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[本来の性質か否か、大げさに吃驚したような素振りをみせてから]
やあ、気を取り直して、今日は。
貴方が……
[獏の言っていた男だろうかと。確認しかけ、相手自身に言っても意味がない事に思い至ってか、やめた]
私はライデンという者です。
以後お見知り置きを。
そういえば、今……何といいましたか。
「ひとりの時間」?
どこから……どこまでが。
[かわりに挨拶した後、今しがたの声を思い出すように言っては、首を傾げる。テンマが何か反応を返したなら、ふうむ、と口元に手をあて]
何やら謎かけのようですね。
一人でいるならそれは一人の時間か。
一人でいないならそれは一人の時間ではないのか?
そういう問題であるのならば、難問だ。
そもそも一人という状況自体も概念の定め方次第で変わってしまう。
そうでない意味なら、……ふむ。
どうにも推し量るというのは苦手なようです。
[ぽつりぽつりと零しつつ、肩を竦め、僅かに眉を下げて笑う。そのうち眠たげに去っていくテンマを見送ると、己は少しく思案してから、向かっていた方に再び*歩き始め*]
[2回目の目覚め。そこでミナツは、先ほどと同じ話をもう一度聞くことになる。
自分の名前とか、今の状況とか、カナメと名乗る聞こえてくる声のこととか]
へえー、そうなんだ。
[先ほどよりは幾分しっかりした口調で返事をする。
やがて声が途切れると、周囲を見渡す。
目を引いたのは、スケッチブックと一緒に置かれていたカラフルな色鉛筆だった]
[気の向くまま歩き、たどり着いたのは広いキッチンだった。
食欲をそそる辛みの利いた香りに、お腹も小さく鳴る]
これ、食べてもいい……のかな?
[キッチンの主らしき女性に問いかける]
マンドラゴラ?
[樹の根元から滴る水が貯まり、泉となっていた。
浸した足をゆらゆら動かしている。
広がる波紋]
嘘?
[笑うカナメに、首を傾げた]
[引き寄せられるまま、失人は世界を受け入れていく。新しい記憶が、更に古い記憶を消して行く。もう、夢のカケラすら残っていない。それでも、取り戻したくて。]
ルリルリが、俺の夢を見てみたいって言ってたし。
取り戻さなきゃな、夢。
[だけど夢の最後だけは、まだ覚えている。最後に見たのは、誰かのシルエット。悲しくて、手を伸ばした時に夢は消えた。]
なぁカナメ。
俺の夢を食ったのはお前か?
[問いは、虚空に溶ける。]
[あのシルエットは誰だったのか。忘れてはいけない人だった気がする。忘れたくない人だった気がする。忘れてはいけない人だった気がする。あぁせめて、顔だけでもわかればいいのに。カナメは何も答えない。教えてくれない。]
俺の答えは何処にある。
俺の夢は何処にいる。
[キッチンへひょっこりと顔を出す]
ペケレ、おはよー。
[先ほどまで墓碑前で寝ていた女性に声をかけてから、初めて見た少女の顔をまじまじ見つめる]
プレーチェ。
ひつじ。
[自分を示し、抱えるぬいぐるみを掲げ、ミナツへ*自己紹介した*]
――自室――
[蓋が開いた冷凍睡眠装置。先ほどまでまどろみと覚醒の狭間を彷徨っていた少年は上体を起き上がらせたが、それ以上動こうとしない。]
・・・うるさい。俺は眠いんだ・・・
・・・どうして、起こした。
そんな長話はどうでもいい。もう一度眠る。
・・・ッ!わかった、わかったから大声を響かせるな。
起きればいいんだろう・・・くっ・・・。
[渋りながらも、声に促されるままに装置を離れる。足取りは重い。]
長話はもういい。聞いていたさ。
[ぴしゃり、と声を遮る。]
「レン」、「レン」とうるさいな・・・変な感覚だ。
それは、本当に俺の名前なのか?本当に俺のものか?
・・・とはいえ、他の名前なんて思い浮かばないな。
わかったわかった。「レン」でいいよ・・・。
そういうことにしておく。
[気に入らない、耳障りな声だがその言葉に耳を傾け]
・・・そうだな。確かにそうだ。
ぼうっとしてるのを覚ましに、体を慣らしに行こうか。
こんな体中がギシギシ言うような不愉快な感覚とは早く縁を切りたいからな・・・。
[壁に手をつき、ぎこちない動きで部屋を出た*]
ミナツ……?
さっきディスプレイに無かった名前よね……?
どっから出てきたのかしら。
ダーリン、私の脳に何か送り込んだ?
[真顔で首を傾げる]
じゃあ……[失人 バク]?
[慎重に名前を上げる]
[ふわり、失人は飛び降りる。世界をみて回る為に。行き先など決まっていないけど。それでも、新しい何かと出会いたいから]
行くぞ、カナメ。俺の夢を探しに。
[見えぬ何かに声をかければ、それはついてくるだろうか?]
ひーい、ふーう、みーい、よーお、
いーつ、むーう、なーな やー――
[ブランケットをまとい子供は、
危うい足取りで階段を数えつつ踏んで、上へ着けば更に進む。
階下のとは少し趣を違えた扉。
そこに掛かっていたプレート、記されたその文字も読まずに、入った。施錠などはされていない]
これはなんですか、カナメ。
[なかの広さはそれなりか。
色とりどりに明滅し始めた壁の一部へ寄って触れる。
すると立体映像が、室の中央に結ばれた]
―墓碑群―
[そこは、先ほどまでとは違う世界だった。ここの空気は、冷たく痛い。悲しみの中に、浸かったような感覚。]
あぁ、この場所は涙の色をしている。
[ぽつり、呟いて。近くの扉に寄りかかって、ぼぅっと、この世界を眺める事にした。悲しみの色を覚える為に。]
[高い建物の群れ、電飾、その上に飛行船。
そして大勢の人間たち。
街の俯瞰か、さながら精巧なジオラマのように]
これはなんですか、カナメ。
[耳を傾けるルリ]
…キロク?
むかしの、映像ですか。
このひとたちもいまここに? あえますか?
[これが実体のない虚像である事はわかった。
人差し指が人々を指すと、像がかき消える。
カナメの声は聞き取れないほど遠ざかり]
[しばし佇んだ後、少女の興味は移る。
またその壁へ手が触れると、
別の映像が現れ次々と切り替わる。
操作方法などわからない、
映されるものをただ見るだけだった。
夢中になるうち、
ブランケットが足元へ滑り落ちて*]
ん? 何か……良い匂いがするな。
この匂いは……カレーかね?
[ふと漂ってきた匂いに、一旦止まって辺りを見回し。匂いのする方へと歩いていっては、一つの扉の前で立ち止まる。
こん、こん、と二度ノックをしてから扉を開け]
[身長と同じくらいの高さの出入口。頭をぶつけないよう、慎重に中に入り]
やあ、今日は、お嬢さんがた。
美味しそうな匂いがしたものでね。
余っていれば少し貰ってもいいかな?
[室内の面々を見てから問い]
と……失礼、挨拶が遅れたが。
私はライデンという者だ。
[初めて見る顔には名乗り、宜しく頼もう、と挨拶する。
胸の下辺りに腕を横にあて、丁寧に*一礼を*]
うん、覚えた。この世界は、藍色だ。
[ぽつり、ぽつり。一人で呟いて。]
次は何処へ行こうか。
新しい世界を、見に行きたい。
[寄りかかっていた扉から離れ、また歩き出して。]
[ こつ こつ こつ 螺旋階段を昇る靴音は、硬い。]
[2階の通路に出ると、吹抜けから階下を見下ろせる。
ビオトープ…美しく均整の取れた箱庭が其処にあった。]
禁じられた進化――――
…付き合わされて、気の毒と言うべきでしょうかね?
[呟きには困惑が滲む。
メタセコイアの枝間を駆け抜ける影は、リスか小猿か。]
[ライデンから得られた答えは別の形をした疑問だったが、
眠たげな眼をした存在はそれなりに感銘を受けたらしく…
推し量るのは苦手と言う彼へ、ゆるりと被りを振った。]
素直で謙虚な方は、
慎重でもおありだと思いますよ…ライデン。
[ささやかに呼び名を改めて、気怠げな歩を石畳へ乗せた。]
…ああ。
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