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アタシも、帰らなきゃ。
合唱コンクール、ソロパート貰えるかもしれないし。
頑張って練習して、胸張って歌えるようにならないと。
[思えば、ずっと歌は好きで、頑張ってきた。
それはきっと、あの子が好きだってずっと言ってくれていたから。
記憶を封じ込めても、それだけはきっと、忘れることがなかったんだ。
そう思った矢先、聞き覚えのある鐘の音が鳴り響いて。
あ、帰るんだ、と過った脳裏、聞こえた声は間違いなく]
『イマリちゃん』
[驚きに目を瞠る。
姿は見えない、ずっと見えないけれど、ずっと聴こえていた歌声の]
『ボクね、
イマリちゃんが、だいすきだよ』
───、う、ん
[涙が零れる、止められなくて何筋も伝う、そのままに頷き、そして]
────アタシも、好きだよ。
ずっと、すきだよ。
いつか、ほかに好きな人ができても、一番最初にすきになったのは、キミだから。
キミに恥じない、負けないアタシになれるように、ずっと、がんばっていくから。
ひどいこといって、傷つけてごめん。
またいつか、会えるときまで。
──ばいばい、海くん。
[そう言って、微笑んだ先。あの、優しい笑顔が見えた気がして、手を伸ばす。
その指先に触れる直前、世界はかしゃん、音を立てて壁が崩れ。
目の前に広がる藍は、川の苔生す匂いを伴うそれに戻っていた**]
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