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[しかし 差し出した手は宙に浮き]
あ…あぁ そうか。
まだ許しては貰えてない・・・よね。
事故った車を運転していたのは僕なのに…
君のおねいさんだけが死んで僕が助かって。
[所在無げな手を握り締める。]
うん…でも 君がここに来てくれて、僕は本当に嬉しいよ
誘ってよかった。
[ニッコリ笑うと管理人のほうへ振り返り 受付けに記帳すると部屋の鍵を*受け取る。*]
…思ったより冷えるわね。
[下がってきたマフラーを持ち上げ、口元を隠すように覆う。肩からさげた荷物を持ち直すと滑らぬように慎重に歩を進める。しばらく行くと、ようやくそれらしい建物が見えてきた]
すみません、予約していた清水と申しますが。
[扉を開けると、中の暖かな空気にほっと息をつく。]
へぇ、ようやく人が集まったっていうのは本当みたいね。
あれ。…栗田さん?
[そこに見知った顔を見つけたが、彼は何かを少年に押し付けている真っ最中。知り合いかしら?と首をかしげつつも、とりあえず挨拶は後回しに、管理人に言われるまま受付で*記帳*]
獏くん、ですか。いい名前です。
[壁に寄りかかる少年に笑顔で挨拶をした直後、ぞくりと何だか嫌な予感]
少し中を拝見させてもらいますね。
[ネギヤに言うと管理棟の奥へと逃れる。数秒もしないうち、扉が開く派手な音が聞こえた。聞き覚えのある声に慌てて身を潜め、柱の影からこっそり覗く]
まさか
げ、本当にリタさんですか。こんな所にまで……
[思った通りの顔が見えて頭を抱えると、その後の会話に聞き耳を*立てている*]
[ふらふらと歩いていれば、管理棟に人が集まっている様子に気づき、そっちをのぞいてみることにした]
こんにちはー
[ドアを開けて中に入れば、ニキの抱いているウサギに目が向いて、思わず目を細める]
うさちゃんだ、うさちゃん。
[はっと周りにいる人たちに気がついて、頭をぺこりと下げて挨拶をした]
あ。はじめまして。備前貴子と申しますぅ。友人たちには「ビセ」って呼ばれてるんで、そう呼んで下さってもかまいませんわ。
よろしくおねがいします。
このまま逃げる……ってわけにもいきませんね。
[ぐりたん対策に厨房にあった布巾を頬に被り、サングラスをかけて怪しい人完成]
あの人、人間離れした所あるからなあ。
どうか、ばれませんように。
[高鳴る鼓動を鎮めると、鉄瓶に水を入れて、背中を丸め囲炉裏の傍へ]
[眼鏡をかけた女性の挨拶にペコリと挨拶を返した]
この兎はチョロって言うの
私は友達からニキって呼ばれてるからニキって呼んでね
[荷物を整理し終えた後、家屋を後にして外へ出た。点々と家屋が並ぶ、静かな空間。黒い傘に白い雪の粒が落ちては、滑り落ち、一部は溶けて]
気を付けなければ。このような場所とはいえ……
彼らは。変わらずその目を此方に向けている。
[さく、と。小さな音をさせて一たび立ち止まる。僅かに震え、くしゃみをし]
……
寒いですね。全く。
ふぉふぉふぉ。ビセちゃんと申すか。
ゆっくりして行かれるとよい、ぞ。
うむ。寒い日にはお茶が一番ぢゃ。湯のみは……はて。どこにあるんじゃろかの?
[皺枯れた声を出すと、囲炉裏の傍でお湯が沸くまでのんびり]
あ!そういえば私夕食のお手伝いするんだった!
伯父さ〜ん 私何をすればいいのー?
[そう叫ぶと兎を抱えながら奥へと消えていった**]
すみま……ごほ。すまんのお。
探しに行くのはよいが、くれぐれも気をつけるのぢゃよ。ふぉっふぉっ。
[ビセに告げると、兎を抱えた少女を見送る]
「炊事場に着くとネギヤ伯父さんがお肉を切っていた。]
わ!これが前言ってた熊肉なの?すごーい!
熊鍋に私も混ざっていいよね?
じゃあこの野菜は私が切っちゃうね!
トントン♪トントントン♪
はいはい、気をつけますわぁ……きゃぁ。
[といいながら、うっかりドアにぶつかってしまった。
鼻を軽く押さえつつ]
おじいさん、ありがとうございますぅ。
[奥に消えていくニキを見送って、湯のみを探して*うろうろ*]
でもめげない!
えいえいおー!
[トントン......トントン...ザクッ.....]
............。
.................痛い.....。
[心配しながらも笑う伯父を後にして私は手伝いを断念した。]
長閑じゃのう。
[炊事場から響く規則正しい音に聞き入る。しゅんしゅんとお湯が沸く音に、人々の話し声。追い迫る締め切りのことを忘れそうなひと時だが、グリタと一つ屋根の下にいる以上は叶わぬ事]
……どっこいしょー。
[わざとらしい掛け声と共に立ち上がると、管理棟の外へ。寒さに白い息を吐き出して、眸を焼く白銀に目を細めて、天を仰ぎ見る]
ですが、この地は……
他の場所と比べて、「救済」が近い。
それがわかったからこそ、こうして来たんです。
寒さに凍えないうちに……
早く目的を達成したいものですが。
[くるりと小さく傘を回す。空いている右手でズボンのポケットから30cm定規を取り出し、じっと見つめて]
あれは?
[舞い積もる白の中、遠くで回る黒が目に入る]
……人みたいですね。
何してるんでしょう?
[興味を惹かれ、ゆっくりと近づいていく]
[家屋の一つの傍でしゃがみ込み、薄く雪の積もった地面に定規を当てる。30cm測った端からまた30cm、と、少しずつ距離を測り始め]
……、
[傘を手放す事はせず。近付く人物には、未だ気付かないでいた]
[少し離れた場所からしばらく様子を眺めていたが、やがてすぐ傍まで近づいて]
こりゃあ、何しとるか!
ふぉふぉふぉ。驚かせたかの?
[一喝した後、皺枯れた声]
! ……
[背後からした声にはっと其方を振り向きながら立ち上がった。しわがれた声。いまいち正確な年齢がわからない格好の人物を見据え]
……見ましたか?
見てしまったんですね……?
……残念です。
[す、と目を細め、静かな声色で、だが脅しをかけるように言う。開いたままの傘をその人物に差し向けかけて、すぐに戻し]
……、なんて。
冗談です。僕は彼らとは違いますから、まさかそんな乱暴なんてしません。
今日は。僕は雨園孝治と申します。
[などと言って、丁寧に一礼を]
……へぇ、そりゃ大変じゃん。いつか、治るといいな。
[(>>31)ニキと兎に目を見張り、フユキ(>>30)ににやりとすれば
派手に開く扉と、聞き覚えのある騒音(>>21)。
愕然と身を起こして、思わず大きな声で]
ちょっ! な、なんでアンタがここっ……!
[気がつかれると面倒なことになる。
そう思って慌てて口を押さえてフードをかぶるも後の祭り。
押し付けられたチョコを、忌々しそうに弄びながら]
……クッソオヤジ。こんな所で熱っくるしい顔見るとは思わなかった。っつか、なんでこんなとこに持ってきてんだよ。
……あー、やっぱ言わねーでいいし。どーせ録な理由じゃねぇ。
─駐車場─
ばん!
[あまり手入れをされていない軽自動車の扉を勢いよく閉めた]
うー寒い寒い。老体には寒の戻りは厳しいぜ。
まったくあのネギが薬なんぞを忘れるからこんなことになるんだ。
[駐車場から細く伸びる山道を見上げて、おおげさにため息をつく]
まったく、こんな道を歩かせるタァ敬老精神のない若者だぜ。
[サンダル履きに白衣のまま、しかし寒さに縮こまることもなく堂々とした足取りで、管理棟に向かって歩いていく]
[帰ってきたのは、意外と落ち着いた反応。こちらを見据える青年の前に立つと、緩い風が冷気を運んでくる]
……ひいっ?
わっ、わしは何も見とらん。見とらんのじゃあ。
[差し向けられた傘にいやいやをするように首を左右に振り、ぺたりと尻餅をつく]
ほあ?冗談かの。年寄りを驚かせるものじゃないわ。心の臓が止まるかと思ったわい。
[立ち上がると、体についた雪を払う。彼に近づく前にかけ直したサングラスを少しずらして顔を覗き込み]
わしは月……いや、星野と申す。
して、彼らとは一体何ですか……いや、何じゃな?
すみません。
此方も驚きましたから、おあいこ、という事で一つ。
[尻餅をついた様子には、そんな事を。表情はほとんど変わらないが、冗談らしく]
星野さん……ですか?
[別の名前を言いかけたのにはやや首を傾げるも、追求はせず。彼らについて聞かれると]
彼らは、彼らです。
あの空の向こうに……はるか宇宙に存在し。
僕達人類を、動物を、植物を……
観察し、それと知られずに攻撃してきている。
隙さえあれば蹂躙してやろうと目論んでいるんです。
それと知られずに。そう、僕がそれに気が付いたのも、単に運がよかったからなのかもしれません。
知った者の使命として、僕は事実を喧伝し……そして「救済」を求めていかなければならないんです。
これはそれの一環です。
[饒舌に語っては今し方測っていた地面を定規の先で示す。瞳は至極真剣に]
[口を尖らせ、文句を1つ。
父親との関係を聞かれれば、皮肉気に片眉上げて]
あぁ、こっちのオッサン? 家じゃ死んだ事になってる幽霊サン。足がある幽霊って珍しいでしょ。サインでも貰うことをお勧めするね。
[口元に乗せたわずかな笑みも、続く言葉にみるみる歪む]
………別に。俺、義姉さんじゃないしね。
ガッコ行くのやめただけだし、元気なんじゃねぇの?
[義父の連れ子だった人の死は、奇妙に現実感がなく。
握手を求められても、気恥ずかしさと両手に抱えている
押し付けられたチョコの行方を考え、一瞬戸惑って]
はっはっは。
このテレやさんめ。まぁ元気そうで何よりだ。
[きょろきょろと辺りを見回し。]
ここにいるだろうと思ったんだがなぁ。
何処に逃げたんだか、風雪センセは。
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