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[そしてどのくらい時間がたったか。
何やら外が騒がしいように感じて、
またゆらりと起き上がり、外へと。
目を細めて、檻の方を見た。何人か集まっている。]
…なんだ?
[面倒くさい…。
一瞬そう思ったが、そのまま檻の方へと。]
…女が、死んだのか。
[人越し、柵越しに、生贄の溺死体をみた。]
ふん…。
[檻の前の男たちを睨めつけるように見回した。]
魔物って、なんだよ?
殺す、者…?
[薪の男の言葉を、繰り返した。
誰を…?彼女を…?浮かんだ疑問が口にする前に消えたのは、 赤毛の男の叫びのせいか、僧侶の笑いか、気狂い男の蛮行か。 あるいはすべてだったかもしれない…。ため息をついて、]
なぁ、あんた…。
…っ!?
[再び何かを口にしようとしたが、今度は海から現れた男に度肝を抜かれて、腰を落とした。
気狂い男が弾き飛ばされたのも視界に入っただろう。
口をぽかんと開けて、二人の経緯をただ見守った**]
なっ…!?
[遠くから何か重い物引きずるような音が徐々に近づき、桟橋手前から聴こえてきた託宣めいた声に
一瞬驚きの声をあげた、が。]
…っなこた、知ってるさ。
やらなきゃ、やられるんだろ!
[桟橋手前に立つ、ヒビの入った眼鏡の奥を見返し、
叫ぶ。]
俺だって、知ってるさ…。
[ただ手をこまねいているだけでは、何も変わらないことも。今のままでは決してつかめない…。]
…知っているさ。
[思わず両手で握りこぶしを作った。
なのに何故…。
そんな自問は飽きるほどに繰り返してきた。今更だ**]
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