを重ねた。
見える世界、聞こえる声は穏やかそのもので、その事実だけが女の心を少しだけ軽くする。
せめて、死した後は苦しまないで。
願いを込めて。]
もし、死が…安らぎを与えるのなら。
生を貫き苦しむのがきっと、わたしへの罰ね。
[呟き、階段を下りた。
耳を掠める声に、少しだけ困惑したような、顔で*]