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[そして、改めて小型犬の仔犬のブースへと案内されると、可愛い仔犬たちに目移りしながら、モミジの方へと視線を向けた]
モミジさんと、気の合いそうな仔がいるかな?あ、アパートでペット飼えないとかは、うん、解ってる。とりあえず俺が連れて帰るけど、でも…
[そっと、モミジの手を取って、きゅ、と握る]
でも、二人で育てよう。マールの代わりは居ないけど、きっと新しい幸せを、育てられると思うんだ。
出来れば、ずっと、一生……
[モミジの返事はどうだったか。
丸い目をして二人を見上げる仔犬達のうちの一匹が、やがて優しく抱き上げられたのは確かだけれど**]
[連れて帰った仔犬の飼い方や、何かを、随原に相談するうちに、気付いたことが一つ]
あ、俺、随原さんに仕事のこと言ってませんでしたっけ?
[実はモノカキなんです、と、告げて]
...現実での、お近づきの印に一冊プレゼントしていいですか?邪魔なら古本屋に売ってもらってもいいですから。
[そう告げて、送ったのは『虹の鍵と青空の螺子』
随原自身がモデルのキャラクターがいるとは、彼は気付かなかったかもしれないけれど、ただ、彼のおかげで持って帰ることが出来た「たからもの」が作り上げさせてくれたものを、手渡しておきたかったから**]
…スマホ? ああ。
[問われて是を返すと、懐かしい名前が耳に届いた。
バンド、と言われて箔源も先へ進んだのだと男は知る]
ライブの動画か……。
[転送されたURLを保存し、時間のある時にゆっくり見ようと。
流石に今は勤務中だ、客の目の前で動画を見るわけにはいかない]
……もし、ここに居ない犬種が欲しいなら、ブリーダーに交渉してみるぞ。
[目的の犬種が居ないならば、と一言添えたが、拘りがあるわけではないらしい。
それならば後は二人で相談するのが良いからと、男は一旦冬木達から離れた。
仔の声が賑やかな店内、少し離れてしまえば彼らの話す内容はほぼ聞こえなくなる。
男はその間に仔猫や仔兎の世話や入れ替えを行っていた]
[それからしばらくして]
……ああ。
[幾度か仔犬についての相談を受けた折、冬木の仕事についてを問われて短く是を返す]
物書き……。
…良いのか?
タイトルさえ教えてくれれば、買うが。
[印税等に関わるだろうに、などと考えてしまうのは経営に携わるが故。
だが相手の気持ちと言うことで、執筆した本は頂くことにした。
タイトルを見て、あの時の光景が甦る]
……楽しみだ。
[冬木がどんなストーリーを紡いだのか。
受けた印象をそのまま口にして、男は楽しげに笑った**]
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