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っ、
[目を見開き、息を呑む。視線が、合った。覗き込んだその先には、少年の姿があった。予想外な事態に、心臓が早鐘を打つのを感じながら、は、と息を吐き]
……あ、ああ。私は、東京から……
君は、何故そんなところに?
大丈夫かい?
[井戸の中を覗き込みながら、返答と疑問を*向けて*]
東京…
日本のシュトだっけ
[来伝氏の返答は、少年の真上から聞こえる。
仰向いて言ちる当人の声は、変声期の其れ。]
だいじょうぶ、隠れてたから
[向けられた問いには、順逆の答えが置かれ。]
おじさんこそ、…いや
[その後に続くはずだった言葉はふと途切れ、
少年の手が苔生した古レンガを辿々しく探る。]
…そのまま
俺のこと 見てて
[ ――ノイズ音―― ]
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[視界から見慣れた砂嵐めくノイズが引いていく]
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[――井戸を見下ろしている]
[苔生した内壁のレンガに、半ば両手の爪を
立てる態でへばりついている少年がひとり
浸からぬ足の下には、ゆらゆら 赤い水面
ひび割れたレンガの隙間からチロチロと細く
内壁を流れ落ちる水だけが…清涼に澄んで、]
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…
水じゃないよ
俺を見て
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[借りた視界の焦点が、少年に―自分に―戻る]
[動揺めいたノイズが収まるのを僅かに待てば、
湿った壁を登る手がかりを探るのは*容易い*]
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何、これ。
[未舗装の道路を歩いていると、ローファーの底に異物感]
T……?
[拾い上げた社章の汚れを、指先でごしごしこする。
胸ポケットの縁につけてみた]
―― 駐在所 ――
ノギさん、今日のお届けモノ。
これって何のお手紙?
[封緘された茶封筒を差し出してから、回転椅子に腰掛けた。
時計回りにくるくると空を切るのは、いつもの*ひまつぶし*]
[まず気づいたのは、薄暗い室内に放置された机の上の]
ご用の方はこちら→
駐在所へどう……ぞ
[簡単な地図。それから。
物取りでもあったような室内。
何かを引きずったような跡――]
お。
[戸口、鍵がかかっていたのは運が良かった**]
おまわりさーん!
[ズイハラとは交番の前で別れ、
ひとり記憶のままに村内へと進む。]
赤い、水。
[そう、木々に囲まれた場所に、赤色の*小川は有る*]
ああ。……隠れてた?
[問いに返される言葉を聞けば、かくれんぼでもしていたのだろうか、と考えて。続けられた要求に]
ん? ……
[読めない意図に、戸惑いを覚えはしたが、かといってあえて逆らうような気にはならず。暗い井戸の中を見つめる。苔むす内壁。へばりつく少年。底に溜まる赤い水。細い清流。
俺を見て。再びの指示に、はっと少年へ視線を戻し]
……君は、この村の人だよね?
此処の水は、どうしてこんなに赤いんだい?
[やがて地上に出てきた少年に、*尋ねかけた*]
「瞳を貸して?」
[赤い水。
懐かしい声に頷くと、視界は五十年前の音楽室]
かごめ かごめ
[古いピアノをこじ開け、歌うは二つの影*]
[見知らぬ人間たちを視界におさめた後、窓辺を離れ、部屋の壁にたてかけてあった飴色のアコースティックギターとギターピックを手に取った。]
―――〜〜♪
〜〜〜♪〜〜〜〜♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♪
[ギターの弦をかき鳴らし。
ラジオから流れている曲『夕暮れ色に沈む村』を、鼻歌交じりに奏ではじめる。
音痴女のこと、ギターの調律の程もお察しである。
不協和音の体裁すらなさない、ただただ狂った音ばかりが響き渡る。]
[ 「お姉、それ、うるさい」
「静かにしなさい!!」
家族たちのブーイングの声が、階下より飛んできた。]
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