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はい、新しい学校なので…。
初日から休みたくなかったんですけど。
[エビコの質問に短く答えていく。引越しでこの近くの村に来たことや、幼いころ、この村に両親の気まぐれで来た事があること。]
その写真を見て、もう一度来てみたいなと思って。
[出来上がった雑炊を起きていた人たちと分け合って食べた。満腹から来る眠気に勝てず、就寝の挨拶をすると、ナオ達の寝る部屋に入ると隅の方に小さく丸まった]
[ごうと突如なった風の音に目が覚める。ここは、と虚ろに考えて、山村に閉ざされているのだと思い出す]
まだ、降ってるの?
[目を擦って、起き上がると窓の外を見る。強い風に舞い上げられる白いもの。妙な違和感を感じて、窓辺によって唖然とした]
雪…じゃなくて。
[バタンと窓を開く。吹き荒ぶ風とともに舞い込んできたのは、冬の冷気と]
はなびら…?
[体に張り付いたそれを手にとって、目の前の風景に慌てた様子で窓を閉じる。誰か気がついているのだろうか。]
エビコさん…起きて!
桜が…!
[同じ部屋に眠るエビコに気がつくと、揺り起こす。彼女が目覚めなければ、居間に駆け込む*だろう*]
[大声を出してしまいナオを起こしてしまう]
あ、ごめんなさ…。
[反射的に謝るが、そんな言葉は届かないまま、窓に駆け寄った彼女はただ立ち尽くす。手元ではエビコがわずかに身じろいで、ゆっくりと起き上がり...の視線を追って、窓の向こうの風景を目撃した]
なんで桜が?
[彼女達が答えを持っているとは思っていなかった。しかし、その異常な、美しい風景にそこはかとない恐怖を感じた。おとといの晩読んだ本のせいかもしれない。あるいは昨日耳にした伝承か。]
[...の疑問を掻き消すように、ナオが踵を返して部屋を出て行く。部屋に残されて、行き場を失っていた手で、エビコの服をぎゅっと握った。]
なんで。
[同じ疑問を繰り返して、手を握り締めることで恐怖に堪えようとした]
[コートと帽子を身につけると、エビコの後を大人しくついて行く。居間にいつもの面々がいるのを確認すると、詰めていた息を吐き出して会釈をする。フユキはちょうど出て行くところのようだった]
おはようございます。
冬樹さん、どこへ?そのままでは寒……
[答えは得られぬまま、ぱたりと扉は閉ざされた]
[しばらく扉を見つめていたが、乃木の声に我に返る。]
おはようございます。
無事だったみたいですね、よかった。
[随分と暢気な言葉だと思いながらも、他に言葉が浮かばず。]
あ、エビコさん。
[挨拶をしたところで、エビコが戻ってくる。乃木の言葉は最後まで聞き取らぬまま、手を引かれて外に出る。]
はい。
[信じられないという言葉に頷く。雪が反射する光の中でふたりの男が影を作っていた]
[乃木のエビコへの問い掛けに首を傾げる。振り返ると少し離れたところで、薬屋と冬樹が話している姿が見えた。そして、薬屋に抱えられた人影]
アンさん…?
[ぽつりと漏らし、その場で立ち止まった]
エビコさん…?
[困ったような、縋るような目で見上げて]
アンさんは?ねえ。
[もう薬屋の声はなんとなく届く場所にある。もう一度振り返ればアンの姿も確認することが出来るだろう。脇をヌイが通り過ぎる。きゅっと唇をかむと顔を伏せた]
[部屋を片付けにいくと言って、繋いだ手がするりと抜ける。立ち尽くしたまま乃木とエビコが奥へといくのを見送った。アンの亡骸が薬屋と共に脇を通った]
ひとつめのたましい。
[夢で聞いた言葉をぽつりと吐き出す。それが、アンの体に刻まれているとは*知らずに*]
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