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はい、おはよう!
[今日もそこかしこで看護師たちの元気な声が響く。朝ですよ、さあ起きて、と。
常ならば朝日に照らされ、疲れた顔はけして見せぬ彼らの笑顔が病室に咲いたのだが――
声は明るくとも、笑顔は、ない。
けれど誰もそのことには気づかない。違和感など存在するはずもなく。
笑顔の消えた世界、誰かの感情を察知するのは、きっと少しだけ、難しくなった]
[病院の中庭に一本だけ生えた桜の樹。
今はただ冬枯れを待つばかりのその樹は、春になれば花びらを高く舞い躍らせ、きっと屋上に、そして空へと飛び立っていくのだった。
その桃色に微笑む者は、もうこの世にはいないのだけれど]
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