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ゼンジさんはただ、ソラと10thは共にはと…
…っ、クルミ!!
[彼女の向こうに、セイジの姿も見える。
傷つけてしまった相手だ。
彼の金の瞳に、あの時浮かんだ色は忘れていない。
次に会ったら詫びたいと、話がしたいと思っていたのに。]
…クルミ。
12thはクルミの日記を奪った。
ゼンジさんは12thを倒した。
クルミに渡したいからって、言われていたんだ。
俺、ソラのことで動転していたから……。
伝えるのが遅くなって、ごめん。
[クルミに向けて説明をし、二人へと小さく頭を下げた**]
[ベンチに置きっぱなしだった医療品を手に取る。
使いどころは失ったが、まだ「意味」はあるモノ]
早く探さなきゃ。
[後悔はしたくない。
それに、日記はコハルに時間がないことも*知らせてていたから*]
[うとうととした眠りの中。
立ち去る前のデンゴの言葉を思い返している。
彼の疑問は、そのまま自分の疑問だった]
――どうして……
[小さな呟きが零れ落ちる]
[うとうととした眠りは、些細な動きが傷に響いてあまり長く続かない。
ぼんやりとした思考を軽く頭を振って目覚めさせる。
店にまた人がやってきはじめ、血のあとなどに躁ぐ声は聞こえても、怪我をしているこちらに気づく様子はない]
……へんな、世界……
[擦れた声で呟き。
デンゴが置いていってくれたペットボトルをしくはっくしてあける。
蓋を開ける段階で悩み。
手が使えないことで悩み。
蓋に咀みついてぐりぐり巡してようやくあいたというありさま。
それでも、のどの渇きを癒せたらほっと吐息を零す]
[汚れた手を拭って、手帳を開く。
3rdの動きがつぎつぎと書かれていて]
え……?
[「3rdは12thの死体を見た」
「3rdは日記を返してもらった」という文字が見えた。
そして、自身の未来には「屋上で12thの死体をみる」
「4thに会う」、「5thに会う」、「9thに会う」
そして、もう一つ。
「死亡」とだけかかれていた]
……生き残る、って、決めてるんだって。
[手帳にそんなツッコミをいれて、よろよろと立ち上がる。
腕の傷は鈍く痛み続けている。
痛みは治まるどころか酷くなっているけれど、手当てなんてこれ以上何をすればいいのかわからない。
だから結局何も出来ないまま、動く階段のほうへと向かった]
[静かだった駐車場が、入ってくる車の音で段々と賑やかになる。
その音で目が覚め、身体を起せば腕の痛みも一緒に目覚める]
いたたた…。
[軽く擦り腕を見る。
着ていたブルーのシャツは錆色に染まり、夕べの出来事を思い出させる。
溜息を漏らし、後で着替えを探しに行こうと考える]
[腰をあげる直前に日記に目を通す。
そこには新聞の見出しのように
『今日の脱落者、11th・12th』と書かれ]
え……ネギヤさん…
[慌ててページを捲り続きが無いか確認する。
だが、次のページに彼の遺体場所までは書かれておらず困惑した。
6thの動きも書かれてはいるが、今は先にマシロに会うべきだと上の階へ移動を開始する。
マシロを探しながら、
一階のドラッグストアで足を止め、簡単に左腕の傷を消すれば包帯を強めに巻いた。**]
[屋上には、誰が居ただろう。
動く階段にのって屋上へとついたときには、日差しがあたりを照らしていた。
風はかなり冷たく感じられて小さく身をふるわせる。
血が足りないせいか、今までよりいっそう、寒さを感じた。
ネギヤの死体は動く箱でいったりきたりしている様子。
ちょうど屋上についたときに、動く箱の扉が開いて、死んでいる姿が見えた。
それはまた、静かに扉を閉じて下に下がっていく。
グリタの死体があるほうに視線を向ければ11thの姿が視界に入った]
ああ……なんだ……無駄に、苦しめちゃった……
[きちんと止めをさせなかった人が死んでいるのを見た。
きっと、とても苦しかっただろう。
無駄に苦しめるつもりはなかったから、それだけを悔やんで。
生き残りたがっていた人の死に静かな視線を向けた]
[差し出した手に、私の端末が返ってくる。
それをぎゅっと手で握り、私はカノウくんの横へと戻り……通り過ぎてから、振り返る。]
カノウくんも、ありがとう。
……私、着替えてくるね。
[陶器の破片のせいで、私のブレザーは傷だらけになっていた。替えの服を用意しないと、いつ破れてもおかしくない。
私は、ちらりと一瞬だけ、ソラさんの遺体を見てから、目を逸らし。
ちくちく痛む足で、階段を2階まで降りた。]
[一度、心に決めた選択。それを再び音にした。
利害ではなく信頼で繋がるを求めるならば、
返らずとも、こちらからそれを切ることはしない。
切ってはいけないと、あの時見た金の目に思う。]
……グリタの世界に映す光は、
やはりグリタ自身の世界を照らすべきものじゃないのか。
2ndを守ることで10thの信じるを守った気になるのは、
あなたの思い違いなんじゃないのか。
それで彼が…グリタが喜ぶのか。
…俺は、違うんじゃないかと思う。
だからあなたがマシロを守る理由に、俺は頷けない。
ただ、2ndと会って彼女を好ましいと思うなら。
彼女自身を生かしたいと思うのなら。
ゼンジさんは、ゼンジさんの心のままにあればいいとも思う。
だから俺は……、
……あなたが2ndと出会って、どんな選択をするのか。
それを、見ていようと思う。
[静かに告げて、口を噤んだ。*]
……セイジ。
[ゼンジと共にある彼へと、声を掛けた。
名を呼んでから迷うように、少し、沈黙をする。]
…どうかしていた、悪い。
偉そうに言った癖に、あれじゃ呆れられても当然だ。
けど…。もし良かったら、あとでまた話せたら、……嬉しい。
[そこまで口にして、彼へ頭を下げる。
動くとじくり。と、首の後ろと脇腹が痛んだ。
未だ彼らが屋上に留まるなら、それ以上は口にせず。
視線が交わるだろうかと、暫しセイジの上に視線を留める。]
それじゃあ、また。
[やがて踵を返し、傷の手当てをすべく階を下った*]
[階段を降りながら、私はおばあちゃんの言葉を思い出す。ちゃんと話をしないと、と思っていた自分を思い出す。私のことを「幼い」と言ったネギヤさんの声を思い出す。「守る」と言ってくれたソラさんの声を、思い出す。
もっと考えたり、話をしたり、ちゃんとしなきゃいけないことがいっぱいある。もっと、もっと、もっと、
もっと、ソラさんと、一緒にいたかった。]
……っう、ああぁぁぁ……!!
[私は集合場所の時計の前で、声を上げて蹲った。
泣かないと決めたのに、次から次へと涙が溢れて止まらずに、わあわあと子供みたいに声を上げて泣いた。
店内に明かりが灯っても、エスカレーターが動き出しても私は動けず、結局立ち上がれたのは、店にお客さんが増えてからのことだった。]
[一度洗面所に寄って、ぐしゃぐしゃになった顔を洗う。鏡に映る私は、今までの人生で一番不細工で、思わず笑ってしまった。
それから、服屋さんに入る途中、エレベーターの前に差し掛かった時にネギヤさんの死体を見た。
私は何も言わず、開いた扉に向けて頭を下げた。ごめんなさい、と、ありがとうを籠めて。
それから立ち寄ったお店で、ショートパンツとシャツに着替えさせてもらって、ついでに鞄もブレザーと一緒に処分してもらうことにして、代わりに肩掛けバッグと、裁ち鋏を貰った。
沢山の切り傷は痛むけど、血は止まっていて、服を汚すことはなかった。]
[屋上では誰とも顔をあわさないまま。
また、動く階段を使って、下へと降りる。
動く箱には、乗りたくない。
階段を自分の足で下りるのは、厳しい。
動く階段もあまり得意ではないが、それでもましというもの。
下へ下へと降りていく途中、上に上がってきたフユキと顔をあわせる]
あ……、よかった。
そっちは、それほど酷くないみたいだね。
[3Fの動く階段の傍。
入れ違いにならずにすんで、ほっとした**]
[そして私は集合場所に戻り、端末を開く。
私の日記に、覚悟していた「DEAD END」の文字は無く、代わりにあったのは。]
『2階で、6番の子と会う。』……。
[6番の子は、ソラさんが気にしていた子だ。
私は、時計の下から動かずに、6番の子を待つことにする。
私服で、かつて携帯電話と呼ばれていたものに近い端末を見ている私の姿はまるで、友達と待ち合わせでもしているかのように、見えるかもしれない。]
[口を引き結んで、ポールを手に歩く。
血のついたポールを手に、傷だらけの姿は異様だろう。
けれど呼び止められることもなく、階段を下った。
エレベーターには12thの死体。
彼が生きて思惑を行動に移していれば、
未来の記述は変わったのかも知れない。
けれどもうそれが記述されることは、永遠にない。]
貴方の世界が
さきほどの貴方でみえました。
貴方の世界は、生き残るべきでしょう。
[偽りのない、むき出しのクルミの感情に、
そう思ったこと、述べて……。
ただ、去りゆく背中に…。]
クルミさん……
本当に守りたいもの。
本当に守るには私たちの手は少なすぎますね。
[それをどういう意味にとるかはわからないけれど、
そのあとは何も言わずにクルミを見送った。]
そう、グリタさんは私には何も大事なことはおっしゃらなかった。
多分、私はグリタさんにはなんでもない存在だったのでしょう。
それは、よくわかっています。
[思い出す。
声をかけて、彼は振り向きもしなかった。
そう、グリタの心の中は、とても忙しかったのだ。]
だから、
もし、マシロさんがそうならば、守ろうと思う私の気持ちは私のエゴです。
きっと正解ではありません。
でも、私はそれでも、彼の世界を愛して生き抜こうとする彼を応援したかったのです。
そう、実は、彼を殺したことを、後悔しています。
貴方から聞いただけではなく、ちゃんと、グリタさんに聞きにいくべきだったと、
グリタさんの守りたい者というのをきちんと聞くべきだったと…。
しかし、彼も、彼の世界も返りません。
[価値無き世界にあるがゆえに、
――世界の美しさに打ちのめされる。
妬むような気持ちはあるけれど、
それよりも強いのは畏敬のような何かだ]
[>>49 だから9thの叫びに、小さく首を横に振った。
7thの世界に咲いていたのだろう、あの名も知らぬ花を思う。
もう知ることもない綺麗な花、それから一面の海に映る空と、――耳に残る星のような音楽と、父親に憎まれ口をきく娘や、あるいは人と人で無い者との間で循環する命を。]
……僕の知らない世界の、
綺麗なものとか、安穏とか、……平和
そういうもの憧れるし、なんだろ……とても尊いと思う、
うん、
[今、この場所から下を見下ろして見えるたくさんの窓や、航空機から見下ろしたたくさんの家々の灯り、それにふいに涙が零れるような――たぶんそんな気持ちで、“世界”を思う]
誰の世界とか、関係ない……。
だから、はい、
マシロさんには、きちんと聞きます。
聞いて、
彼女の世界、グリタさんが守りたかった世界、
それをまず、確かめたいのです。
[そして、やや、沈黙のあと…。]
ええ、ありがとうございます。
[それは、カノウのほうを向いて…。]
[>>45 悲鳴のような叫び声が響く。
響いたけれどやっぱり振り返らないまま、フェンスにかけた指がしんと冷えていく。
打ちひしがれたような気持ちと、もどかしさと]
……早く、終われば……
[けれど駒でしか――兵隊でしかない、自分には戦い方がわからない。フェンスに指が食い込む、この境界線を越える想像は、ずっと付き纏っていて。呟きを零したところで、>>46問いかけられた言葉に気付いた]
沈黙のままであれば、白くなった手のを覆うように手が伸びてきた。その手が触れれば、びくりと指が震える。あたたかな温度と、背中越しの気配、フェンスから遠ざけられれば――自分の胸の裡に気付かれているのだと思った]
っ……、
[何故ひきとめるのだろう、理由もいわないのに。
問いたくても口唇が震えて、何も言葉にならない。
そのまま4thの傍らにあるのを感じながら、
ただ俯いて自分が落ち着くのを待っていた。
他人の体温で落ち着くなんて思わなかったから、
それは少し不思議だ。抗わずに身を預けて]
……4th、お前は……僕のことがわかるの?
[そんな言葉だけを口にして、
それから12thの事を聞くことになった]
[>>57>>58 それから3rdが来て何かを言っていく。
言葉を発したのは、4thが全ての言葉を紡いだ後。
俯いたいた眼差しが、静かに視線だけを向けた]
それが知りたかったらお前が僕を殺しにきなよ……
[>>61 一人じゃなくて、守りたいものがあって、
そんな恵まれた3rdの言葉は、
酷く身勝手で自分本位だと思った]
……お前に何がわかるの。
守りたいものがあれば、殺しても許されると思ってるの。殺すことを許すの?生きるのを許可するとでもいうの?
……何もなくても、
自分の心に正しささえなくても、
それでも戦わなくちゃいけない奴の気持ちが、お前にわかるの?
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