[どこまでが夢で、どこからが現実なのかわからぬまま、あくびをする]
うわ、化粧落としてない。
[やけに乾燥している肌に気付いて声を上げた]
……どうしたんですか?
[アンと自分の間にゼンジの姿を認め、一瞬びくつくも平静を装って尋ねた]
……え。
[声が聞こえた気がして後ろを向く。
あるのは煉瓦の壁のみ]
アンちゃん?
[少女の名を呼ぶけれど、返事などあるわけがない。
泣き出しそうな顔になる。
椅子の上、抱えた膝に顔を埋めて耳元を両手で塞いだ]
儀式とか、胡散臭いですよ。
[くぐもった声は誰に向けたものなのか。
指先が、ピアスに*触れた*]
[突然バクにしがみつかれ、悲鳴に近い声を上げた]
……あ、ごめん。
[人々の声は聞こえない。
ただ、さざ波のような音ばかりが頭骨の中で響く]
[ヂグに顔を見せぬよう俯いたまま会釈をし、井戸へ向かう]
何で。何で。
なん……
[井戸端にへたりこみ、両腕を抱え込んだ。
また、気配]
[振り向いても無人。
呼吸が荒くなってゆく]
>>67
何か、燃やしました?
[ベージュがかったネイルの指先で、立ち昇る煙を示した]
……誰かが居る気がするんです。
なのに、誰もいない。
[ふと、また後ろを振り返る]
>>71
やめて下さい。
[オバケとの言に、強い語気で返す。
睨むような目を向けた後、バツが悪そうに視線をそらした。
足音に気付いてまた別の方向へ顔を向けると、バクの姿]
何かあった?
食事でも作ってるのかな。
[言って、家に戻ろうと歩き出す]
カレー、食べますか?
[それしかないことを小さく笑い、しかしすぐに真顔になる。
足取りは軽いものとは言えないが、しっかりと地を踏みしめていた]
全然食欲ないけどね。
[自嘲めいた表情はすぐに消え、家に入ると広間へ向かう]
何を燃やしてたんですか?
[ヂグの姿を見つけると、遠慮もなく尋ねた]
>>85
ああ、お湯を沸かす火種ですか。
[置かれた湯のみを見て、話を繋げる。
続いた言葉に目を丸くして]
時計屋さんは、落ち着きすぎじゃないですか。
女の子が一人、血まみれになってたんですよ?
[笑みが移るどころか、顔が歪む]
>>90
ただの殺人じゃないって、何言って……。
[つ、と涙が頬を伝う。
自分の涙のはずなのに、驚いて指先で拭った]
あたしそんな子どもじゃありません。
[ジェネレーションギャップとの言に言い返すが、泣きながらでは説得力も何もない]
>>94
ありがとうございます。
二度目なんですか……。こんな、こと。
[涙と汗で湿った右手を伸ばしてタオルを受け取る。
それに顔を埋めて、首を左右に振った]
聞こえるんです。
あの子の低い声が聞こえるんです。
>>97
『ヒトを捧げよ』と言ったときみたいな、アンちゃんの声……。
胡散臭いですね。やだな。
やだなぁ……。
[涙を堪えて顔を上げる]
三度も、巻き込まれてるんですか。
[渇いた笑いが零れる。
こめかみを伝った嫌な汗を拭う気力はわかなかった]
>>101
『捧げよ、御霊を』
[言ってから、くすくすと笑う]
今日ですよ。
起きてからずっと。耳鳴りみたい。
[顔をしかめ、天井を仰ぐ。
お茶の言葉には小さく首を振り]
少し、一人にさせて下さい。
[渡されたタオルを手に、手近な一室へと向かう。
身体をベッドに投げ出して目を閉じても、*音は続く*]