情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[伏した小鳥遊を仰向けに寝かせ、須藤の上着でその身を覆う。 髪を梳いて整えれば、かんばせはまるで眠っているようでもあり。
スカートの裾を押さえながら立ち上がり、軽く埃を払った。
扉を背にする寺崎の前を通り過ぎ、テープレコーダーに手を伸ばす]
――手を汚すまでもありません。
[寺崎に憑いた"何か"に向けてか、視線は動かさぬままに感情のこもらぬ声を漏らし。
カチリ、と、微かな音を立ててテープを取り出し、自らのポケットの中に滑りこませた]
[座席に腰を掛け、スケッチブックと鞄を膝に乗せたまま、携帯電話を取り出した。
開いてみれば、届かなかった発信履歴や送信に失敗したメールたちがずらりと並んでいる。
汽車内に連れて来られてからというもの、外部への連絡は取れずじまいで。
窓の外に目をやると光明は徐々に広がり、人工的な明かりに支配されていた列車内にも、幾本もの光の筋が差し込んできていた]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了