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[告げられる、長老の言葉。
男は見えぬ手を自分の掌に落とした。
開いたその上に、今乗るのは空気だけ]
…敵……――
――、味方、
[ふたり。
そして、ふたり。
開いた手の指を、にほん、曲げる]
…――狼を、連れて来て、
危害を加えそうにない者…とか
[ぽつり、俯いたまま零したのは
つたないなりの方法の導入だが]
…――いや、何でも無い
[言いかけた言葉を ごつりとした首の中を通し
臓腑へと落としこみ、蛇遣いへと顔を向ける]
…――、
[それから其処に並ぶ面々へと見えぬ視線の顔を向け流す。
緊迫した空気は風というほどの流れは持たず
ただ、ピリピリと 男の肌を傷めつける]
…知られず盾…か…
死した後判る者にだけ、知れる…――
[言葉は、ぽつりぽつりと低く。
断片的に零し俯くと、4と9の並ぶ数字が揺れた*]
……――夜、が続く今。
ひとり、で、ひとりと、隔絶された場で会うのは…
[ぽつり ぽつりと零す低い声は
名こそ出さぬがレイヨへと向けてのものであると、
見えぬ視線向ける方向で示す]
あんたが狼遣いなら…「罠」だし
…そうでないなら…――「贄」と近しい…
[そして、彼の彼であるが故に、そう言われるであろう事も想像せぬ訳でもないだろうと、言外に想いを添える。
其れは、レイヨを測る材料ともなろうと]
…――、
[言葉選ぶが得手では無いとばかりに口を紡ぎ。
テントから出るひとの気配を感じるままに、火へと顔を向けた]
[炎を見詰めたまま、トゥーリッキの言葉を聞き。
男の顔に珍しく浮かんだのは、苦笑に似た形の表情(かお)。
拗ねめく響きに、顔を向ける事はせぬままに]
…――そう、だな…
そう言う真似を思い付かぬから、
俺は、――
[続くべき言葉を飲み込むのは男の癖。
炎へと顔を向けたまま、気配がテントから消えるを感じつつ]
[幾人かの気配が、またテントから消えるを感じる。
男は右手を膝の上 左手を脇の杖の上
ふと、長老の声に顔を上げた]
…俺、は――
――出て行くべきなら、そうするが、
今は…――
[まだ此処に居る、と。
腰を上げようとしない男に不思議そうな視線を向けるドロテアへと顔を向け
頷く事もせず、また炎へと顔を戻した]
[それから顔を贄となる少女へと向け
ゆっくりと長老の方へとずらした。
見えぬ視界の中、顔を向けるのは昔の名残であり
何かを感じ取ろうとする其れやもしれず]
…カウコは、賢いな
[ぽつり 呟いて左脇に置いた杖を握る。
ゆっくりと立ち上がる影が、炎の近く
大きくテントへと黒くうつった]
…長老殿――俺は、あんたを裏切らない。
其れだけは「絶対」に、だ…
[低い声で、皺深き老人へと向け言葉を渡す。
其れは誓いの言葉であり、ひとつの縛]
――孫より群れを取ったあんたが、本当はどれ程…
…多分、俺は、知ってる…――――
[それからドロテアの方へと手を伸ばす。
彼女が男の視界を気にして手を差し出すとそれを取って引き、顔を埋めるようにして、彼女の手首の内側をちろと舐めた]
[彼女の表情を見る事は出来ない。
男は飾り気無き杖を手に、
テントを出ようと足を踏み出して]
…――また、此処に戻る…
[低く告げ入り口を捲くれば冷たい風が吹き込んだ。
ヘイノと対照的に、この地に置いて薄着な方、開いた首元にびっしりと鳥肌を立て、宙で凍る程の息を吐いた]
[男が歩いた後は、杖を左右に振りえぐれた雪の跡に足跡が重なる為、まるで模様のようだ。
視界無き男は冷たい空気を進み、向かったのは車椅子の男の小屋。
さくり、さくりと小さな音を雪に染み込ませ]
…――
[小屋の前、どう声をかけるか暫し迷う態で立ち尽くす]
…こんにちは、も、こんばんは、も
変かと思って…――
[かけられた声に、言い訳めいた声音を返し
杖でコトリ、小屋の入り口に触れてから手を伸ばすと
そっと入り口から足を踏み入れた。
薄着の肩には、煌く雪がへばり着く]
――ひとり、だろうか?
[気配は感じないけれど、確認の言葉]
…すれ違っては、いない。
[レイヨの言葉に頷くと、杖を左右に動かして床を確認しつつ歩みを進める。
茶の匂いと相手の匂いにひくと鼻を蠢かせて
そっと手を伸ばし冷たい壁に触れる]
ひとつ…――聞きたい事があって、来た――
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