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―地球暦4885年―
[人口が大幅に減った未来―――そこでは人と人同士が争う事に意味はなく、また争うだけの余力がなかった]
おばあちゃん、出来た・・・ついに出来たよ。
やっと手に入れたんだ『野菜農園(ヒューバート・ワールド)』から、あの煎餅黒豆を。
[一人の少女が人気のない朽ち果てた倉庫の中で、静かに目を閉じ椅子に腰掛ける老婆に話しかける]
これで・・・これでやっと、アイツが砕けるよ。 私達が思い出した数千年前の記憶、私達を死に追いやった元凶――――「シリアス」
今度こそ・・・絶対に砕いてみせるっ!
おばあちゃん、ここは私に任せてっ!(ばりばりばりばりばりばりばりばりばり)
[その小柄な体に見合わぬ無骨に光るモノは銃器―――銃弾は煎餅で出来ていた]
>>34
『……、会いたかったよ。
―――義父さん』
[私はこの男に…故郷を、娘を、すべてを奪われたのだ。]
黒豆から手を離せ!
おまえは……おまえは、この期に及んで黒豆まで奪うというのか!
その黒豆は私たちが我が子のように大切に育てた大切な黒豆だ!
[怒りに任せてハーヴェイに飛び掛った。
畑の中で2人の男がもみ合う。
その時、ハーヴェイのポケットから何かが落ちる]
これは……S武球場のチケット?
>>-221
>>-185
――そこは歴史ある学園の中。由緒正しい生徒が通い、年月が刻まれた校舎や教会が立ち並ぶ校内。
男子生徒は規則正しく爽やかに。女子生徒は清楚で淑やか花々と。
…だが、例え歴史のある学園だろうとそれらは全て人間の手に依る物。
校庭の隅に…其れは在った。
一目見れば意識の底に植え付けられる程の巨大さを誇る、圧倒的な…樹木。
それらの威風堂々たる自然の姿には人工物など吹けば飛ぶような物。
そして樹木にはある伝説があった…。
曰く、樹木の下では 合 体 が出来る、と。
…ある時、校内に不法侵入した男を、警告と撃破の意味を持って、
レミントンM31ショットガンで武装したシスターが追いかけていた。
男はひたすらに逃げるが、校内の勝手知ったるシスター。
徐々に追い詰めてゆき、気づけば伝説の木の下。
疲れ果てた男は、木の根に躓き、丁度居た蛙をつぶしてしまう。
そして伝説が発動し―――Tシャツに蛙が合体してしまうのだった。
物語はここから始まらない………。
キャロルさん喰ったのがおれなら、
たぶんデボラ婆さん占い師から、
情報提供されそうなキャロルさん面倒。とか
そういう理由で喰ってる気ィしますね。
あとは、普通に占いで確白もらったとか。
確白花嫁衣裳を着る前に占い先襲撃とかありそうです。
がぶり。
[赤い夕陽が、運命の対決を照らし出している。
遠く、ギルバートが[ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー]を手に笑う姿が見えた気がした。**]
… コーネリアス。
[かつて、兄とも慕った相手を見つめた。
やさしい声。穏やかな竪琴。大好きだった腕。
それらも全て──── ]
……………。 … さようなら。
[ 炎に消える 遠いまぼろし ]
ステラ…?
[修道女を振り返る。
あかい瞳。
血のように、炎のように、炯々と輝く二対の瞳。
名を呼ぶ声は、むかしのように。
──けど、黒い影はいまや人ならぬ”獣”を映して]
─ ??? ─
[ざ、と木の下草が揺れる。]
[振り返った目][赤い瞳]
[間に合わない──!]
…………!!
[闇に、赤い飛沫が散る。]
―炎の中・23時過ぎ―
[ほろほろと。
肩口から解けていく存在は紅蓮の炎と混じり。
最後まで残された感覚は、聴覚。
ぽろぽろぽろと旋律を奏でるように竪琴の弦が弾ける。
その間を抜けて、聞こえてくる声。]
「… ――リアス。
……………。 … さようなら。」
(いつからお前は、獣を抱えていた?)
[ついに聞けなかった問い。]
(歩き出す前から見ていた顔だったのに。
歩き出してからも見ていた顔だったのに。)
(気づけなかった、気づかなかった…。
あの日私は、竪琴だけを見詰めてただ曲を紡ぎ出していた。)
(昼と夜と、二つに引き裂かれた顔。
そうだ、今こそあの日、吊り台の前で言えなかった言葉を贈ろう。)
――神よ、
全ての罪を許したまえ。
(枯れた白い花を捧げ持つ、あの魂に。
祈りよ、届け――)**
[ユージーンから告げられた『時間』>>20をようやく理解する。
彼が何事かを語る毎に勢いを増す火を避ける事もせず、ただコーネリアスの眼を見て。
コーネリアスの肩へ振り下ろされる獣の爪は止めず、消える時まで彼を見続けた。
その間に火は僧衣の裾を伝い、這い上がる。
それでも笑顔を浮かべながらぽつりと呟き始めた]
…ユージーンさん。
私、もしかしたら貴方に感謝しているかも知れませんの…
だって、コーネリアスは最後に残ったら天へ行かずまたふらふらと旅に出てしまいそうなんですもの。
私が後から追って行くつもりですわ、私が行けるのか、また行く事が出来たとしてどの位かかるか…わかりませんけれど。
それに…彼の笑顔、ご覧になりまして?
貴方は理解出来ないご様子でしたけれど、穏やかでしたわ。
ですから私は貴方を恨みは致しません、彼は笑顔で行ったのですから。
[両手で胸の前で十字架を持ち、膝を付く。
祈りの為か、既に立てなくなっているからか]
私はここでおりますわ。
貴方達はこれからどうなさるのかわかりませんけれど…
祈っておりますわ、皆様の元へ行かれる事を。
[全身に火を纏い、最後にハーヴェイを見]
…ハーヴェイ、またね。
[いつかの自分に戻る事の許しを祈りながら告げ。
やがてその姿は崩れ、消えた。
後に残ったのは、十字架ひとつ]
>>3:49付近
(後から、半ば羽交い絞めのようにして抱きしめた青年の視線を辿る。
と、そこに居たのは―。)
流れ者?
(そこだけ異質な、宮殿のような扉を背に、いつものように飄々と彼は佇んでいる。)
(くらくらと、頭が揺れる―。)
―旅の空・扉―
(赤い、毛足の長い絨毯を蹴って駆け出す。
長い廊下の、左右にずらり立ち並ぶは、
扉・扉・扉・扉―。
まるで宮殿のそれのような、贅をこらした扉たちは、厚く重い木材を用いられ、彫刻や象嵌で装飾されている。
遠くから金切り声のような怒号が響き、追って来る足音が迫る―。)
まずい!
(もはや迷っている暇はない。
―天にまします我らが父よ―!
久しく唱えたことのなかった祈りと共に、傍らの扉の一つに手を掛ける。
果たして祈りが通じたのか、扉は無事、すう、と開いた。)
「なっ、なんだ?!」
(そこに居たのは、いささかこの宿に、部屋に似つかわしくない風体の青年。)
「かくまってくれ!」
(勢いに気おされたのか、「わ、わかった」と口の中で言うと、彼は私を招じ入れた。)
(軽く背を押され、部屋の奧へと促される。
隠れる場所は…。
む、やはりここしかないか…。
軽い諦観。)
(かしゃかしゃと、揃いの紋章の入った肩章を鳴らしてやって来るのは、私設の衛兵たち。
扉を叩く音、続いて何か詰問する声。
それらは徐々に大きくなり、ついに青年の扉にも訪れる。
ニ、三言、彼らは青年と言葉を交わす。
やがて衛兵たちは青年の肩越しに、部屋の奧、天蓋付きの豪奢な寝具の下に、横たわる影を認めることだろう。
私は愛用のリュートで、何とかそれを、なだらかなカーブを描くシルエットに見せようと必死だ。)
「邪魔したな」
(努力が実を結んだのか、下卑た含み笑いを残して肩章の音が遠ざかる。)
「おい、行ったよ」
(青年の声に、ふう、と安堵の溜息が漏れる。
気付けばリュートを握る手は、じっとりと汗ばんでいた。)
「吟遊詩人殿?
あんな物騒な連中を怒らせるなんて、一体何をしたのかね?」
(寝具から這い出す私に、独特な口調で彼が尋ねる。
―借りがある以上、包み隠さず話さねばなるまい。)
実は―、旅の貴族に一夜の余興を、と請じられたまではよいのだが…。
その…[言いづらそうに口篭もる]
奴の目当ては、私の歌だけではなかったようだよ…。
(青年は目を丸くして重ねて尋ねる。)
「で、どうしたのかね?」
大事な商売道具で殴りつける訳にも行くまい。
受け取ったばかりの、まだ手の中にあった、金貨の袋で力任せに奴を殴って―
その後は、ご承知の通りだ。
(と、最後の方の消え入りそうな声になる。
かっと、今や私の顔は真っ赤に染まっていることだろう。
なお悪いことに、金貨の詰まった袋はそのまま投げ捨てて来てしまった。)
「ふ、ふはは、ふはははははは!!」
(それを聞いて、豪放な笑い声が部屋中に響く。)
―くそっ、故郷を出てから、もう十年にもなる。
もはや旅慣れたと思ったところにこんな…!
(いまいましげに吐き出した言葉は、まあまあ、とのどかに諌められる。)
「そろそろ潮時なんじゃないのかね?
一度、故郷へ戻ってはどうだ?」
(聞けば彼も故郷へ戻る決意を固め、記念に、とこの界隈一番の、この宿屋に泊まっていたらしい。
私は運が良い。)
そうか。途中、「―――」という村を訪れることがあったら、牧師館を訪ねるといい。
「放蕩息子」を助けた、と言えば祭礼用のワインぐらい出してくれるはずだ。
(それに対し「なんだ、同郷かぁ?!」と、素っ頓狂な声が上がる。
育ちは違うが、生まれはそこだ、と青年は続ける。)
(ふと、これも何かの縁かと思う。
これまでの騒ぎに、押しやられていた胸のつかえを思い出す。
それは昼間、町で聞いた不穏な噂話。)
いや待て―。
やはり私も帰ろう。
一緒に行っても良いだろうか?故郷まで―?
(一瞬目をしばたかせ、にっと笑うと「旅は道連れと言うしな」と、青年は私の申し出を受け入れた。)
(それから、にたりとこちらの顔を見上げ彼は尋ねる。)
「で?
今晩は私がお相手いただけるのかね?」
えっ―。
(思わずがたり、と扉へと後ずさる私の様子に、「ふ、ふはは、ふはははははは!!」と再び豪放な笑いが起こる。)
「安心したまえ、私にそちらの趣味はないよ!」
(なおも笑い転げる彼を、最初私は憮然と見詰めていたが―。
やがて釣られて噴き出すと、一緒になって笑い始めた。)**
―炎の中・23時過ぎ―
(そうして。
最後に残ったのは意識。
それすらじき、ほぐれてしまうことだろう。)
―ステラ。
(最後に少しだけ触れた、柔らかな感触。)
(その日、自警団の見回りで、犠牲者は見つからなかったという。
珍しく、少し明るい気持ちで、私は室内で咲かせた百合を一輪手折った。
この時間なら、彼女は墓地で祈りを捧げているはずだ。
しかし、そこで私が見たのは―。
雪原に広がる、暗色のコートと、墓石に飛び散る赤い色。)
(それから私は率先して、独断とも言える決断を下すようになった。
抗うものがあれば、それすら吊り上げかねない勢いで―。
もうとうに、石像は壊れていたのだ。)
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