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[尋ねれば予約した人間からの指定だという。
溜息をついてベルボーイにチップを渡して追い出すと、苦笑いをした]
あいつにホテルの手配を任せたのが間違いだったのう。
誰かが囮にでもなるかして、警察の目をアレからそらさない限り、せっかくの大仕事は難しそうだと思うんだよ。
[意味ありげに黒猫のタンゴを流しておいてぬけぬけと言う]
だから、わしが囮になろうと思うんじゃが──。
[その声は誰かにきこえたかきこえなかったか。
ともかく、駅のホームのベンチから立つと、
その姿は、人ごみに掻き消えた。]
― ドゥ・シティ[魚市場]―
しかし、仲間を捕まえさせて、姿をくらますか。
これも10年前と同じじゃのう。
あの時は、あいつもただの悪党だったが・・・。
[広げる夕刊、その片隅に、大福たるあだ名を持つ男の逮捕劇のワンショットがあった]
まぁ、うまい魚でも食うか。
[大福は簡単に捕まる男ではない。
だが、その逮捕は見事なもののように描かれていた。
しかし、警察も、そこに密告たるような情報を載せてはいない。]
自らが無能であることは好評しないのかね。
[チラリみやる魚市場の大きな時計。
夕暮れは、また朝とは違うにぎわいを見せはじめている。
観光客に混じり、うまいリゾットを食わせるという店に入った。]
あら、遅かったかしら?
[既に届けられたらしい大福を見て瞬きをすれば、ウミの期待を裏切ったことは伝わるだろう]
女は化けるものよ。
どんな姿にも、どんなものにも。
[途切れて終わった言葉に口角をつり上げて笑う。
招かれるままに部屋に入り込んだ]
囮。
……おじいさまが?
[協力するべき。
そんな台詞に形だけ頷いていたが、続いた言葉には、さすがに相手の顔をまじまじと見てしまった]
一体どういう風の吹き回し?
まだ、囮にするべき相手はいるのではなくて?
[一歩、相手へと歩み寄る]
[そこで鼻をいじりながら、バジルの大盛りを頼み、やってきたボーイにチップを弾む。
耳打ちしたあと、また新聞を眺め、
やってきたアツアツのリゾットの上、バジルの葉をどさりかけて、陶器の匙でそれらを混ぜ込む。
一緒にやってきたのは、スパークリングワインと黒ビールを割ったブラックベルベット。
それらに舌鼓を打ちながら、
熱い湯気が消える頃、胸のネクタイを指でつまみあげた。]
おい、君、
黒胡椒を持ってきてくれないか?
[問いかけるのはさっきのチップを弾んだボーイ。
彼が頷けば、飲み物に手を伸ばし]
驚く発言かの?
[ザクロのリアクションは予想していたとはいえ、それでもなお楽しそうに目を細める]
そもそも、わしらは大仕事をするために集まったんじゃろ?
仕事をするために手段を選んでる場合でもあるまい。
囮にすべき相手、か。それは誰かの?
わしは取り立てて武器の扱いに優れたほうではないが、それでもこのくらいの距離であれば、銃の的を外したりはしない。
しかし、そういうやり方も好みではないしのう。
時間を稼ぐ間に──捕まってしまうのは、もっとばかばかしい。
[近づくザクロに特に警戒することは無いように見えた]
[飲み物を飲み干したあと、
ボーイがもってきた胡椒引きに頷いて、席をたつ。
そのまま手洗いにいくと見せかけて、向かうのは・・・。**]
確かに……
[潜入も、格闘も、この老人よりは自分の方が優れているのかもしれない。囮になるということが、イコール捕まって終わるという事でもないかもしれない]
けれど、この男はスリーピングキャッツ。
いつでも寝ている、否、寝たふりの上手な大悪党]
おじいさま。
警察でなにかやることでも?
[僅かに目を細めて、首を傾ぐ]
まさか。
[余裕の笑みは崩れないけれども、それは平常過ぎる表情]
むしろ、わしが警察に捕まったと聞けば、嫌がる人間の方が多いだろう。
「あれ」を含めて、な。
[心底楽しそうに笑った]
では、協力頂けるかな?
たとえばそう、ファンクラブとか──**
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