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―湖―
[夏至祭から数日。
相棒がすっかり新しい主に懐いたのを見届け、>>17自分が命を落とした祭りの会場を訪れた。
湖上の櫓は撤去され、初めてこの場所を訪れた時のにぎわいが嘘のようだ。
ドロテアやイルマは、どんな気持ちで引きずり込まれていったのだろう。
そんなことを考えながら、ぼんやりと湖を見つめていると、突如、見覚えのある人影が姿を表した。]
アイノ…
[そこにいたのは愛する妻。
何もない湖の上に立ち、優しい笑みを浮かべ、自分の方に手を差し伸べている。]
…迎えに来てくれたんだね…
[ああ、少女たちもこんな気持ちで、引き寄せられたのだろうか。
無意識にその人影に向かってかけ出し、気づけば彼女を抱きしめていた。]
…やっと会えた…これからは、ずっと一緒だ。
[彼女も頷き、優しく抱きしめ返してくれたのを感じた。
そのまま、光と共に消えて行く。]**
[あれから、どのくらいの月日が流れたか――]
[生を終えた男が目を覚ますと、いつか会える日を焦がれていた、誰よりも愛おしいひとが、そこにいた]
…イェンニ。
おまたせ。
[くしゃり。破顔して、彼女の髪を撫でて、その体を抱きしめる]
あの日から、ずっと伝えたかった事があるんだ。
直接イェンニに言いたかった。
…愛している。
これからも、ずっと――
[唇が重なり、一度目は、触れるだけの口づけを]
ずっと、一緒に。
[そして二度目は、長く、長く――]
[男が生涯手放すことの無かった、青く透明な石は、いつの間にか消えていた。
そらはまるで、氷が溶けたかのように、水になって**]
[共に在っても、共にいない。
それが今、ようやく触れることが出来る。
言葉を交わすことが、出来る。]
傍にいたけど、……会いたかったわ。
[声が届くことの幸せを噛み締めながら名前を呼び、
どちらからともなく自然とユノラフの体を抱きしめる。
温かくて大きな体。
>>4:*19あの時は裾をつかむしかできなかったけど、
今度はその背に腕を回してしっかりと抱きついて。]
ずっと、ずっと、
──……貴方を、愛していました。
[命が終わる時、声に出して言えなかった言葉>>5:*13。
それをようやく届けられた、たったそれだけの事に、
ただただユノラフの腕の中で幸福を感じていた]**
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