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[夕暮れ時の森の中、学校帰りの少女が一人。
あたりにカラスの鳴く声がいくつも聞こえる]
カラスさん、なぜ黒いの……不気味。
絵の具で、真っ白。
[カラスが一斉に飛び立つ羽音]
いなくなった。
[飛び去る黒い影を残念そうに見つめた後
再び歩き始める。
やがて一軒の日本家屋へと*入っていく*]
[森の中を走って逃げる。
木の根に足を取られて転ぶ。
帽子とサングラスが飛んだ]
逃げきらないと捕まるな──誰に?
[寝っころがったま、空を見上げる。
長い黒髪が広がっている]
[友達と別れて森の中を歩いています]
近道近道、どこだったかな?
[木の枝を拾って藪をかき分けてみましたが、道は見つからず、
カラスの鳴き声に不安を募らせます]
センセー! センセー!
…まったく、何処に行ったんでしょうね? 先生は。
目を離すとすぐに行方を眩ましてしまう。
[夕暮れ時。ため息を吐くスーツの男の影が一つ]
[長身の男が森の中を歩いている。橙の光が眼鏡のレンズを、薄い色のシャツを、照らしていて。本、ノート、薄い布製の筆入れを紐で縛った束を、片手に持ち]
……
……、迷った。
[かさ、と革靴の底が葉を踏みしめる。辺りを見回して、静かな調子で呟き]
[がさがさ。歩む足は森の中]
ふぅ。先生は暇さえあるとすぐ野生に帰りたがって困りますね。
スケジュールを管理する、私の身にも成っていただきたい…。
[枯れ草を踏みしめる音に、愚痴が重なる]
[やがて疲れた顔で空を見上げる。
と、轟音と共に雷の音]
ひゃー! センセー!
自分は雷に打たれたくないので、
一足先に逃げるのであります!
センセーもどうかご無事で!
雷が止んだら、蚤取りに
精を出させていただきますんで!
[一目散に見えた日本家屋へ。
たどり着けたかどうかは*謎*]
[男は、笑う。小さな、穏やかでありながらどこか歪んだ笑みを、口元に浮かべる。
葉ずれにも似た、ざわめくような「声」]
脂身が多いが、甘い。羊羹のせいかな?
柔らかかったし……
なかなか美味しかったね。
ただの餅肌ではあったようだけれど。
そんな事はどうでもいい事だ。
気付くかな。人は。気付くだろうかな。
――夕焼けが、綺麗だね。
オレオレ詐欺?
怪しいお兄さんとはお話しちゃいけませんって、
お母さんに言われてるの。
[レンを訝しげに見て、来た道を引き返そうとしました]
[髪の長い少女の姿から、いつもの帽子とサングラスの姿に戻る]
別に怪しいもんじゃないよオレ。
ホラ、アレアレ。
この姿は世を忍ぶ仮の姿で、駿河の羊羹問屋の若旦那だから。オレ。
[懐から羊羹を取り出して手渡そうとする]
そうそう。ボーリングの賞品。
どっち勝ったんだっけねー?
まぁよくわかんないから先に会ったフユキさんに特選を贈呈。
[にこりと笑うとルリの頭をなでる]
[葉を踏みしめる音に振り向くと、見覚えのある顔を見て挨拶を返します]
こんばんは、フユキさん、でいいのかな。
・・・迎えは来なかったの?
ん、ああ。頂くよ。
羊羹を――
羊羹は、美味しいからね。
[途中、言いかけて止めるように。言い直してレンから羊羹を受け取り、有難う、と]
[帽子を深くかぶりなおし、サングラスの位置を直し、マフラーをぐるぐると巻く]
フユキさん方向音痴なの?
意外だ。
なんか空模様怪しいし、家に行かない?
[迷いの無い足取りで日本家屋に向かい始める]
[レンの親しげな態度に疑問を覚えながら、
羊羹をかじります]
おいしい。でもどうして私の家を知ってるの?
[レンへの不信感は拭えないものの、
迷子二人で徘徊するよりはマシだと思い、ついていきます*]
[意外、と言うレンには]
そうかい?
学生の頃には近くの裏山で遭難しかけた事があるんだよ。
[などと言いつつ]
お邪魔してもいいかな?
[後についていくだろうか]
裏山で遭難。
すごいね。それはそれは……。
[羊羹を美味しいというルリに]
うんうん。国産小豆を使ってるから、美味しいよ! 砂糖も……
[楽しそうに薀蓄を述べているうちに日本家屋に着く]
ただいまー。
山は怖いところだと再確認したものだ。
君も気をつけるといい。
[役に立つのか立たないのかわからない忠告をしつつ、やがて広間に辿り着けば、ソラの姿に一礼をして]
[蝋燭をじいっと見る]
ネギヤさんと、あと、ザクロさん?
──あれ?
[ぽつりと遠くを見て呟く。
そして【ベック】と書かれた蝋燭を手に取り【レン】と書き直す。
手元を見ない無意識の動作]
ネギヤさん……?
……どこにいったんだろうか。
あまり動かない印象だったけれど。
[無い姿に広間を一望し、廊下の方を振り返り。ソラに向け、今晩は、と]
地球を七回半。
その速度を越えたとき、人が見るのは未来か過去か?
[芝居がかった声音で言って、ちゃぶ台に向き直る。
急須から湯飲みにお茶を注いでいった]
[レンの声に戸棚の方を見、続けて黒板の方を見て]
地球を七回半。
光の……
[書かれた文字を読み上げながら、歩み寄っていく。白墨を手に取り、少しく思案]
セブンセンシズに目覚めるんだよ。
[なれた仕草で懐から羊羹を取り出すと、
8つに切り分けて並べた]
お茶ありがとう。
……山を旅するときは、助さんと格さんに気をつけるように言っておくよ。
[今更フユキに回答しつつ*お茶を頂く*]
ネ ヤ
ても
見つから
[小さめの、下手ではないがやや右斜めに傾いた文字で、黒板の左下辺りに何行かの文を連ねる。しかし一部を覗いては読もうとするとぼやけて読めないだろう]
どうかしました?
[フユキの書いた文字を読もうと目を眇め、右手で目元を擦った]
羊羹、いただきます。
[薄くない羊羹に手を伸ばし、口に放り込む]
ネギヤは「消えて」しまったから。
チェシャ猫に聞いても
見つからないよ、 アリス。
……なんて、ね。
見つからない。いや、会えない、かな?
別にどちらでも良いけれど。
[戯れに黒板に書き込んだ文章を遠目に見、男はやはり戯れに、*呟く*]
[羊羹の残りをかじりつつ戸棚の蝋燭を少し眺めて、
ソラの座っていた位置と玄関先に目をやりました]
誰か、いたんだっけ?
[ソラの返事ににっこりと笑い]
お母さん、私より先に帰ってたんだ。
でもまた出かけたのね。
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