情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
『ちいさなこえが 胸をさし
きらめくつめは 傷きざむ
かくれたなみが うちよせて
いつあえるのか 涙ぐむ』
[子守唄のように響き渡るのは、ソプラノのせつなげな声]
しろい光が おいかける
あまえた音に そらがつき
闇よやめよと 華をこう
『ねぇ、もっと人々を陥れてよ』
[歌声以外を、初めて聞いた]
ふたつめのたましい貰っちゃった…
でもさくらの渇きはいえないの。
わたしの乾きも癒えないの。
ねぇ?次は誰の恐怖を食べるの?あなた…
もっと聞きたいなぁ…恐怖の声を
[ちりりん ちりりん
鈴の音鳴らし
語りかけるは*かの人へ*――]
[鈴の音は、軽やかに響き渡っている]
『次?誰がいい?おねえさんが選んでいいよ』
[うふふ、と笑う声が続く]
『永遠に続くような、じわじわと染み入る恐怖を』
[大仰な物言いをしているのは、年老いた老人]
『次?誰がいい?おねえさんが選んでいいよ』
『永遠に続くような、じわじわと染み入る恐怖を』
[代わる代わるに声が聞こえる。その声にわたしはくすくすと笑みを浮かべ]
誰が良いと思う?あのロッカって言う子?それともフユキさん?
あ、でもヨシアキくんはまだ駄目…。あの子は出来ればわたしの力で殺めたいの…。
[ちりりん ちりりん
弾む声は鈴の音と相俟って。かの人に届くだろうか?]
『冬樹さんは、あたし好き』
[幼子が照れたように言う。それを聞いた老人は、はは、と笑った]
『白い肌に、赤い文字。素敵』
[少女を思い浮かべ、唄うように女が言った]
『冬樹さんは、あたし好き』
『白い肌に、赤い文字。素敵』
[重なって聞こえる愉しそうな声。その言葉にわたしもくすくすと笑んで同意する。]
フユキさん…綺麗だよね。
きっと赤い文字がとっても似合いそう。
ね、今日はフユキさんにしようか?
「そっちじゃなくて――」
[訂正が入る。続いて告げられた言葉に、わたしは思わず苦笑を漏らす。]
女の人が好みなの?
あ、でも女の人の方が、悲鳴は綺麗よね。
うん、じゃぁ今日は…その子にしちゃおうか?
[ちりりん――
鈴の音が鳴る。それはとても愉しそうに鳴る。わたしの心を反映するように]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了