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[レイヨが、カウコに何か囁く気配を聞いたけれど、その声は小さく男が聞きとる事は出来なかった。
ただ、公に出来ぬ事がふたりに在る。
それだけを胸裏に落とし、テントを出る]
…――まだ、におう…
[温度ある臭い。
男は鼻をひくつかせてから、自分の小屋へと向けて歩を進めた。
感じる、別な気配に眉を僅かに寄せて]
[さて、場所はどこだったか。
長老のテントに戻ることはなく。
さて、どうしてくれようかと思案を巡らす最中に。
目に留めやる赤は血ではなく。この雪に映える赤い衣。伏せ目を緩くゆがませながら]
アルマウェル。ごきげんよう?
先ほどはビャルネ様をどうにかなさって?
姉様やウルスラでは重そうでしたものね。
[埋めて差し上げたの?と言外に。ビャルネの件を仄めかす]
カウコ、どうしてあんなことしたのかしらね。貴方、あれをどうみていらっしゃる?
[胡座の膝上へ、ぽんと人懐こく乗ってくる仔犬を、
蛇遣いは撫でない。右手を腿へ軽く載せて無視する。
しばらく好きに嗅ぎ回らせて舐めさせて、ストーブに
柔い火が回るのを眺め――何をするでもなく寛ぐ。]
……
[そのうちに仔犬が最前の火傷を舐めても…儘に。]
[ぴと、][ぺろり]
[心配げな舌使いが、懐こい円らな瞳が、生焼けの
人肉の味を知りゆく熱を帯びるに時は…長くない。]
[部屋を温める焔がそのまま明かりの役割を果たす朽ちかけた小屋に、来訪者の問う声が届く。彼の到着を待ち部屋を温めながら焔を見ていた車椅子に座す求道者は、顔をあげ扉を見た]
はい。
戻らずとも開いてはいますけど。
[キィ…―――促す声はすれど迎え扉を開く事はせず、カウコの来訪にあわせて帰宅して初めての茶を煎れ始める。扉に向ける背は普段と変わらぬ装いなれど、警戒心よりは自らの住まいですら所在無さを漂わせる]
火の傍へどうぞ。
― 自身の小屋 ―
[戸を開ける前から、中に気配を感じる。
眉を中央へ寄せたまま、手を伸ばして内へと姿を見せた]
…――盗るものはないぞ…
[子犬の気配だけではないそこに、
低い声を向けた]
――痛。
こら、噛むのはいかんぞ。
笛が吹けなくなると困る。
[まだ尖らぬ牙を立てた子犬を窘めると、
無邪気そうないきものは我に返るよう。
次いで――戻り来たマティアスの姿に
振り返って あん と高い声を上げた。]
おや、戻ったか。
盗るものは…無いかね?
…無いと思うが…――
[少なくとも金目のものは。
呟いて、背で扉を閉める。
家内は、外ほど杖で慎重に地面を擦らなくても、歩く事が出来る]
…――、茶でも淹れるか…?
――邪魔する。
[扉を開いて、中に入り一拍の間。
火の傍へと促されれば促されるまま。
茶を煎れに向けられた背を眺めやり、かける言葉]
先に、質問に返しておこうか。
[告げて、少し思案する間を置いて]
何もしなければ、長老から指示が出て――
誰かが死んでた、ことが前提か。
[事実、テントへと人が集まったのは沙汰を聞くため。]
長老の指示通りに誰か殺せば、間違っても後悔なしか?
元より、長老の言葉を免罪符にするつもりはなかった。
人一人殺すのに、
「命じられたから仕方なく」とは言いたくない。
[ほどなくすれば茶の香りが漂うだろうか。]
間違いでも、俺は自分でビャルネを疑って殺した。
そして、後悔するくらいなら最初から――しない。
が、答えでいいか? 納得しろとは言わない。
[後悔"出来ない"と同義にとられようと、自分の中では"しない"と定めて動いているから。]
[声をかけられて立ち止まる。イェンニの姿を認め、その話を聞いた。ビャルネの件を仄めかされると]
ビャルネは、埋めてきた。
[そう、簡単に答え]
理を考えれば、恐らく。
思うところがあったのだろう。
疑心であれ、保身であれ。
疑心も保身が含有するものではあるが。
[カウコの事に話が及ぶと、ぽつりと返してから]
…ふぅん。
ま、つまらないわね。埋めてしまったの。
狼に食べさせたらまた時間稼ぎができるとか思う人、いなかったの?
[薄い唇にそっと当てる指先は手袋をせずに僅か赤く]
ビャルネ様が無実…と。成程ね。
何方からそれを?…あぁ「保身のために」いえないでしょうけれど。
疑惑と真実が交わるのみ、と。
そこには秘匿も、あるのだわね。
無ければ、そんな険しい面持ちで
帰ってくるものではないよ。これが怯える。
[これとは相手ゆえに指しもせず仔犬を示して、
ぐずと鼻先へいつもの音を立てる。怯える、と
口にするほどには当の仔犬は怯えもせず―――
ぱふりとマティアスの脛へと両の前足をつく様子]
否、こちらの用件で上がり込んだのだ。
あたしがやろう。
[慣れた室内を進む相手に声をかけ立ち上がる。]
先刻の問いは覚えているかね、"49"。
…そうか――有難う。
[言って、立ち上がる相手に指で水場を差し、自身はストーブの近くへと。
あん と 子犬が鳴く]
…勿論だ。
答えもこう、単純なものだ――
…――何か合った時の為、
機転を利かせろと言ったのは…
――お前だと、記憶している…。
[低い声 顔を蛇遣いへと向け
口元に浮かべるのは、微かな笑み]
[コトリ。カウコに茶を渡そうとする手は、もう彼に触れた折に着いた血の色はない。自分の分のカップを両手で包み、彼の言葉に黙し耳を傾けた]
…………ありがとうございます。
ひどい問いだったのにに答えを頂け感謝します。
ただ僕は…
長老が今日も誰かの名を挙げる心算だったなら…
あるいは誰かの手にかかるなら…
僕ではないかと思ってあそこへ赴きました。
でもそれは死ぬ為でなく出来るだけ生きる為です。
[彼の言葉の終わって後に口を開き、不審も信用も過分になれば危険が増すであろう状況で、弁明をして叶う限り人をいかしたいが為とは伝わるか否か。彼の想いとは違えど厭う事はなく、静かに頷いて茶を啜る]
説得が無理ならせめて村を襲う理由を聞きたい。
いかしいきる為の手段と同時に…
誰ともなく話す事しか僕には思いつきませんでしたが。
[コトリ。一本だけ脚の短い机にカップを置き、手を伸ばす先は容器の並ぶ棚。ひとつを手に取り、カウコへ差し出す]
…傷薬です。
化膿止めくらいにはなると思います。
[傷の事を訊ねるよりは、先に置いた問いに答えてくれた彼が来訪を求めた件を聞こうと、温まり湯気にも曇る事のなかった眼鏡の奥の眼差しが促す。彼が狼使いか否かよりは、薬を持つ事を知られる事に怯えるように視線を逸らした]
まぁともかく。ビャルネ様が無実というのなら……さぁて…あのイカレ帽子屋さんから何が聞けるかしら。
えぇ?イカレ帽子屋?どこかの遠い遠い国の御伽噺に出てくる帽子屋さんですって。
保身か、秘匿か。どこで見極めるかは…死後でも十分ではなくて?
死人にくちなしとはいうけどね。
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